ジクアス点眼液の効果・副作用を医師が解説【ジクアホソルNa点眼液】

「ドライアイで目薬をさしても、すぐに乾いてしまう…」「ヒアルロン酸の目薬でも物足りない」

そんな、乾きが強いドライアイにお悩みではありませんか？「ジクアス点眼液」は、従来の潤いを「補う」だけの目薬とは一線を画す、目本来の「涙を出す力」に働きかけるという、新しい発想のドライアイ治療薬です。

この記事では、そんなジクアス点眼液について、効果の仕組みや副作用、正しい使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。

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ジクアス点眼液とは？効果は？

ジクアス点眼液は、「ドライアイ治療薬（ムチン・水分分泌促進薬）」です。

目の表面に作用して、涙の成分である水分と、涙を目の表面に留める接着剤の役割を果たす「ムチン」という物質の両方の分泌を促します。

潤いを外から「補給」するヒアルロン酸ナトリウムと違い、ジクアスは自分自身の涙の量と質を改善するのが最大の特徴です。

ヒアルロン酸ナトリウム については
こちらの記事をチェック！

ジクアス点眼液には、容器の形態が異なる2つの種類があります。

ジクアス点眼液3%：従来からあるタイプで、1日6回の点眼が必要です。
ジクアスLX点眼液3%：効果が長く続くように製剤が工夫された新しいタイプで、1日3回の点眼で済みます。「LX」は”Lasting eXtend”を意味します。

ジクアス点眼液の成分

有効成分は「ジクアホソルナトリウム」です。

この成分が、目の結膜にある「P2Y2受容体」という“スイッチ”を押します。このスイッチが押されると、細胞が刺激されて、涙の主成分である「水分」と、涙の安定に不可欠な「ムチン」の両方が、目の内側から分泌されるようになります。

これにより、ただ潤うだけでなく、涙そのものが安定し、目の表面に留まりやすくなるため、ドライアイの不快な症状が根本から改善されます。

ジクアス点眼液の効果

涙の量と質を改善することで、ドライアイの症状を和らげます。

目の乾き、ゴロゴロ感、異物感
目の疲れ、かすみ
目の痛み

どんなときに使う？（適応疾患・部位）

ドライアイ

ジクアス点眼液はオンライン診療で出せる？

「ドライアイで目が痛くて…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ジクアス点眼液のような点眼薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ジクアス点眼液に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

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ジクアス点眼液の使い方（用法・用量）

種類によって1日の点眼回数が異なります。必ず医師の指示通りに使用してください。

ジクアスⓇ点眼液3%：通常、1回1滴を、1日6回点眼します。
ジクアスⓇLX点眼液3%：通常、1回1滴を、1日3回点眼します。

ジクアス点眼液の副作用

安全性の高いお薬ですが、いくつか特徴的な副作用があります。

主な副作用

眼刺激感（しみる感じ）
目やに：涙の質が改善され、ムチンが増えることで、白い糸状の目やにが出やすくなることがあります。これは薬が効いているサインであることも多いです。
目のかすみ（点眼直後）
目のかゆみ、目の不快感

副作用が出たときの対処法

「目やに」はよく見られる症状ですが、あまりに量が多い場合や、色が黄色・緑色など普段と違う場合は、感染症の可能性もあるため医師に相談してください。

その他の症状が気になる場合も、自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

ジクアス点眼液の注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

過去にジクアスの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）

併用に注意が必要な薬

特に報告されていませんが、他の点眼薬を使用している場合は、必ず医師に伝えてください。

使用上の注意

コンタクトレンズ	防腐剤（ベンザルコニウム塩化物）がレンズに吸着されるため、ソフトコンタクトレンズを外して点眼し、5〜10分以上経ってから再装用してください。これはLXでも同様です。
点眼方法	容器の先がまぶたやまつげ、目に直接触れないように注意してください。汚染の原因になります。
他の点眼薬との併用	2種類以上の点眼薬を使う場合は、少なくとも5分以上間隔をあけてください。

保管方法

直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
開封後は、通常1ヶ月を目安に使い切ってください。
子どもの手の届かない場所へ。

使い忘れたら？

気づいた時点でできるだけ早く1回分を点眼してください。

ただし、次に点眼する時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ点眼しましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ジクアス点眼液をはじめとした点眼薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ジクアス点眼液に市販薬はある？値段は？

市販薬

ジクアス点眼液と同じ成分の市販薬は販売されていません。必ず医師の診察と処方が必要です。

ジェネリック名

ジェネリック医薬品（後発品）があります。

「ジクアホソルナトリウム点眼液3%「製薬会社名」」という名称で発売されています。

※LX点眼液のジェネリックは、まだありません。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

薬品名	先発/後発	1本(5mL)あたりの薬価	3割負担の場合の自己負担額
ジクアスⓇ点眼液3%	先発品	約603.2円	約181円
ジクアスⓇLX点眼液3%	先発品	約770.5円	約231円
ジクアホソルNa点眼液3%「日点」	後発品（ジェネリック）	約184.4円	約231円

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ジクアスLX点眼液3%

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか？
小児に対する安全性は確立されていません。そのため、原則として処方されることはありません。ドライアイでお困りのお子様には、ヒアルロン酸ナトリウム点眼液など、安全性が確認されている別の薬が選択されます。

Q. 運転してもいいですか？
問題ありません。ただし、点眼直後に一時的に視界がかすむことがあるため、見え方がクリアになってから運転するようにしてください。

Q. 目やにが増えた気がしますが、大丈夫ですか？
ジクアスの特徴的な症状の一つです。涙の質を安定させるムチンの分泌が促されることで、白い糸状の目やにとして出ることがあります。これは薬が効いている良いサインであることが多いですが、気になる場合は医師に相談してください。

Q. 「ジクアス」と「ジクアスLX」の違いは何ですか？
1日の点眼回数です。「LX」は効果が長持ちするように工夫されており、点眼回数が1日3回で済みます。従来の「ジクアス」は1日6回の点眼が必要です。効果は同等とされていますので、ライフスタイルに合わせて医師が選択します。

Q. ヒアルロン酸ナトリウム点眼液（ヒアレイン）との違いは？
作用の仕方が全く違います。 ヒアルロン酸が潤いを「補う」補充型の目薬であるのに対し、ジクアスは涙の成分（水分とムチン）の分泌を「促す」促進型の目薬です。

まとめ

ジクアス点眼液は、潤いを補うだけでなく、ご自身の目本来の「涙の分泌力」を高めるという、新しいタイプのドライアイ治療薬です。

特に、点眼回数が1日3回で済む「ジクアスLX」は、利便性が高く、治療を続けやすいのが大きなメリットです。

涙の質から改善することで、つらいドライアイの症状を和らげます。医師の指示通りに正しく使い、治療を続けましょう。