
「病院で『ドンペリドン』という薬をもらったけど、これは何?」「有名な吐き気止め『ナウゼリン』と同じ薬?」
そんな疑問をお持ちではないでしょうか。「ドンペリドン」は、つらい吐き気や嘔吐の症状に対して、小さなお子様から大人まで非常に広く使われている「ナウゼリン」のジェネリック医薬品です。
この記事では、そんな吐き気止めの代表薬ドンペリドンについて、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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ドンペリドンとは?効果は?
ドンペリドンは、「制吐薬(せいとやく)」および「消化管運動機能改善薬」に分類されるお薬です。先発医薬品である「ナウゼリン」と全く同じ有効成分を含んでいます。
脳の「嘔吐中枢」に作用するのをブロックし、同時に弱った胃の動きを活発にすることで、吐き気や嘔吐を抑えます。
ドンペリドンは、様々な製薬会社からジェネリック医薬品として発売されており、年齢や症状に合わせて使えるよう、非常に多くの剤形が用意されています。
- ドンペリドン錠5 / 錠10:一般的な錠剤です。
- ドンペリドンドライシロップ1%:主に小児に使われる甘い粉薬です。
- ドンペリドン坐剤10 / 30 / 60:吐き気がひどく、薬が飲めない場合や、乳幼児に使う坐薬です。
ドンペリドンの成分
有効成分は「ドンペリドン」です。 この成分は、主に2つの働きで吐き気を抑えます。
①脳の“吐き気スイッチ”をブロック
脳には、吐き気の信号を受け取る「化学受容体引金帯(CTZ)」という部分があります。ドンペリドンは、ここの“吐き気スイッチ”(ドパミンD2受容体)をブロックし、吐き気の信号が脳に伝わるのを防ぎます。
②胃の動きを活発にする
胃の動きをコントロールしているドパミンD2受容体もブロックし、胃のぜん動運動を活発にします。これにより、胃の内容物がスムーズに腸へ送り出され、胃もたれや吐き気が改善します。
ドンペリドンの効果
吐き気や嘔吐、およびそれに伴う様々な消化器症状を改善します。
- 吐き気、嘔吐、むかつき
- 食欲不振、腹部膨満感(お腹の張り)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 成人:慢性胃炎、胃下垂症、逆流性食道炎、薬の副作用などによる吐き気・嘔吐
- 小児:かぜや周期性嘔吐症などによる吐き気・嘔吐
ドンペリドンはオンライン診療で出せる?
「胃もたれが酷い、吐き気まで出てきた…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
ドンペリドンのような胃薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ドンペリドンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
ドンペリドンの使い方(用法・用量)
原則として、食前に服用します。食事の前に胃の動きを良くしておくためです。
- 成人:通常、1回10mg(10mg錠なら1錠)を、1日3回食前に服用します。
- 小児:年齢や体重に応じて、ドライシロップや坐剤の量が細かく決まります。必ず医師の指示通りに使用してください。
- 坐剤:肛門から挿入して使用します。吐き気が強く、薬が飲めない場合に非常に有用です。
ドンペリドンの副作用
副作用は比較的少ないですが、以下のような症状が現れることがあります。
主な副作用
- 口の乾き、下痢、腹痛、眠気、頭痛
- 女性化乳房、乳汁分泌、月経不順:まれに、ホルモンバランス(プロラクチン)に影響して起こることがあります。
- 錐体外路症状:手の震え、体のこわばりなど。頻度はまれです。
- QT延長:心臓の電気的な活動に影響を与え、不整脈につながる可能性が指摘されています。特に心臓に病気のある方は注意が必要です。
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、自己判断で服用を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
ドンペリドンの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にドンペリドンの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 胃腸に出血や、機械的な閉塞・穿孔(穴が開いている)がある方(禁忌)
- プロラクチノーマ(高プロラクチン血症腫瘍)(禁忌)
- 重度の肝機能障害または中等度以上の腎不全
- 心疾患・不整脈・QT延長の既往
併用に注意が必要な薬
ドンペリドンの心臓への副作用(QT延長)のリスクを高めるため、一部の薬との併用は禁止されています。
- ケトコナゾール・イトラコナゾールなどCYP3A4強力阻害薬
- マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン等)
- 抗不整脈薬(アミオダロン、キニジン等)
- セロトニン作動薬(5‑HT₃拮抗薬)で心電図変化に注意
使用上の注意
処方量を守り、むやみに増量しない | ドンペリドンは、まれに心臓への副作用が報告されています。リスクを高めないためにも、医師に指示された用法・用量を必ず守り、自己判断で量を増やさないでください。 |
グレープフルーツ(ジュース)は控える | グレープフルーツに含まれる成分が、ドンペリドンの分解を妨げ、血中濃度を上昇させて副作用のリスクを高める可能性があります。治療中は摂取を控えるのが安全です。 |
水分・電解質を補給し、脱水を避ける | 嘔吐や、副作用による下痢が続く場合は、脱水状態になりやすいです。経口補水液などで、こまめに水分と電解質の補給を心がけましょう。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、忘れた分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ドンペリドンをはじめとした胃薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ドンペリドンに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月現在、ドンペリドンと同じ成分の市販薬は販売されていません。
必ず医師の診察と処方が必要です。
ジェネリック
この記事で解説している「ドンペリドン」そのものが、ナウゼリンのジェネリック医薬品です。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ナウゼリン錠10(先発品):約10.1円/錠(3割負担の場合:約3円)
- ドンペリドン錠10mg「サワイ」(ジェネリック):約5.9円/錠(3割負担の場合:約2円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
ドンペリドン錠5mg「トーワ」/ドンペリドン錠10mg「トーワ」
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。特に妊娠中の方への投与は、慎重な判断が必要です。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
はい、お子様の吐き気や嘔吐に、非常に広く使われます。 体重に応じて量を調整する必要があるため、ドライシロップや坐剤がよく処方されます。
Q. いつから効きますか?
効果の発現は比較的速いのが特徴です。個人差はありますが、服用後、およそ30分〜1時間程度で、吐き気が和らいでくることが多いです。
Q. 運転してもいいですか?
眠気やめまいが出ることがあります。服用後は、自動車の運転など危険な作業には注意が必要です。
Q. なぜ坐薬があるのですか?
吐き気がひどくて、薬を飲んでもすぐに吐いてしまう場合に非常に有効です。お尻から吸収させることで、胃を通らずに効果を発揮させることができます。乳幼児など、うまく薬が飲めないお子様にも便利です。
Q. 乗り物酔いにも効きますか?
ドンペリドンは、乗り物酔いの原因となる内耳の揺れには直接作用しないため、一般的な乗り物酔い止めほどの効果は期待できません。
Q. 二日酔いの吐き気に効きますか?また、お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
はい、二日酔いに伴うひどい吐き気や嘔吐に対して、ナウゼリンが処方されることがあります。 ただし、アルコールは胃を荒らし、吐き気の原因そのものです。飲酒と同時に服用するのは、体に負担をかけるだけで本末転倒です。あくまで、ひどい二日酔いの症状を和らげるために、飲酒が終わった後に使うお薬と考えてください。
まとめ
ドンペリドンは、「ナウゼリン」のジェネリック医薬品であり、脳と胃の両方に働くことで、つらい吐き気や嘔吐を和らげる、非常に頼りになるお薬です。
錠剤から坐薬まで様々な剤形があり、小さなお子様から大人まで使えるのが大きな特徴です。 効果がシャープな一方、飲み合わせに注意が必要な薬が多く、まれに心臓への副作用も報告されています。特徴を正しく理解し、必ず医師の指示のもとで安全に服用しましょう。
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