
「ワキの汗ジミが気になって、色の濃い服が着られない…」 「汗のせいで、ニオイも気になる…」 「制汗剤をいろいろ試したけど、あまり効果がない…」
そんなワキ汗の悩み、実は多くの人が抱えています。 今回ご紹介する「エクロックゲル」は、そんなワキの多汗症の治療のために開発された、日本で初めて健康保険が使えるようになった塗り薬です。
この記事では、エクロックゲルがどんなお薬なのか、その効果や副作用、正しい使い方について、医師が分かりやすく解説していきます。
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エクロックゲルとは?効果は?
エクロックゲルは、ワキの下の過剰な汗(原発性腋窩多汗症)を抑えるための塗り薬です。
これまでワキ汗の治療は、飲み薬や注射などが中心でしたが、エクロックゲルは「1日1回、ワキに塗るだけ」という手軽さから、新しい治療の選択肢として注目されています。
エクロックゲルの成分
エクロックゲルの主役は、「ソフピロニウム臭化物」という成分です。
私たちの体は、脳からの「汗を出せ!」という指令が神経を伝わって、汗をつくる「汗腺」に届くことで汗をかきます。この指令を伝えるバトンリレーの最終ランナーが、「アセチルコリン」という神経伝達物質です。
ソフピロニウム臭化物は、このアセチルコリンが汗腺の受け皿(受容体)にくっつくのを、ワキの皮膚の表面でブロックします。指令のバトンが渡らなくなるため、汗腺は「汗を出せ」という命令を受け取れず、結果として汗の分泌が抑えられます。
エクロックゲルの効果
ワキの下の皮膚に直接作用し、過剰な発汗そのものを減らすことができます。
汗の量が減ることで、汗ジミが気にならなくなったり、汗によるニオイの発生が軽減されたりといった効果も期待できます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 原発性腋窩多汗症(げんぱつせいえきかたかんしょう)
エクロックゲルはワキ汗専用に開発されたお薬です。手や足、顔など、ワキ以外の部位には使用できません。
エクロックゲルはオンライン診療で出せる?
「忙しくてなかなか病院に行けない」「定期的なお薬なのでオンラインで処方してもらえたら…」と考える方もいらっしゃるでしょう。
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
エクロックゲルのような多汗症のお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
エクロックゲルに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
お薬のことはもちろん、食事や運動といった生活習慣に関するアドバイスも、経験豊富な医師が親身になってお話を伺います。
エクロックゲルの使い方(用法・用量)
エクロックゲルの使い方は非常にシンプルですが、正しい使い方を守ることが大切です。
1日1回、就寝前など決まった時間に、両方のワキの下に塗ります。
- お風呂上がりなど、ワキを清潔にし、水気をよく拭き取ります。
- ボトルの先端にあるアプリケーター(塗り口)に、薬液を出すためにポンプを1回押します。
(これで片ワキ分です) - アプリケーターを直接ワキにあて、薬液をまんべんなく塗り広げます。
- もう片方のワキも同様に、ポンプを1回押して塗ります。
※手で直接薬液に触れる必要はありません。

エクロックゲルの副作用
塗り薬のため全身への影響は少ないですが、副作用が起こる可能性はあります。特に、塗った場所の皮膚症状が中心です。
主な副作用
- 接触皮膚炎(かぶれ、湿疹)
- 紅斑(赤み)
- そう痒感(かゆみ)
- 口の渇き(口渇)
- 排尿障害(尿が出にくいなど)
最も多いのは接触皮膚炎(かぶれ)で、約10人に1人の割合で報告されています。
副作用が出たときの対処法
ワキにかぶれ、赤み、かゆみ、湿疹などの症状が出た場合は、すぐに使用を中止してください。
我慢できない症状やいつもと違う症状が出たら自己判断せずに、すぐに医師や薬剤師に連絡してください。
エクロックゲルの注意事項・禁忌
使ってはいけない方
使ってはいけない場合 (禁忌)
- 閉塞隅角緑内障の方
- 前立腺肥大などによる排尿障害がある方
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方
使うときに特に注意が必要な方
- 開放隅角緑内障の方
- 排尿障害のある方(前立腺肥大症などを除く)
- 妊婦、授乳婦の方
使用上の注意
塗った後、万が一薬液が手についた場合は、すぐに手をよく洗ってください。その手で目をこすらないようにしましょう。万が一目に入った場合は、すぐに水で洗い流し、眼科医に相談してください。
傷や湿疹、ただれなど、異常のある部位には塗らないでください。
保管方法
- 火気を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
使い忘れたら?
塗り忘れたことに気づいたら、その日のうちであれば、気づいた時点ですぐに1回分を塗ってください。
翌日になってから気づいた場合は、忘れた分はとばして、その日の夜に1回分だけ塗りましょう。絶対に1日に2回塗ってはいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、エクロックゲルの処方や多汗症の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

エクロックゲルに市販薬はある?値段は?
市販薬
医療用の「エクロックゲル」と全く同じ有効成分・同じ作用を持つ市販薬は、現在のところありません。
エクロックゲルを使用するには、医師の診断と処方が絶対に必要です。
ジェネリック名
2025年5月24日現在、エクロックゲルのジェネリック医薬品(後発品)は発売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- エクロックゲル5% 20g:1本あたり 約4,965円 (3割負担の場合、自己負担額は約1,490円)
※2025年5月24日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使えますか?
どちらもまだ安全性が十分に確立されていないため、必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。治療によるメリットが大きいと判断される場合は投与することもあります。
Q. 子供でも使えますか?
はい、9歳以上の小児から使用することができます。
Q. 塗ってからどれくらいで効きますか?
個人差はありますが、早い方で1~2週間程度で効果を感じ始めます。一般的には4週間ほど継続して使用することで、多くの方が汗の減少を実感できます。
Q.かぶれたらどうすればいいですか?
すぐに使用を中止し、ティッシュなどで優しく薬剤を拭き取った後、できるだけ早く受診して医師に相談してください。
まとめ
エクロックゲルは、保険適用で使えるワキ汗専用の塗り薬です。 1日1回ワキに塗るだけで、つらいワキ汗の悩みを改善できる、新しい治療の選択肢です。
しかし、その効果の裏側には、皮膚のかぶれといった副作用の可能性もあります。大切なのは、医師の診断と指示のもとで、用法・用量を守って正しく使用すること、そして自己判断での使用や変更は絶対にしないことです。
この記事が、エクロックゲルに対する皆さんの正しい理解を助け、安心して適切な治療に取り組むための一助となれば嬉しいです。
つらいワキ汗の症状が一日も早く軽快し、あなたがもっと自分らしく、快適な日々を送れますように。
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