【ステロイド】エクラー軟膏/クリーム/ローション/プラスターの使い分けは?効果や副作用を解説!【医師監修】

エクラー

「顔や首のかゆみがひどくて、皮膚科で『エクラー』をもらった」 「頭皮の湿疹にローションが出たけど、どうやって使うの?」 「エクラーのテープ(貼り薬)は、塗り薬より強いって本当?」

皮膚の赤みやかゆみ止めとして処方される「エクラー」。実は、軟膏だけでなく、ローションや貼り薬など様々なタイプがあり、それぞれ「強さ」や「適した場所」が異なります。

今回は、エクラーの全種類(軟膏・クリーム・ローション・プラスター)について、それぞれの特徴やステロイドとしての強さ、副作用、正しい使い分けについて、医師が解説していきます。

 

主な診療科目:一般内科、皮膚科、小児科、婦人科、アレルギー外来など

エクラーとは?効果は?

エクラーは、「ステロイドの外用薬」です。

皮膚の赤み・腫れ・かゆみを抑えるお薬です。湿疹や皮膚炎、虫さされ、乾癬(かんせん)、円形脱毛症など、様々な皮膚トラブルの治療に使われます。

エクラーには、塗るタイプと貼るタイプがあり、同じ名前でも使い方と注意点が少し違います。

【塗り薬(軟膏・クリーム・ローション)】

  • エクラー軟膏0.3%:
    しっとりしていて刺激が少なめ。乾燥した患部からジュクジュクした患部まで幅広く使われます。
  • エクラークリーム0.3%:
    べたつきにくく伸びが良い一方、傷口などに塗るとしみることがあります。
  • エクラーローション0.3%:
    白い液体状のお薬で、使う前によく振ってから使います。頭皮など毛が生えている場所に便利です。

【貼り薬】

  • エクラープラスター:
    患部に貼って、薬をじっくり効かせます。治りにくい結節性痒疹(痒いしこり)などに使われます。

 

エクラーの成分

有効成分は、デプロドンプロピオン酸エステル」です。

この成分は、皮膚の細胞の中で炎症を引き起こす物質が作られるのをブロックします。

赤み、腫れ、かゆみなどの炎症症状を速やかに改善します。

 

エクラー効果

  • 抗炎症作用: 皮膚の赤みや腫れを引かせます。
  • 抗アレルギー作用: かゆみを鎮めます。

 

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 湿疹・皮膚炎群(アトピー性皮膚炎、手湿疹、接触皮膚炎など)
  • 虫さされ
  • 乾癬(かんせん)
  • 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
  • 薬疹・中毒疹
  • 円形脱毛症(ローションなどが使われます)
  • ケロイド、肥厚性瘢痕、結節性痒疹(プラスターがよく使われます)

 

エクラーの強さは?(ステロイドのランク)

ステロイド外用薬は、効果の強さによって5段階のランクに分けられますが、エクラーは、剤形(タイプ)によってランクの扱いが異なります。

  1. ストロンゲスト(最も強い):デルモベートなど
  2. ベリーストロング(とても強い):アンテベート、フルメタなど
  3. ストロング(強い):リンデロンV、ボアラ、フルコートなど★ここ!
  4. ミディアム(中程度):ロコイド、キンダベートなど
  5. ウィーク(弱い):プレドニン眼軟膏など

【塗り薬(軟膏・クリーム・ローション)】

一般的に「ストロング(強い)」ランクに分類されます。
強い=危険という意味ではありませんが、顔・首・子どもなど皮膚が薄い場所は効きやすいので、塗る場所・回数・期間は医師の指示どおりに使うのが大切です。

【貼り薬(プラスター)】

貼って密封することで、塗り薬よりも効き方が強く出やすいのが特徴です。貼る場所や時間は特に自己判断せず、必ず処方時の説明通りに使ってください。

ステロイドの強さについて詳しい解説はこちら!
🔗【強さ一覧】ステロイド軟膏のランク早見表|弱い・中等度・強いの使い分けと副作用を徹底解説

 

エクラーはオンライン診療で出せる?

「頭皮の湿疹がかゆい」「いつもの薬が切れてしまった」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

エクラーのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
エクラーに関するご相談や処方をオンライン診療にて承っております。

特に、「体調が悪く外出がつらいとき」や「待つのが苦手なお子様の受診」などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

エクラーの使い方(用法・用量)

軟膏・クリーム

通常、1日1~数回、適量を患部に塗布します。症状により、医師が回数を調整します。

1回あたりの塗る量の目安として、成人の人差し指の第一関節までチューブから出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗るのが「フィンガーティップユニット(FTU)」という考え方です。医師や薬剤師から具体的な量の指導を受けましょう。

 

ローション

通常、1日1~数回、適量を患部に塗布します。症状により、医師が回数を調整します。

エクラーローションは成分が沈殿しやすいので、使う前によく振ってください。塗るときは、容器の先を頭皮などの患部に直接押し当てず、一度指先にとってから優しくなじませると、衛生的で使いやすいです。

プラスター(貼り薬)

患部を洗ってよく乾かしてから貼り、通常は12時間または24時間ごとに貼り替えます。患部の大きさに合わせてハサミで切って使います。

 

エクラーの副作用

主な副作用

短期間の使用では副作用はほとんどありません。長期間(数週間以上)使用した場合や、皮膚の薄い部分に使用した場合、以下のような症状が出やすくなります。

  • 皮膚の感染症(毛のう炎など): ニキビのようなブツブツができたりします。
  • 皮膚が薄くなる、毛細血管が浮き出る
  • 接触皮膚炎(かぶれ): 貼った場所がかゆくなったり赤くなったりすることがあります。
  • 眼圧の上昇:目の近くに使った際に起こることがあります。

 

副作用への対処法

「顔には〇日だけ」「症状が良くなったら保湿剤に変える」など、指示された期間と部位を必ず守ってください。特にプラスター(貼り薬)は強力なため、指示された期間・部位以外には絶対に使用しないでください。

塗ったり貼ったりした場所がかえって赤くなったり、痛みが出たりした場合は、合っていない可能性があります。すぐに使用を中止し、医師に相談してください。

 

エクラーの注意事項(禁忌)

使用に注意が必要な方

使ってはいけない方(禁忌)

  • 皮膚の感染症がある部位(禁忌)
    • 水虫・たむし(カビ)(禁忌)
    • ヘルペス・水ぼうそう(ウイルス)(禁忌)
    • とびひ(細菌)(禁忌)
    • 疥癬(かいせん)・けじらみ(禁忌)
  • 鼓膜に穿孔(穴)のある湿疹性外耳道炎(禁忌)
  • 潰瘍(深い傷)、第2度深在性以上の重いやけど・凍傷(禁忌)
  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある方(禁忌)

【プラスター(貼り薬)のみの追加禁忌】

  • ジュクジュクして液体が出ている部位(禁忌)
  • 汗をかきやすい部位(禁忌)(あせもや感染症の原因になります)

特に注意して使う方(慎重投与)

  • 妊婦/妊娠の可能性がある方
  • 小さいお子さん
  • ご高齢の方

 

併用に注意が必要な薬

塗り薬・貼り薬なので、飲み薬との悪い相互作用は基本的にありません。

他の外用ステロイドとの併用には注意しましょう。

 

使用上の注意

おむつかぶれに使用する場合おむつは薬を密封する効果(ODT)があり、吸収が高まりすぎることがあります。医師の指示通りに使用し、漫然と使い続けないようにしましょう。
お酒(アルコール)直接的な相互作用はありませんが、飲酒は血行を良くしてかゆみを増強させるため、症状が強いときは控えるのが望ましいです。
目に入れないエクラーは眼科用としては使いません。目に入らないように注意してください。

 

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

 

使い忘れたら?

気づいた時に使用してください。ただし、次の使用時間が近い場合は1回とばし、絶対に2回分を一度に使わないようにしましょう。

 

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、エクラー軟膏をはじめとしたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております。

エクラーに市販薬はある?値段は?

市販薬

エクラーと同じ成分(デプロドンプロピオン酸エステル)の市販薬はありません。医師の処方が必要です。

 

ジェネリック

2025年12月現在、エクラーのジェネリックは販売されていません。

 

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

薬剤名区分薬価(1gあたり)3割負担の目安(1gあたり)
エクラー軟膏0.3%先発品約12.6円約3.78円
デプロドンプロピオン酸エステル軟膏後発品約6.6円約2.0円

※2025年12月8日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

 

添付文書

エクラー軟膏0.3%/エクラークリーム0.3%

エクラーローション0.3%

エクラープラスター20μg/cm2

 

よくある質問(FAQ)

Q.妊婦・授乳中でも使えますか?

塗り薬(軟膏・クリーム・ローション)は、体への吸収がわずかなため、医師の指示のもとで使用されることが多いです。
貼り薬(プラスター)は吸収率が高く、全身的な影響も考慮する必要があるため、妊娠中の使用はより慎重な判断が必要です(大量・長期使用は避けるべきとされています)。必ず医師に相談してください。

Q.子どもでも使えますか?

塗り薬は「ストロング」ランクなので、お子さんの皮膚にも比較的安心して使われますが、長期使用や広範囲の使用は医師の指示に従ってください。貼り薬は強力なため、お子さんへの使用は限定的です。必ず医師の指示を守ってください。

Q.いつから効き始めますか?

適切な強さのステロイドであれば、早ければ塗って数時間〜翌日には赤みやかゆみが引き始めます。3〜4日塗っても良くならない場合は、診断が違っている可能性があるため、再度受診してください。

Q.お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?

控えたほうが良いです。アルコールで体が温まると、かゆみや炎症が悪化しやすくなります。早く治すためにも、治療中は飲酒を控えましょう。

Q.顔に塗ってもいいですか?

塗り薬は顔にも処方されることがありますが、目の周りへの使用は眼圧上昇のリスクがあるため注意が必要です。医師の指示なく長期連用は避けてください。貼り薬は顔には原則使用しません。

Q.運転に影響はありますか?

外用薬なので、眠気が出ることはなく、運転への影響もありません。

 

まとめ

エクラーは、塗り薬(軟膏・クリーム・ローション)は「ストロング(強い)」、貼り薬(プラスター)はさらに強力と、タイプによって特徴が異なります。部位や症状によって使い分けることが大切です。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。