エンペラシン配合錠の効果・強さ・副作用について医師が解説

風邪をひいてのどの痛み、鼻水、鼻づまり、熱などのつらい症状に悩まされること、お薬を飲んでいるのに鼻水の症状がおさまらないことはありませんか?

「エンペラシン」は、症状がひどい時に使用される事があるお薬ですが、強い薬である分副作用にも注意して使用する必要があります。

この記事では、エンペラシン配合錠の効果や強さ、そして注意すべき副作用について詳しく解説します。

エンペラシン配合錠とは

エンペラシン配合錠は、ステロイドの一種「ベタメタゾン」と抗ヒスタミン薬「d-クロルフェニラミン」を1錠にまとめた飲み薬です。

ステロイドが炎症をしずめ、抗ヒスタミン薬がアレルギー反応をブロックするため、かゆみや赤み、じんましん、アレルギー性鼻炎などの「つらい症状を手早く抑えたいとき」に処方されます。

2つの有効成分が同時に働くので単剤より反応が早いのが大きな特徴です。​

エンペラシンの効果・強さは?

1錠のベタメタゾン量はプレドニゾロン換算で約 2.5 mg程度です。内服ステロイドとしては中等度に当たり、通常は1回1〜2錠を1日1〜4回の範囲で医師が症状に合わせて調整します。急性期だけしっかり飲んで、症状が落ち着いたらすみやかに減らす「短期集中投与」が原則です。​

エンペラシンの副作用は

短期間の使用では大きなトラブルは多くありませんが、ステロイドと抗ヒスタミンの性質上、次のような点に注意が必要です。

  • 眠気・口の渇き:抗ヒスタミン薬によるもの。車の運転や機械操作は控えましょう。
  • 胃の不快感・むくみ・血糖上昇:ステロイド由来。食後に服用し、必要なら胃薬を併用します。
  • 感染症が悪化しやすい:水ぼうそうやはしかにかかった人と接触したらすぐ受診してください。
  • 長期連用による骨粗しょう症・血圧上昇など:連続で何週間も飲み続けないことが大切です。

 まれに、強いだるさや食欲不振、発熱、腹痛といった症状が出ることがあります。これは副腎の働きが急に落ちる「副腎不全」や消化性潰瘍など重い副作用のサインの可能性があるので、すぐに医師の診察を受けましょう。​

安全に使うポイント

  1. 症状が落ち着いたら早めに減量・中止
  2. 必ず食後にコップ1杯の水で服用し、胃薬を併用すると安心
  3. 糖尿病や妊娠中の方は必ず事前に申告
  4. かぜ薬や鼻炎薬の成分が重ならないか薬剤師に確認
  5. 自己判断で急にやめない―長めに飲んでいた場合は医師と相談して徐々に減らします。