
「くしゃみ・鼻水もひどいけど、鼻づまりも本当につらくて夜も眠れない」 「症状が色々あって、どの薬を使えばいいか分からない」 「1つの薬で症状をまとめて抑えたい!」
こうした、アレルギー性鼻炎の様々な鼻症状にお悩みの方にとって、心強い選択肢となるのが「エリザス」というお薬です。これは、炎症を抑える「ステロイド」と、アレルギー反応を抑える「抗ヒスタミン薬」の2つの有効成分が1本になった、新しいタイプの配合点鼻薬です。
この記事では、アレルギー性鼻炎治療の新しいアプローチであるエリザスについて、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。
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エリザス点鼻粉末とは?効果は?
エリザスは、アレルギー性鼻炎による、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった3大症状の治療に使われる「配合点鼻粉末」です。
1本の中に、作用の異なる2種類の有効成分が配合されているのが最大の特徴です。
医療機関では「エリザス点鼻粉末200μgアレルギー性鼻炎治療剤」という名称で処方されます。このお薬は、「ツインライザー」という専用の噴霧器を使って、2種類の薬剤が入ったカートリッジから同時に粉末を噴霧する、ユニークな剤形です。1つのカートリッジで28噴霧分(両鼻で1日1回使用の場合、14日分)となっています。
エリザス点鼻粉末の成分
エリザスには、以下の2つの主役となる成分が含まれています。
①デキサメタゾンシペシル酸エステル(ステロイド)
これは、体内で「デキサメタゾン」という強力なステロイドに変化します。ステロイドは、鼻の粘膜で起きているアレルギー性の炎症反応そのものを強力に鎮める働きがあります。特に、しつこい鼻づまりの改善に効果を発揮します。
②レボカバスチン塩酸塩(抗ヒスタミン薬)
アレルギー反応が起こると、体内で「ヒスタミン」という物質が放出され、これがくしゃみや鼻水、かゆみなどを引き起こします。レボカバスチンは、このヒスタミンが鼻の粘膜の“スイッチ”(H1受容体)を押すのを邪魔することで、アレルギー症状を素早く抑えます。主に、くしゃみやサラサラした鼻水に効果的です。
この2つの成分が一緒に働くことで、アレルギー性鼻炎の初期の症状から、長引く炎症まで、幅広くカバーすることが期待できます。
エリザス点鼻粉末の効果
- くしゃみを抑える
- 鼻水(鼻汁過多)を減らす
- 鼻づまりを改善する
- 抗ヒスタミン薬による比較的速やかな効果と、ステロイドによる持続的な抗炎症効果の両方が期待できる
どんなときに使う?(適応疾患)
- アレルギー性鼻炎
- 季節性アレルギー(スギ花粉症、ヒノキ花粉症、ブタクサ花粉症など)
- 通年性アレルギー(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛など)
エリザス点鼻粉末はオンライン診療で出せる?
「花粉症の時期は、毎年同じ薬を使っている」「忙しくて、なかなか耳鼻科やアレルギー科に行けない」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
エリザスのような点鼻薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
エリザス点鼻粉末に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、既にアレルギー性鼻炎と診断されていて、症状が安定している場合の継続処方などに、オンライン診療は非常に便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
エリザス点鼻粉末の使い方(用法・用量)
通常、成人及び12歳以上の小児には、各鼻腔に1回あたり1噴霧(デキサメタゾンシペシル酸エステルとして200μg、レボカバスチン塩酸塩として44μg)を、1日1回噴霧吸入します。
大切な使い方ポイント(ツインライザー)
エリザスは「ツインライザー」という専用の器具を使って吸入します。正しい使い方が効果を得るために非常に重要です。
- 準備: 初めて使用する前や、1週間以上使用しなかった場合は、薬剤カートリッジを器具にセットした後、キャップをしたままよく振り、空気中に数回試し噴霧(空打ち)して、均一な白い霧が出ることを確認します。
- 鼻をかむ: 噴霧前に鼻をかんで、鼻の通りを良くしておきましょう。
- 噴霧:
- 器具をよく振ります。
- 片方の鼻孔にノーズピースを挿入し、反対側の鼻孔は指で押さえます。
- 息を止めた状態で、器具のボタンをしっかりと1回押して噴霧し、鼻から静かに息を吸い込み、口からゆっくりと吐き出します。
- もう一方の鼻孔にも同様に行います。
- 使用後のケア: 使用後は、ノーズピースの先端をティッシュペーパーなどで清潔に拭き、キャップをしてください。
※詳しい使い方は、処方時に薬剤師から説明を受けたり、製品の説明書をよく読んだりしてください。

エリザス点鼻粉末の副作用
エリザスは局所作用が主体の点鼻薬なので、全身性の副作用は少ないとされていますが、以下のような副作用が現れることがあります。
主な副作用
- 鼻出血(鼻血)
- 鼻の刺激感、乾燥感、不快感
- 鼻水に少量の血が混じる
- 咽頭不快感、咽頭痛
- 味覚異常(苦味など)
- 頭痛
まれに起こる注意すべき副作用
- アナフィラキシー反応: じんましん、呼吸困難、顔面や喉の腫れなど。
- 緑内障、白内障: 長期間、または指示された量を超えて大量に使用した場合に、眼圧が上がったり、水晶体が濁ったりするリスク。
- 鼻中隔穿孔(びちゅうかくせんこう): 鼻の左右を隔てている壁に穴が開いてしまう。
副作用が出たときの対処法
軽い鼻血や鼻の乾燥感は、使い方を工夫する(噴霧の向きを変える、保湿する)ことで軽減することもあります。
鼻血が頻繁に続く場合や、多量に出る場合、その他気になる症状が現れた場合は、使用を中止し、処方した医師や薬剤師に相談してください。アナフィラキシーが疑われるような症状が出た場合は、直ちに医療機関を受診してください。
エリザス点鼻粉末の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)
- 過去にエリザスの成分(デキサメタゾンシペシル酸エステル、レボカバスチン塩酸塩)でアレルギー症状を起こしたことがある方
- 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症のある患者 (ステロイド成分が免疫を抑えるため、感染症が悪化する可能性があります)
- モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤を投与中、または投与中止後2週間以内の方(レボカバスチン塩酸塩との相互作用)
使うときに特に注意が必要な方
- 結核性の病気にかかっている方
- 反復して鼻血を繰り返している方
- 重症な高血圧の方
- 糖尿病の方
- 緑内障、白内障の方、またはその疑いがある方
- 肝臓の機能が低下している方
- 最近、鼻の手術を受けた方や、鼻に傷がある方
併用に注意が必要な薬
- モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤(一部の抗うつ薬など):(禁忌)
- CYP3A4阻害作用のある薬
- 一部の抗HIV薬(リトナビルなど)
- 一部の抗真菌薬(イトラコナゾールなど) これらのお薬は、エリザスのステロイド成分の分解を遅らせ、体内に吸収される量を増やしてしまう可能性があるため、併用には注意が必要です。必ず医師・薬剤師に伝えてください。
使用上の注意
指示通りに使う | 用法・用量を守り、専用の器具(ツインライザー)の正しい使い方を心がけましょう。 |
鼻を強くかみすぎない | 特に鼻血が出やすい方は注意。 |
感染症の予防 | 免疫を抑える作用があるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないように注意。 |
定期的な受診 | 長期間使用する場合は、定期的に医師の診察を受け、鼻の状態や副作用の有無をチェックしてもらう。 |
保管方法
- 直射日光・高温を避け、室温で保管してください。
- カートリッジはアルミ袋の開封後、4週間以内に使用してください。
- 子どもの手の届かない場所へ
使い忘れたら?
1日1回のお薬なので、気づいた時点でその日の分を使用してください。
ただし、翌日になってしまった場合は、前日の分はとばし、その日の分から通常通り使用しましょう。絶対に2回分を一度に使用しないでください。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、エリザス点鼻粉末をはじめとした点鼻薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

エリザス点鼻粉末に市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月4日現在、エリザスと全く同じ有効成分・同じ配合の市販薬はありません。
ジェネリック名
エリザスは比較的新しいお薬のため、2025年6月4日現在、ジェネリック医薬品(後発品)は発売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- エリザス点鼻粉末200μgアレルギー性鼻炎治療剤(28噴霧用キット):1キットあたり 約2,083.2円(3割負担の場合、自己負担額は1キットあたり約625円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。点鼻薬は全身への吸収が少ないため、内服薬に比べるとリスクは低いと考えられますが、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
はい、12歳以上の小児から使用できます。12歳未満の小児に対する有効性・安全性は確立されていません。
Q. 運転してもいいですか?
エリザスの副作用として、眠気が強く出ることは通常報告されていません。そのため、運転や機械操作への直接的な影響は少ないと考えられます。しかし、万が一、体調に変化を感じた場合は運転を控えてください。
Q. いつから効きますか?
個人差がありますが、配合されている抗ヒスタミン薬の効果は比較的速やかに現れ、数時間程度でくしゃみや鼻水が楽になることがあります。ステロイド成分による炎症を抑える効果は、数日~1週間程度継続して使用することで、より安定して実感できるようになります。
Q. 毎日使わないとダメですか?
エリザスは、アレルギー性鼻炎の気道の炎症を継続的に抑えることで効果を発揮するお薬です。症状がある時だけ使うのではなく、医師の指示通りに、症状が落ち着いていても毎日定期的に使用することが大切です。
Q. 他の点鼻ステロイド薬や点鼻抗ヒスタミン薬との違いは?
エリザスは、炎症を抑える「ステロイド」と、アレルギー症状を直接抑える「抗ヒスタミン薬」の2つの成分が1本になっている点が最大の違いです。これにより、1回の噴霧で両方の効果が期待でき、くしゃみ・鼻水から鼻づまりまで、アレルギー性鼻炎の様々な症状に効果的に対応できます。
まとめ
エリザス点鼻粉末は、アレルギー性鼻炎のつらい、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった複数の症状に対して、2つの有効成分で効果的にアプローチする、1日1回の使用で済む配合点鼻薬です。 専用の噴霧器(ツインライザー)を使った、ユニークな粉末タイプのお薬でもあります。
効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい使い方を守り、副作用について理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
この記事が、エリザスへの正しい理解を深め、皆さんのつらい鼻炎症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。
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