ファモチジンの効果・副作用を医師が解説【効果が出るまでどのくらい？】

【胃潰瘍、逆流性食道炎など】
通常、成人には1回20mgを1日2回（朝食後、夕食後または就寝前）、または1回40mgを1日1回（就寝前）服用します。

【急性胃炎など】
通常、成人には1回10mgを1日2回（朝食後、夕食後または就寝前）服用します。

ファモチジンの副作用

副作用は比較的少なく、安全性の高いお薬として知られています。

主な副作用

• 便秘、下痢
• 発疹
• まれに、女性化乳房、白血球減少など

ショック、アナフィラキシー、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、横紋筋融解症、肝機能障害、腎障害、間質性肺炎、血液障害などが報告されていますが、いずれも頻度は極めてまれです。

副作用が出たときの対処法

何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。

ファモチジンの注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

• 過去にファモチジンの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
• 腎臓や肝臓に障害のある方（薬の排泄が遅れ、作用が強く出ることがあります）
• 心臓に病気のある方
• ご高齢の方

併用に注意が必要な薬

• アタザナビル、ポサコナゾール→胃酸低下で吸収不良
• ケトコナゾール→吸収低下
• プラゾシン→相互に血圧低下を増強
• PPIやH₂ブロッカーの重複→効果増減が不安定

使用上の注意

食生活の改善	辛い物、脂っこい物、カフェインの多い飲み物（コーヒーなど）は、胃酸の分泌を促すため、控えめにしましょう。 就寝直前の食事は、夜間の胃酸逆流の原因になるため避けてください。 規則正しい食生活を心がけましょう。
嗜好品の見直し	過度の飲酒や喫煙は、胃の粘膜を直接傷つけ、症状を悪化させる大きな要因です。できるだけ控えるのが望ましいです。
長期連用について	市販薬などを自己判断で長期間飲み続けるのは避けてください。症状が続く場合は、必ず医師に相談し、定期的に検査を受けるなど、適切な管理のもとで治療を続けることが大切です。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら？

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ファモチジンをはじめとした胃薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ファモチジンに市販薬はある？値段は？

市販薬

はい、あります。 「ガスター10」という名前で、非常に有名な市販薬として販売されています。

医療用と同じ成分ですが、市販薬は1錠10mgと含有量が少なく、あくまで一時的な症状の緩和を目的としています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

• ガスターD錠20mg（先発品）：約25.0円/錠（3割負担の場合：約8円）
• ファモチジンOD錠20mg「クニヒロ」（ジェネリック）：約10.1円/錠（3割負担の場合：約3円）

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか？
はい、お子様の胃潰瘍や逆流性食道炎などにも、医師の慎重な判断のもとで使用されます。 ただし、体重などに応じて、用量を細かく調整する必要があります。市販のガスター10は、15歳未満は使用できません。

Q. いつから効きますか？
効果の発現は比較的速いのが特徴です。個人差はありますが、服用後、およそ30分〜1時間程度で胃酸を抑える効果が現れ始め、胃痛や胸やけが和らぎます。

Q. 運転してもいいですか？
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫？
胃の症状があるときの飲酒は避けるべきです。 ファモチジンとアルコールの間に、特に危険な相互作用はありませんが、アルコールは胃酸の分泌を促し、胃の粘膜を直接攻撃するため、症状を悪化させる原因になります。

Q. 市販のガスター10と病院の薬との違いは？
成分の含有量が違います。市販薬は1錠10mgですが、医療用では20mg錠もよく使われます。また、市販薬はあくまで短期的な使用が前提です。症状が続く場合は、自己判断で飲み続けず、必ず医療機関を受診してください。

Q. PPI（タケプロンなど）やP-CAB（タケキャブ）との違いは何ですか？
胃酸を抑える強さと作用時間が違います。一般的に、効果の強さはP-CAB ＞ PPI ＞ H2ブロッカー（ファモチジン）の順です。ファモチジンは効果発現が速いというメリットがありますが、効果の強さや持続時間はPPIやP-CABに劣ります。症状の強さや病態によって、医師が使い分けます。

まとめ

ファモチジンは、過剰な胃酸の分泌を速やかに抑えることで、急な胃痛や胸やけに優れた効果を発揮する、安全性の高いお薬です。 ガスターのジェネリックにあたります。

市販薬の「ガスター10」としてもおなじみで、手に入りやすいですが、あくまで一時的な症状緩和のためのものです。 近年、さらに強力に胃酸を抑えるPPIやP-CABといったお薬も登場しています。症状が長引く、またはひどい場合は、自己判断で済まさず、きちんと医師の診察を受け、ご自身の状態に合った適切な治療を受けましょう。