フェキソフェナジン塩酸塩60mgの効果・副作用を医師が解説!【効果がでるのはいつ?】

フェキソフェナジン塩酸塩

「花粉症の季節、鼻水とくしゃみがつらくて仕事に集中できない」 「じんましんが出て、かゆくてたまらない!」 「薬は飲みたいけど、眠くなるのは困る」

こうしたアレルギー症状の悩みと、治療にかかる費用についてお考えの方にとって、心強い選択肢となるのが「フェキソフェナジン塩酸塩錠」です。これは、広く使われているアレルギー治療薬「アレグラ錠」のジェネリック医薬品(後発医薬品)で、効果はそのままに、経済的な負担を軽減できます。

この記事では、アレグラのジェネリック医薬品であるフェキソフェナジン塩酸塩錠について、その効果や副作用、そして先発品との違いなどを医師が分かりやすく解説していきます。

アレルギー症状は
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フェキソフェナジン塩酸塩錠は、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹(じんましん)、そして湿疹・皮膚炎などに伴う皮膚のかゆみの治療に使われる「抗ヒスタミン薬」の飲み薬で、「アレグラ錠」のジェネリック医薬品です。

アレルギー反応の際に体内で放出される「ヒスタミン」という物質の働きをブロックすることで、つらいアレルギー症状を和らげます。

アレグラには、年齢や飲みやすさに応じていくつかの種類があります。

  • フェキソフェナジン塩酸塩ドライシロップ5%: 主に生後6ヶ月以上の乳幼児や小児に使われる、水に溶かして飲む粉薬です。
  • フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg: 主に成人(12歳以上)に使われます。
  • フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg: 主に7歳以上12歳未満の小児に使われます。
  • フェキソフェナジン塩酸塩OD錠60mg/30mg: 水なしでも口の中で速やかに溶ける口腔内崩壊錠です。錠剤を飲み込むのが苦手な方や、外出先で水がない時に便利です。

フェキソフェナジンの成分

主役は、フェキソフェナジン塩酸塩という成分です。

このフェキソフェナジンは、「第2世代抗ヒスタミン薬」というグループに分類され、その中でも特に眠気の副作用が出にくいように開発されたお薬です。

アレルギー反応が起こると、私たちの体の中では「ヒスタミン」という化学物質が細胞から放出されます。このヒスタミンが、鼻や皮膚などにある特定の“スイッチ”(H1受容体)を押すと、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、じんましんのかゆみや赤みといったアレルギー症状が現れます。
フェキソフェナジン塩酸塩は、このヒスタミンが“スイッチ”を押すのを、先回りして邪魔(ブロック)することで、アレルギー症状が現れるのを抑えます。

フェキソフェナジンの効果

ヒスタミンの働きをしっかりブロックすることで、様々なアレルギー症状に効果を発揮します。

  • アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)を和らげる
  • 蕁麻疹(じんましん)の症状(赤み、腫れ、かゆみ)を抑える
  • 湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症などに伴う皮膚のかゆみを軽減する

どんなときに使う?(適応疾患)

  • アレルギー性鼻炎(花粉症などの季節性、ハウスダストなどによる通年性ともに)
  • 蕁麻疹(じんましん)
  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒(かゆみ)

飲み薬なので、全身のアレルギー症状に効果が期待できます。

フェキソフェナジンはオンライン診療で出せる?

「毎年花粉症で、眠くならない薬が欲しい」「じんましんが急に出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

フェキソフェナジンのような抗ヒスタミン薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
フェキソフェナジンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、既にアレルギー性鼻炎やじんましんと診断されていて、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

 フェキソフェナジンの使い方(用法・用量

1日2回、朝・夕に服用します。フェキソフェナジン塩酸塩は、食事の影響を比較的受けにくいとされていますが、空腹時の方が吸収が良いというデータもあります。

年齢や症状によって用量が異なります。必ず医師の指示に従ってください。

  • 成人(12歳以上):1回60mgを服用します。
  • 小児(7歳以上12歳未満):1回30mgを服用します。
  • 小児(2歳以上7歳未満):ドライシロップとして、1回30mgを服用します。
  • 小児(生後6ヶ月以上2歳未満):ドライシロップとして、1回15mgを服用します。

フェキソフェナジンの副作用

フェキソフェナジン塩酸塩は、副作用が非常に少ないお薬として知られていますが、以下のような症状が現れることがあります。

主な副作用

  • 頭痛
  • 眠気(頻度は低いですが、全くないわけではありません)
  • 吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状
  • 口の渇き
  • めまい

アナフィラキシー、肝機能障害、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少なども報告されていますが、頻度は極めてまれです。

副作用が出たときの対処法

軽い症状であれば、お薬を続けているうちに治まることもあります。
しかし、症状が気になる場合や、生活に支障が出るような場合は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。

フェキソフェナジンの注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

絶対に使ってはいけない方(禁忌)

  • 過去にフェキソフェナジン塩酸塩でアレルギー症状を起こしたことがある方

使うときに特に注意が必要な方

  • 腎臓の機能が中等度以上低下している方(お薬の排泄が遅れる可能性があります)
  • 高齢者の方

併用に注意が必要な薬

  • 水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤(一部の胃腸薬、制酸剤): 吸収を妨げ、効果を弱めてしまう可能性。一緒に飲む場合は、2時間程度あけるようにしましょう。
  • エリスロマイシン(抗生物質)、ケトコナゾール(抗真菌薬): 血中濃度を上昇させ、副作用が出やすくなる可能性。(ただし、通常は併用しても大きな問題にならないことが多い)
  • グレープフルーツジュース: フェキソフェナジン塩酸塩錠の吸収に影響を与え、効果を弱めてしまう可能性があるため、一緒に飲むのは避けた方が良いでしょう。

使用上の注意

眠気への注意眠気は出にくいとされていますが、個人差があります。初めて服用する際や、眠気を感じる場合は、自動車の運転など危険な作業は避けましょう。
効果がないと感じたら自己判断で量を増やしたりせず、医師に相談してください。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フェキソフェナジンをはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

フェキソフェナジンに市販薬はある?値段は?

市販薬

医療用とほぼ同じ有効成分・同じ量の「フェキソフェナジン塩酸塩」を含む市販薬が、アレグラFX(成人用)やアレグラFXジュニア(小児用)などの商品名で販売されています。

これらは薬剤師の指導のもと、薬局で購入できますが、使用できる症状や期間が限定されている場合があります。初めての症状や、長引く場合は、医療機関を受診しましょう。

ジェネリック名

フェキソフェナジン塩酸塩はジェネリック医薬品(後発医薬品)にあたります。

フェキソフェナジン塩酸塩の先発医薬品はアレグラです。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「サワイ」(ジェネリックの一例):1錠あたり 約25.1円
    (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約8円
  • アレグラ錠60mg(先発品):1錠あたり 約66.1円
    (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約20円

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

フェキソフェナジン塩酸塩錠30mg「三和」/フェキソフェナジン塩酸塩錠60mg「三和」

フェキソフェナジン塩酸塩DS5%「トーワ」

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも飲めますか?
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。安全性が完全に確立されているわけではないため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか?
はい、フェキソフェナジン塩酸塩は小児にも使われます。錠剤30mgは7歳以上12歳未満、ドライシロップは生後6ヶ月以上の乳幼児から使用できます(年齢・体重に応じて用量が異なります)。必ず医師の指示に従ってください。

Q. 運転してもいいですか?
フェキソフェナジンは眠気の副作用が出にくいとされていますが、添付文書には「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には注意させること。」という記載があります。個人差があるため、初めて服用する場合や、少しでも眠気を感じる場合は、運転などの危険な作業は避けてください。

Q. いつから効きますか?
効果の現れ方には個人差がありますが、通常、服用後30分~1時間程度でアレルギー症状の改善が見られ始め、効果は比較的長く持続します。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
アルコールとフェキソフェナジンを一緒に飲むと、眠気などの副作用が強く出てしまう可能性があります。服用期間中の飲酒は控えるか、医師に相談するのが望ましいです。

Q. アレグラとの違いは何ですか?
有効成分、効果、安全性は基本的に同じです。 フェキソフェナジン塩酸塩錠はアレグラのジェネリック医薬品なので、大きな違いは薬の価格(フェキソフェナジン塩酸塩錠の方が安価)と、製造している製薬会社、錠剤の色や形、添加物などがわずかに異なる程度です。

まとめ

フェキソフェナジン塩酸塩は、つらいアレルギー性鼻炎やじんましん、皮膚のかゆみに対して、眠気の副作用を抑えつつ効果的に症状を和らげることができる、「アレグラ」のジェネリック医薬品です。 先発品と同等の効果と安全性を持ちながら、お薬代の負担を軽減できる、頼りになる選択肢です。お子様から大人まで幅広く使われ、市販薬も手に入りやすいお薬です。

効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい飲み方を守り、副作用や飲み合わせについて理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

この記事が、フェキソフェナジン塩酸塩への正しい理解を深め、皆さんのつらいアレルギー症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。