フルメトロン点眼液（フルオロメトロン点眼液）の効果・副作用を医師が解説。

フルメトロン点眼液の副作用

主な副作用

• 眼圧の上昇：長期間使用すると、眼圧が上昇し、緑内障を引き起こす可能性があります。
• 感染症の誘発：免疫を抑えるため、細菌やウイルス、真菌（カビ）などによる感染症にかかりやすくなったり、悪化させたりすることがあります。
• 角膜穿孔（かくまくせんこう）：角膜ヘルペスや角膜潰瘍のある方では、角膜に穴があいてしまう危険性があります。
• 後嚢白内障（こうのうはくないしょう）：長期使用により、白内障が進行することがあります。
• 眼刺激感（しみる感じ）

ステロイド点眼薬で最も注意すべきは、眼圧に関する副作用です。

副作用が出たときの対処法

長期間使用する場合は、定期的に眼科を受診し、眼圧などのチェックを受けることが不可欠です。

何か異常を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。

フルメトロン点眼液の注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

• 角膜上皮剥離または角膜潰瘍のある方（禁忌）→傷の治りを遅らせ、悪化させる恐れ
• ウイルス性、結核性、真菌性（カビ）の目の感染症のある方（禁忌）→感染を悪化させる恐れ
• 過去にフルメトロンの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
• お子さん→特に長期間使用する場合には、発達や全身への影響を考慮し、慎重に投与されます。
• ご高齢の方→副作用が出やすいため注意
• 緑内障のご家族がいる方、強度近視の方→ステロイドによって眼圧が上がりやすい「ステロイドレスポンダー」である可能性があり、特に注意が必要です。

併用に注意が必要な薬

特に報告されていませんが、他の点眼薬を使用している場合は、必ず医師に伝えてください。

使用上の注意

安易な使用は危険	「ものもらい」や「はやり目」などの感染症に使うと、逆に症状を悪化させ、重篤な状態になることがあります。原因不明の充血などに自己判断で使用するのは絶対にやめてください。
点眼方法	容器の先がまぶたやまつげ、目に直接触れないように注意してください。汚染の原因になります。
他の点眼薬との併用	2種類以上の点眼薬を使う場合は、少なくとも5分以上間隔をあけてください。
急にやめない	長期間使用した場合、急にやめると炎症が再燃することがあります。医師の指示に従って、徐々に回数を減らしていくのが一般的です。
コンタクトレンズ	炎症が起きている間のコンタクトレンズ装用は原則として中止してください。やむを得ず装用する場合は、レンズを外し、点眼後少なくとも5〜10分以上経ってからにしましょう。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 開封後は、通常1ヶ月を目安に使い切ってください。
• 子どもの手の届かない場所へ。

使い忘れたら？

気づいた時点でできるだけ早く1回分を点眼してください。

ただし、次に点眼する時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ点眼しましょう。絶対に2回分を一度に点眼してはいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フルメトロン点眼液をはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

フルメトロン点眼液に市販薬はある？値段は？

市販薬

フルメトロンを含むステロイド点眼薬は、副作用のリスク管理が重要なため、市販されていません。

必ず医師の診察と処方が必要です。

ジェネリック名

ジェネリック医薬品（後発品）が多数あります。

「フルオロメトロン点眼液「製薬会社名」」という名称で発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

薬品名	区分	1本(5mL)あたりの薬価	3割負担の場合の自己負担額
フルメトロン点眼液 0.1 %	先発	353.4 円	約 106 円
フルオロメトロン点眼液 0.1 %「わかもと」	後発	132.0 円	約 40 円

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

フルメトロン点眼液0.02%／フルメトロン点眼液0.1%

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
長期・頻回投与は避けるのが原則ですが、点眼薬は全身への影響が少ないため、医師が必要と判断した場合には処方されることがあります。必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか？
小児にも使われます。特に、濃度の低い「0.02%」の製剤が用いられることがあります。ただし、大人以上に慎重な使用が必要ですので、必ず医師の指示を守ってください。

Q. 運転してもいいですか？
眠気を催す成分は入っていません。ただし、点眼直後は一時的に視界がぼやけることがあるため、視界がはっきりしてから運転するようにしてください。

Q. いつから効きますか？
かゆみなどを瞬時に取るタイプの薬ではなく、目の炎症そのものをじっくりと鎮めていくお薬です。効果の現れ方は症状の強さによりますが、医師の指示通りに点眼を続けることで、通常1〜2日程度で炎症（充血や腫れなど）が和らいでくるのを感じられることが多いです。

Q. 症状が良くなったら、すぐにやめてもいいですか？
いいえ、自己判断でやめないでください。 急にやめると、抑えられていた炎症がぶり返す「リバウンド」が起きることがあります。特に長期間使っていた場合は、医師の指示に従って、少しずつ回数を減らしながら終了するのが基本です。

Q. これは「弱い」ステロイドだと聞きましたが、安全ですか？
フルメトロンは、他の強力なステロイド点眼薬に比べて眼圧を上げるリスクが低いとされています。しかし、あくまでステロイドであり、副作用のリスクがゼロというわけではありません。 必ず医師の指導のもとで、必要な期間だけ使用することが大切です。

Q. 「ものもらい」に使えますか？
いいえ、自己判断では絶対に使えません。 「ものもらい（麦粒腫）」の多くは細菌感染が原因です。ステロイドは免疫を抑えるため、感染を悪化させる危険性があります。医師が、炎症が非常に強いと判断した場合に、抗菌薬と併用して処方することはありますが、単独で使う薬ではありません。

まとめ

フルメトロン点眼液は、つらい目の炎症を強力に抑える、眼科で広く使われるステロイド点眼薬です。

効果が高い反面、眼圧上昇や感染症の悪化といった、ステロイド特有の副作用に注意が必要です。「よく振って使うこと」「自己判断で安易に使ったり、急にやめたりしないこと」「長期に使う場合は定期的に診察を受けること」が、安全な治療のための絶対的なルールです。

医師の指導のもと、正しく使って、つらい目の症状を効果的に治療しましょう。