
「便意はあるのに、出口で便が固くてなかなか出てこない…」「いますぐ、このつらい便秘をなんとかしたい!」
そんな、がんこな便秘の悩みに、速やかで確実な効果が期待できるのが「グリセリン浣腸」です。 古くから使われているお薬で、その効果の早さと安全性から、子どもからお年寄りまで、また医療現場でも広く信頼されています。
この記事では、そんなグリセリン浣腸について、効果の仕組みや副作用、そして最も重要な「正しい使い方」を、医師が分かりやすく解説していきます。
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グリセリン浣腸とは?効果は?
グリセリン浣腸は、肛門から薬剤を注入して、直腸(便が溜まる最後の部分)に直接作用させることで、排便を促す下剤(緩下薬)です。飲み薬と違い、胃や小腸を通らないため、効果の発現が非常に速いのが最大の特徴です。市販薬としても「イチジク浣腸」が有名です。
医療用として処方されるグリセリン浣腸は、目的や年齢、体格に応じて使い分けるため、様々な容量の製品があります。一般的に50%濃度のものが多く使われます。
- 小容量タイプ(30mL, 40mL, 60mL など)
主に個人がご家庭で、通常の便秘に対して使用するサイズです。年齢や体格に応じて適切な大きさが処方されます。 - 大容量タイプ(120mL, 150mL, 500mL など)
主に医療機関内で、大腸内視鏡検査や手術の前に腸の中をきれいにする「腸管洗浄」や、固まった便が栓のようになってしまった「糞便塞栓」の処置などに用いられます。
グリセリン浣腸の成分
有効成分は「グリセリン」です。 このグリセリンが、直腸内で2つの働きをします。
①便を柔らかく、滑りやすくする
グリセリンには、水分を吸収する性質(浸透圧作用)と、滑りを良くする性質(潤滑作用)があります。これにより、出口付近で硬くなってしまった便を、水分で柔らかくし、ツルンと出やすい状態にします。
②腸を刺激して、便意を促す
グリセリンが直腸の壁を直接刺激することで、脳に「便を出す時間だ」という信号が送られ、自然な便意(排便反射)が力強く起こります。
グリセリン浣腸の効果
直腸内の便を排泄させ、便秘を改善します。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 便秘
- 消化管のX線検査や内視鏡検査の前に、腸の中を空にする目的
グリセリン浣腸はオンライン診療で出せる?
「便秘でお腹が痛くて…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
グリセリン浣腸のような下剤も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
グリセリン浣腸に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
グリセリン浣腸の使い方(用法・用量)
使い方、特に注入後の「我慢」が最も重要です。
- 容器のキャップを外します。
- 体の左側を下にして横になり、膝をお腹のほうに曲げると、楽な姿勢がとりやすいです。
- 容器の先端(ノズル)を、肛門内にゆっくりと、無理なく挿入します。
- 容器をゆっくりと握り、中の液を全て注入します。
- 液が漏れないように肛門をティッシュなどで押さえながら、すぐにトイレに行きたくなっても、3分〜10分程度がまんします。 →この「我慢」が、便を柔らかくし、しっかりとした便意を起こすために不可欠です。

グリセリン浣腸の副作用
体内にほとんど吸収されないため、副作用は非常に少なく、安全性が高いお薬です。
主な副作用
- 肛門周辺の刺激感、熱感
- 腹痛、腹部不快感、お腹のゴロゴロ感
- 立ちくらみ、めまい
副作用が出たときの対処法
ほとんどが一時的なものです。使用後に気分が悪くなる場合は、しばらく安静にしてください。症状が続く場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
グリセリン浣腸の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にグリセリン浣腸でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 腸管内に出血がある方、激しい腹痛や吐き気がある方(禁忌)
- 消化管穿孔・腸閉塞・急性腹症またはその疑いがある方(禁忌)
- 心臓病の診断を受けている方
- ご高齢の方
- 重度の腎障害で水分制限が必要な方
併用に注意が必要な薬
- 他の浣腸剤(リン酸ナトリウム、炭酸ガス発生浣腸など)→刺激や電解質異常が増大
- 強力な利尿薬(フロセミド等)→脱水リスク
使用上の注意
連用による依存に注意 | 浣腸を頻繁に使いすぎると、直腸の感覚が鈍くなり、自力での排便反射が弱まってしまう「習慣性(依存)」がつくことがあります。あくまで一時的な使用にとどめ、毎日のように使わないようにしましょう。 |
食物繊維は急に増やしすぎない | 便秘解消のために急に食物繊維を大量に摂ると、かえってお腹が張ることがあります。少しずつ増やしていくのがポイントです。 |
ひどい下痢の際の食事 | もし下痢がひどい場合は、乳製品や脂っこい食事、刺激の強い食べ物は、症状を悪化させることがあるので控えるようにしましょう。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
使い忘れたら?
この薬は、便秘の症状があるときに使う薬です。「使い忘れ」という概念はあまりありません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、グリセリン浣腸をはじめとした下剤の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

グリセリン浣腸に市販薬はある?値段は?
市販薬
「イチジク浣腸」や「コトブキ浣腸」などの名前で、ドラッグストアなどで広く市販されています。年齢に応じた様々なサイズが用意されています。
ジェネリック
医療用医薬品にも、「グリセリン浣腸「製薬会社名」」という名称で、ジェネリック医薬品が存在します。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- グリセリン浣腸液50%「ケンエー」成人用30mL:約15.9円/個(3割負担の場合 約5円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
はい、妊娠中の便秘にもよく使われるお薬です。 ただし、妊娠後期にあまり強くいきむと、子宮の収縮に影響する可能性もゼロではありません。自己判断で使用せず、必ず医師や薬剤師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
はい、乳幼児から使えます。 ただし、必ず年齢に合った「小児用」「乳幼児用」のサイズを使用してください。 大人の量を子どもに使うと、腸に過度の刺激を与えたり、脱水症状を起こしたりする危険性があります。
Q. いつから効きますか?
効果が現れるのが非常に早いのが最大の特徴です。個人差はありますが、注入後、およそ3分〜10分程度で強い便意を感じることが多いです。
Q. 痛いですか?
正しく使えば、強い痛みはありません。ただし、肛門に傷があったり、挿入時に無理な力を加えたりすると、痛みを感じることがあります。リラックスして、ゆっくり挿入するのがコツです。
Q. 毎日使ってもいいですか?クセになりますか?
毎日の連用は推奨されません。 常用すると、自力で便を出す反射が弱くなってしまう可能性があります。あくまで、どうしても出なくて苦しい時の「レスキュー」として使いましょう。
まとめ
グリセリン浣腸は、出口で固まってしまった便を、速やかにスッキリさせる、非常に頼りになるお薬です。
即効性があり、作用も局所的で安全性が高いのが大きなメリットです。 効果を最大限に引き出すコツは、「注入後に数分間がまんすること」と、「年齢に合ったサイズを選ぶこと」。そして、「常用しないこと」です。 特徴を正しく理解し、つらい便秘のレスキューとして上手に活用しましょう。
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