
「咳が止まらなくてツラい…」そんな時、病院で「フスコデ」というお薬が処方されることがあります。
「フスコデって、どんなお薬なんだろう?」「副作用はあるのかな?」など、気になることも多いですよね。
この記事では、咳止めのお薬「フスコデ」について、その成分や効果、副作用、正しい使い方などを、医師が分かりやすく解説します。フスコデについて詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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フスコデ配合錠とは?効果は?
フスコデ配合錠は、医療用医薬品として処方される咳止めのお薬(鎮咳薬)です。主に、つらい咳の症状を和らげるために使われます。錠剤タイプのお薬で、一般的には「フスコデ配合錠」という名前で知られています。
フスコデ配合錠の成分
フスコデ配合錠には、主に3つの有効成分が含まれています。それぞれの成分が協力して、咳を鎮める働きをします。
- ジヒドロコデインリン酸塩
咳中枢と呼ばれる脳の一部に直接作用して、咳の反射を抑える成分です。いわゆる「せきどめ」としての中心的な役割を果たします。 - dl-メチルエフェドリン塩酸塩
気管支を広げる作用があり、空気の通り道を確保して呼吸を楽にするのを助けます。また、咳を鎮める効果も期待できます。 - クロルフェニラミンマレイン酸塩
アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン成分です。鼻水やアレルギー性の咳を和らげる効果があります。
これらの成分が複合的に働くことで、さまざまな原因による咳に対して効果を発揮します。
フスコデ配合錠の効果
- つらい咳を鎮める
- 気管支を広げて呼吸を楽にする
- アレルギー性の咳を和らげる
特に、風邪や気管支炎などで咳がひどい場合や、アレルギーが関与する咳の症状改善に使われます。
どんなときに使う?(適応疾患)
- 急性気管支炎
- 慢性気管支炎
- 感冒・上気道炎(いわゆる風邪)
- 肺炎
- 肺結核
基本的には、咳の症状がある場合に処方されるお薬です。
フスコデ配合錠の使い方(用法・用量)
成人の場合、1回3錠を1日3回服用することが多いです。1日9錠飲むことになるので最初は驚くかもしれませんが、これがフスコデの基本的な用法用量です。
「何錠まで飲んでいいか」とよく質問されることがありますが、基本的は9錠まで。
ただし、これはあくまで目安であり、症状の程度や年齢、他の病気の有無などによって調整されることがあります。特にお子様の場合は量を調整することが多いです。
自己判断で量を増やしたり減らしたりしないでください。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フスコデ配合錠をはじめとした咳止めの処方や風邪の治療なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

フスコデ配合錠の注意事項(禁忌)
使用に注意が必要な方
- 緑内障の方: 眼圧が上昇する可能性があります。
- 前立腺肥大による排尿困難のある方: 症状が悪化する可能性があります。
- 重篤な呼吸抑制のある方: 症状が悪化する可能性があります。
- 気管支喘息発作中の方: 症状が悪化する可能性があります。
- 心臓に障害のある方肝臓や腎臓に障害のある方てんかんのある方甲状腺機能異常のある方
- 高齢者
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性、授乳中の方
- 小児
飲み合わせに注意が必要な薬
- 中枢神経抑制剤(鎮静剤、睡眠薬、抗不安薬など): 眠気などの副作用が強く出ることがあります。
- MAO阻害剤(一部の抗うつ薬やパーキンソン病治療薬など): 併用すると血圧上昇や発汗などの副作用が現れることがあります。
- 三環系抗うつ薬、フェノチアジン系薬剤: 作用が強まる可能性があります。
- 抗コリン作用を持つ薬(一部の胃腸薬、乗り物酔い止めなど): 口の渇きや便秘などの副作用が強く出ることがあります。
- アルコール(お酒): 眠気やふらつきなどの副作用が強く出ることがあります。
これらは代表的なものであり、全てではありません。他に服用中のお薬がある場合は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。市販薬やサプリメントも同様です。
使用上の注意
服用後の車の運転や機械操作は眠気やめまいの副作用があるため避けましょう。
アルコールとの併用も中枢神経抑制作用が増強される可能性があるため避けましょう。
長期連用も依存性や不整脈のリスクがあるためNGです。用法・用量を正しく守り、過量投与しないようにしましょう。
市販の風邪薬との併用も成分が重複する可能性があるため自己判断しないようにしましょう。
保管方法
- 直射日光や高温多湿を避けて保管
- 子どもの手の届かない場所へ
- 使用期限の過ぎたお薬は使用しない
飲み忘れたら?
飲み忘れた場合は、気づいたときにできるだけ早く1回分を飲んでください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は(目安として4時間以内など)、忘れた分は飲まずに、次の通常の時間に1回分を飲んでください。
2回分をまとめて飲むのはNGです。
フスコデ配合錠の副作用
主な副作用
比較的よくみられる副作用
- 眠気
- 便秘
- 口の渇き
- 吐き気・嘔吐
- 食欲不振
- めまい
まれにみられる重篤な副作用
- 依存性: 長期間、大量に使用することで、お薬がないといられなくなる「依存性」が生じる可能性。
- 呼吸抑制: 息苦しさ、呼吸が浅く速くなるなどの症状。特に、呼吸器系の持病がある方は注意。
- 無顆粒球症、再生不良性貧血: 血液の成分に異常が起こる病気。のどの痛み、発熱、青あざができる、出血しやすいなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診。
- 錯乱、せん妄: 意識がぼんやりしたり、幻覚が見えたりする可能性。
- 閉塞性睡眠時無呼吸: 睡眠中に呼吸が一時的に止まること可能性。
副作用が出たときの対処法
- 眠気、めまい
フスコデを服用中は、自動車の運転や危険な機械の操作は避けてください。眠気を感じたら無理せず休息しましょう。 - 便秘
水分を多めに摂ったり、食物繊維の多い食事を心がけたりしましょう。それでも改善しない場合は、医師や薬剤師に相談してください。 - 口の渇き
こまめに水分を補給したり、うがいをしたりすると和らぐことがあります。 - 吐き気・嘔吐、食欲不振
症状が軽い場合は様子を見ることもありますが、つらい場合は医師に相談しましょう。
上記以外の症状や、いつもと違う体調の変化を感じた場合は、自己判断せずに医師や薬剤師に相談してください。特に、重篤な副作用が疑われる症状が出た場合は、すぐに医療機関を受診することが重要です。
フスコデ配合錠に市販薬はある?値段は?
市販薬
フスコデ配合錠と同じ有効成分を同じ量で配合した市販薬は、現在のところありません。
しかし、フスコデと同じ有効成分を含む市販薬として以下のようなものがあります。
- 新エスエスブロン錠エース(エスエス製薬)
- たんを切れやすくするL-カルボシステインも配合
- 12歳以上から使用可能
- エスエスブロン錠(エスエス製薬)
- フスコデと同じ3成分を配合
- 12歳以上から使用可能
これらの市販薬は薬局やドラッグストアで購入できますが、フスコデと同様に依存性のある成分が含まれているため、用法・用量を守って使用することが重要です。
ジェネリック名
フスコデのジェネリック医薬品(後発医薬品)は現在のところ販売されていません。
配合剤のため、完全に同一成分の後発品の開発は難しい面があります。
ただし、類似の効果を持つ配合剤として、以下のような製品があります。
- クロフェドリンS配合錠
- カフコデN配合錠
- フスコブロン配合シロップ など
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- フスコデ配合錠(先発品):7.1円/錠
- クロフェドリンS配合錠(後発品):7.1円/錠
- フスコデ配合シロップ:3.6円/mL
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中でも使える?
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ処方されます。自己判断での服用は絶対に避け、必ず医師に相談してください。特に妊娠後期に服用すると、新生児に呼吸抑制や離脱症状が起こる可能性があります。
Q. 授乳中でも使える?
フスコデの成分が母乳中に移行することが報告されています。服用中は授乳を避けるか、授乳を中止し、粉ミルクなどに切り替えることが推奨されます。
Q. 子供でも飲めますか?
フスコデ配合錠は、以前は小児にも処方されていましたが、近年、12歳未満の小児へのコデイン類含有製剤の使用は見直されています。呼吸抑制のリスクがあるため、特に12歳未満の小児への投与は原則として行われません。
Q. 車の運転への影響は?
フスコデの副作用として眠気やめまいが報告されているため、服用後の車の運転や危険を伴う機械の操作は避けてください。特に服用初期や増量時は注意が必要です。
Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
フスコデは服用後比較的早く(30分~1時間程度)から効果が現れ始めます。ただし、個人差があるため、効果が感じられるまでの時間には差があります。効果の持続時間は約4~6時間とされています。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
アルコールには中枢神経を抑制する作用があり、フスコデの作用と合わさると、眠気やめまいなどの副作用が強くなる可能性があります。フスコデ服用中はアルコールを控えることをお勧めします。
Q. 風邪薬と一緒に服用しても大丈夫ですか?
市販の風邪薬には、フスコデと同様の成分(特に抗ヒスタミン薬やエフェドリン系成分)が含まれていることがあります。成分が重複すると副作用のリスクが高まるため、併用は避けるか、医師または薬剤師に相談してください。
Q. 依存性はありますか?
フスコデにはジヒドロコデインという麻薬性鎮咳成分が含まれているため、長期間使用すると依存性が生じる可能性があります。そのため、医師の指示に従い、必要最小限の期間だけ使用することが重要です。
Q. フスコデは咳以外の症状にも効きますか?
フスコデは主に咳を鎮めるお薬ですが、配合されているクロルフェニラミンマレイン酸塩には鼻水やくしゃみなどのアレルギー症状を和らげる効果も期待できます。ただし、基本的には咳の治療に使われるお薬です。
Q. フスコデが効かない場合はどうすればいいですか?
数日間服用しても咳の症状が改善しない場合や、むしろ悪化するような場合は、自己判断で服用を続けずに、必ず医師や薬剤師に相談してください。原因が他にある可能性や、お薬が合っていない可能性も考えられます
まとめ
この記事では、咳止めのお薬である「フスコデ配合錠」について、その効果や副作用、正しい使い方などを詳しく解説してきました。
- つらい咳を鎮める効果: 咳中枢に作用する成分や気管支を広げる成分など、複数の有効成分が協力して咳を和らげます。
- 副作用に注意: 眠気や便秘、口の渇きなどが比較的よく見られる副作用です。まれに重篤な副作用が起こることもありますので、いつもと違う症状が出たら医師に相談しましょう。
- 用法用量を守る: 自己判断で量を変えたり、長期間漫然と使用したりするのは避けましょう。
- 飲み合わせや持病に注意: 他に服用中のお薬がある方や、持病のある方は、必ず医師や薬剤師に伝えてください。
- 運転や飲酒はNG: 服用中は眠気が出やすいため、自動車の運転は避け、アルコールも控えてください。
- 妊婦・授乳中・小児の使用は特に慎重に: 必ず医師の指示に従いましょう。
フスコデ配合錠は、適切に使用すればつらい咳の症状を効果的に和らげてくれるお薬です。しかし、副作用のリスクや注意すべき点もいくつかあります。
一番大切なのは、医師や薬剤師の指示に従って正しく服用することです。自己判断で服用したり、他人のお薬をもらったりするのは絶対にやめましょう。
咳が長引く場合や、フスコデを服用しても症状が改善しない場合は、他に原因が隠れている可能性もあります。そのような場合は、ためらわずに医療機関を受診し、医師に相談するようにしてくださいね。
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