ヒアレイン点眼液の効果・副作用を医師が解説【ドライアイへの効果は?】

ヒアレイン点眼液

「目が乾いてゴロゴロする…」「眼科でヒアレインという目薬を処方された」

そんな経験はありませんか? 「ヒアレイン点眼液」は、ドライアイ治療の基本として、長年にわたり世界中で広く使われている、信頼性の高いお薬です。単に潤いを補うだけでなく、角膜(黒目)の傷を治す効果も認められています。

この記事では、そんなヒアレイン点眼液について、効果の仕組みや種類、正しい使い方、そして市販薬との違いなどを、医師が分かりやすく解説していきます。

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ヒアレイン点眼液とは?効果は?

ヒアレイン点眼液は、角膜上皮障害治療薬に分類される医療用の点眼薬です。

優れた水分保持能力角膜の傷の治りを促進する作用で、ドライアイなどによって傷ついた目の表面を保護・修復します。

このお薬は、濃度や容器の形態によっていくつかの種類があります。

  • ヒアレイン点眼液0.1%:最も一般的に処方される濃度です。
  • ヒアレイン点眼液0.3%:より高濃度で、とろみが強く、保湿効果が長く続くため、重症のドライアイなどに使われます。
  • ヒアレインミニ点眼液0.1% / 0.3%:1回使い切りタイプの点眼液です。防腐剤が含まれていないため、目に優しく、コンタクトレンズの上からの点眼が許可されることもあります。

ヒアレイン点眼液の成分

有効成分は精製ヒアルロン酸ナトリウムです。 ヒアルロン酸は、もともと私たちの涙や皮膚、関節などにも存在する天然の物質で、1グラムで6リットルもの水分を抱え込む、非常に高い保水力を持っています。

①水分保持作用
点眼すると、目の表面に潤いのヴェールを作り、涙を安定させ、目の乾燥を防ぎます。

②角膜上皮伸展促進作用
目の表面にある角膜の細胞の接着や増殖を助け、乾燥や摩擦でできた細かい傷の治りを早めます。

この2つの働きで、目の不快感を和らげるだけでなく、目の健康な状態を取り戻す手助けをします。

ヒアレイン点眼液効果

目の乾燥を防ぎ、傷ついた角膜を修復します。

  • ドライアイに伴う目の乾き、ゴロゴロ感、疲れといった不快な症状の改善
  • コンタクトレンズ装用や手術後などに生じた角膜の傷の治療

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 内因性疾患に伴うもの:シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など
  • 外因性疾患に伴うもの:薬剤性、術後、コンタクトレンズによるもの、ドライアイなど

角膜(黒目)や結膜(白目)に傷ができてしまう病気の治療に用いられます。

ヒアレイン点眼液はオンライン診療で出せる?

「ドライアイで目が痛くて…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ヒアレイン点眼液のような点眼薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ヒアレイン点眼液に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ヒアレイン点眼液の使い方(用法・用量

通常、1回1滴を、1日5〜6回点眼します。症状に応じて、回数は増減します。

必ず医師の指示通りに使用してください。

ヒアレイン点眼液の副作用

もともと体にある成分がベースのため、副作用は非常に少なく、安全性が高いことが最大の特徴です。

主な副作用

  • まぶたのかゆみ
  • 眼刺激感(しみる感じ)
  • 目やに

副作用が出たときの対処法

多くの場合は一時的ですが、刺激感が強い、痛みが続くなど、症状が気になる場合は、使用を中止して処方した医師や薬剤師に相談してください。

ヒアレイン点眼液の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)

併用に注意が必要な薬

特に報告されていませんが、他の点眼薬を使用している場合は、必ず医師に伝えてください。

使用上の注意

コンタクトレンズボトルタイプ(防腐剤あり):防腐剤がレンズに吸着されるため、ソフトコンタクトレンズを外して点眼し、5〜10分以上経ってから再装用してください。

②ミニ点眼液(防腐剤なし):医師の指示によっては、一部のコンタクトレンズの上から点眼できる場合があります。必ず確認してください。
点眼方法容器の先がまぶたやまつげ、目に直接触れないように注意してください。汚染の原因になります。
他の点眼薬との併用2種類以上の点眼薬を使う場合は、少なくとも5分以上間隔をあけてください。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • ミニ点眼液は、開封したら1回で使い切り、残りは捨ててください。
  • 開封後は、通常1ヶ月を目安に使い切ってください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

使い忘れたら?

気づいた時点でできるだけ早く1回分を点眼してください。

ただし、次に点眼する時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ点眼しましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ヒアレイン点眼液をはじめとした点眼薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ヒアレイン点眼液に市販薬はある?値段は?

市販薬

医療用の「ヒアレイン点眼液0.1%」と同じ有効成分「精製ヒアルロン酸ナトリウム」を同じ濃度0.1%で配合した、「ヒアレインS」という市販薬が販売されています。

ただし、有効成分と濃度は同じでも、国から認められている「効能・効果」の範囲が異なります。

  • 医療用ヒアレイン:ドライアイやシェーグレン症候群などに伴う角結膜上皮障害」という病気の治療を目的とします。
  • 市販薬ヒアレインS:目の乾き、疲れ、かすみ、コンタクトレンズ装着時の不快感といった症状の緩和を目的とします。

つまり、市販薬はあくまで日常的な不快症状のケアを目的としており、医師が診断する「ドライアイ(疾患)」そのものを治療する薬ではない、という違いがあります。

ジェネリック名

ジェネリック医薬品(後発品)が多数あります。

精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液「製薬会社名」という名称で発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

薬品名先発/後発1本(5mL)あたりの薬価3割負担の場合の自己負担額
ヒアレイン点眼液0.1%先発品約209.7円約63円
ヒアルロン酸ナトリウム点眼液0.1%「TS」後発品(ジェネリック)約92.5円約28円

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ヒアレイン点眼液0.1%/ヒアレイン点眼液0.3%/ヒアレインミニ点眼液0.1%/ヒアレインミニ点眼液0.3%

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
副作用が非常に少なく、全身への影響もほとんどないため、比較的安全に使えるお薬とされています。ただし、念のため医師に妊娠・授乳中であることを伝えて処方してもらいましょう。

Q. 子供でも使えますか?
はい、副作用が非常に少ないため、小児のドライアイや角膜の傷の治療にも広く使われています。 ただし、特に小さいお子様の場合は、必ず医師の診断と指示のもとで使用してください。

Q. 運転してもいいですか?
問題ありません。ただし、濃度の高い0.3%の製品は、点眼直後に一時的に視界がかすむことがあるため、見え方がクリアになってから運転してください。

Q. いつから効きますか?
目の乾きを潤すという保湿効果は、点眼してすぐに感じられます。 一方で、角膜の細かい傷を修復する根本的な治療効果はじっくり現れるため、健康な目の表面を取り戻すには、医師の指示通りに継続して使用することが大切です。

Q. コンタクトレンズをしたままでも使えますか?
防腐剤の入ったボトルタイプは、必ず外してから点眼してください。防腐剤の入っていないミニタイプは、医師の許可があれば使えることがありますので、必ず確認しましょう。

Q. 市販の「ヒアレインS」との違いは何ですか?
一番の違いは「効果」と「品質」です。 医療用は、ドライアイなどによる角膜の傷を治す「治療効果」が国から認められています。市販薬はあくまで目の乾きを潤す「清涼・潤滑」が目的で、治療効果はありません。

Q. 0.1%と0.3%の濃度の違いは何ですか?
とろみの強さと、保湿の持続時間が違います。0.3%の方がよりとろみが強く、目の表面に長く留まるため、重症のドライアイの方に使われることが多いです。

Q. ボトルと1回使い切りの「ミニ」の違いは何ですか?
防腐剤の有無です。「ミニ」は防腐剤が含まれていないため、目に優しく、コンタクトレンズの上から使える場合もあります。ボトルタイプは開封後も長持ちしますが、防腐剤に弱い方はミニが選択されます。

まとめ

ヒアレイン点眼液は、単に目を潤すだけでなく、ドライアイなどで傷ついた角膜の表面を保護し、修復する効果を持った、安全性の高い治療薬です。

濃度や容器の違う種類が豊富で、防腐剤フリーの使い切りタイプもあるため、ご自身の目の状態に合わせた治療が可能です。 市販薬の「ヒアレインS」もありますが、それは症状緩和が目的です。

目の「治療」のためには、必ず医師の診察を受けて処方してもらいましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。