イソソルビドの効果・副作用を医師が解説【イソバイド】

イソソルビド

「ぐるぐる回るめまいが、吐き気も伴ってつらい」「耳鳴りや、耳が詰まった感じがする…」

そんな、メニエール病が原因で起こるつらい症状の治療に、中心的な役割を果たすのが「イソソルビド」です。先発医薬品の「イソバイド」という名前でもよく知られています。 独特の味があり、飲みにくさを感じることがあるお薬です。

この記事では、そんなイソソルビドについて、効果の仕組みや副作用、そして「飲みにくさ」を和らげる工夫などを、医師が分かりやすく解説していきます。

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イソソルビドとは?効果は?

イソソルビドは、浸透圧利尿薬という種類に分類されるお薬です。体の余分な水分を尿として排出させることで、めまいの原因となる内耳(ないじ)のむくみ(内リンパ水腫)を改善します。

医療用として処方されるイソソルビドは、飲みにくさを改善するため、いくつかの剤形があります。

  • 内用液(シロップ)
    最も基本的な液体タイプです。「イソバイド」や「メニエース」などの先発品があり、一般的にシロップ剤とも呼ばれます。
  • ゼリー剤
    「イソバイドゼリー」のように、味や食感を工夫して格段に服用しやすくしたゼリー状の製剤です。1回分が個包装されています。

イソソルビドの成分

有効成分は、その名の通りイソソルビドです。 これは糖の一種で、体に吸収されにくい性質を持っています。

  1. 服用したイソソルビドが、血液中に吸収される。
  2. 血液中のイソソルビド濃度が高まると、浸透圧の原理で、内耳などに溜まっていた余分な水分が血液中に引き寄せられる
  3. 血液中に移動した水分は、腎臓でろ過され、尿として体外に排出される

この働きにより、パンパンにむくんでいた内耳の圧力が下がり、めまいや耳鳴りといった症状が改善されるのです。

イソソルビド効果

内耳の圧力を下げることで、メニエール病の様々な症状を改善します。

  • めまい、めまい感
  • 耳鳴り
  • 聴力低下

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • メニエール病
  • その他、脳腫瘍や頭部外傷による脳圧降下、緑内障の眼圧降下

イソソルビドはオンライン診療で出せる?

「めまいが頻繁に起こる」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

イソソルビドのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
イソソルビドに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

イソソルビドの使い方(用法・用量

成人には1日の総量として70mL〜140mLを、2〜3回に分けて食後に服用します。
※ゼリー剤もこれに準じる。

飲みやすいように、1回分(30mLなど)が個包装された分包品で処方されることが多いです。

必ず医師の指示通りに使用してください。

イソソルビドの副作用

主な副作用

  • 胃腸症状:吐き気、食欲不振、下痢、腹痛など
  • 発疹
  • 頭痛

副作用は比較的少ないですが、主に胃腸症状が見られます。

副作用が出たときの対処法

吐き気などの胃腸症状が気になる場合は、医師や薬剤師に相談してください。

イソソルビドの注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去にイソソルビドの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
  • 急性頭蓋内血腫のある患者(禁忌)
  • 心臓や腎臓に障害のある方
  • 脱水・尿閉・糖尿病
  • 妊婦・授乳婦・ご高齢の方

併用に注意が必要な薬

  • ループ/サイアザイド系など他の利尿薬
  • デスモプレシン・リチウムなど水分バランスに響く薬
  • 大量のNSAIDs→腎血流低下で効果減弱の恐れ

使用上の注意

こまめな水分補給で脱水を予防(ただし飲み過ぎはNG)この薬には利尿作用があるため、脱水にならないよう、こまめな水分補給を心がけましょう。ただし、一度に大量の水を飲むと、めまいの症状が悪化することもあるため、少しずつ飲むのがポイントです。
血糖値の自己管理を忘れずにイソソルビドは糖の一種ですので、糖尿病の方が服用すると、血糖値に影響を与える可能性があります。血糖値の自己測定をされている方は、普段より少し注意深くチェックしましょう。
就寝前の服用は控えめに利尿作用により、夜間にトイレが近くなることがあります。睡眠の妨げにならないよう、就寝前の服用は量を少なくしたり、少し早い時間に飲むなどの工夫が必要になる場合があります。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、イソソルビドなどのめまいの治療なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

イソソルビドに市販薬はある?値段は?

市販薬

イソソルビドと同じ成分の市販薬は販売されていません。必ず医師の診察と処方が必要です。

ジェネリック

この記事で紹介しているイソソルビド自体がジェネリックです。

先発医薬品は「イソバイド」「メニエース」が有名です。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • イソバイドシロップ70%分包30mL(ジェネリック):約74.20円/30mL(3割負担の場合:約22円)
  • イソソルビド内服ゼリー70%分包30g(ジェネリック):約99.70円/個(3割負担の場合:約30円)

※2025年6月27日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

イソソルビド内⽤液70%「CEO」/イソソルビド内⽤液70%分包30mL「CEO」/イソソルビド内⽤液70%分包40mL「CEO」

イソソルビド内服ゼリー70%分包20g「日医工」/イソソルビド内服ゼリー70%分包30g「日医工」

イソバイドシロップ70%/イソバイドシロップ70%分包20mL/イソバイドシロップ70%分包23mL/イソバイドシロップ70%分包30mL

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか?
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。

Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。ただし、めまいの症状そのものがある状態での運転は危険ですので、控えてください。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
イソソルビドとアルコールの間に、特に重い相互作用は報告されていません。しかし、アルコールはめまいの症状を悪化させる可能性があるため、治療中の飲酒は控えるか、ごく少量にするのが望ましいでしょう。

Q. いつから効きますか?
この薬は、内耳の環境をじっくりと改善していくお薬です。即効性はありません。個人差はありますが、効果を実感するには、数週間〜1ヶ月以上、毎日きちんと飲み続ける必要があることが多いです。

Q. 味が独特と聞きましたが、飲みにくさを和らげる方法はありますか?
はい、多くの方が「甘すぎる」「後味が苦い」などと感じるお薬です。冷蔵庫でよく冷やすと、かなり飲みやすくなります。また、飲みにくさを改善したゼリータイプの製剤もありますので、どうしても液体が苦手な方は、医師に相談してみるとよいでしょう。

Q. 心臓の薬の「イソソルビド」とは違うのですか?
はい、全く違う薬です。これは非常に重要な注意点です。
①イソソルビド(当記事の薬):メニエール病の治療薬(利尿薬)
②硝酸イソソルビド:狭心症の治療薬(血管拡張薬)
名前が似ていますが、作用も目的も全く異なります。取り違えると大変危険ですので、必ず医師の指示通りに服用してください。

まとめ

イソソルビド(イソバイド)は、体の余分な水分を排出することで、メニエール病によるつらいめまい・耳鳴りなどを改善する専門的な治療薬です。

効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。独特の味を工夫して乗り越えるのが、治療継続のポイントで、飲みやすいゼリータイプの選択肢もあります。 安全のために、心臓の薬である「硝酸イソソルビド」と間違えないよう、十分注意しましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。