ラゲブリオ(モルヌピラビル)の効果と副作用を解説!【医師監修】

ラゲブリオ

「コロナ陽性と診断されたけれど、飲み合わせが悪くて他の薬が使えないと言われた」 「重症化しないか心配だから、お薬を飲んでおきたい」

そんなとき、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療薬として提案されるのが「ラゲブリオ」です。飲み合わせに注意すべき薬が少ないため、持病のお薬が多い方でも使いやすい新型コロナ治療薬の一つです。

今回は、このラゲブリオがどのようなお薬なのか、その効果や副作用を医師がやさしく解説していきます。

主な診療科目:一般内科、皮膚科、小児科、婦人科、アレルギー外来など

ラゲブリオとは?効果は?

ラゲブリオは、「抗ウイルス薬」というグループに分類されるお薬です。新型コロナウイルスが体内でコピーされて増殖するのを防ぐお薬です。

多くの薬と飲み合わせの心配が少ないため、持病があってたくさん薬を飲んでいる方や、高齢の方でも使いやすいのが大きな特徴です。一方で、重症化リスクがあまり高くない方では効果が限定的であるとの報告もあり、使用には医師の判断が必要です。

ラゲブリオには、カプセルと錠剤の2つのタイプがあります。どちらも有効成分や効果は同じで、1回の服用量が800mgになるように調整されます。実際にどちらが処方されるかは、医療機関や薬局の在庫状況によって異なります。

  • ラゲブリオカプセル200mg
  • ラゲブリオ錠400mg

 

ラゲブリオの成分

有効成分は「モルヌピラビル」です。

ウイルスは、ヒトの細胞の中で自分の遺伝情報(RNA)をコピーして増殖します。 ラゲブリオは、このコピー作業をわざと「失敗(エラー)」させます。
間違った設計図で作られたウイルスは機能せず、それ以上増えることができなくなり、やがて死滅してしまいます。

ラゲブリオ効果

  • 新型コロナウイルスの増殖を抑える効果
  • 重症化(入院や死亡)のリスクを低減させる効果

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)

特に、以下のような重症化リスク因子を持つ、軽症~中等症の患者さんが主な対象となります。

  • 高齢の方(おおよそ65歳以上)
  • 糖尿病、心疾患、腎臓病、慢性肺疾患、肥満などの基礎疾患がある方
  • 免疫抑制状態(免疫抑制薬の内服中、がん治療中など)の方
  • 喫煙者

なお、すでに重症となっている入院患者さんに対する有効性は、現時点では十分に確認されていません。あくまで、「重症化する前の段階」でリスクを下げる薬であることを理解しておきましょう。

 

ラゲブリオはオンライン診療で出せる?

「基礎疾患があるのに、コロナ陽性になってしまった…」「発熱や倦怠感で外出するのがつらい」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ラゲブリオのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ラゲブリオに関するご相談や処方をオンライン診療にて承っております。

特に、重症化リスクのある方で、発症から日が浅い場合の処方の検討や、他の治療薬との比較相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ラゲブリオの使い方(用法・用量

ウイルスが体で増殖しきる前に飲む必要があるので、発症から5日以内に飲み始めることが原則です。

通常、18歳以上の成人には、1回800mg(カプセルなら4カプセル、錠剤なら2錠)服用します。これを1日2回(朝・晩)、5日間続けます。

症状が良くなっても、ウイルスを完全に抑え込むために、処方された5日間分は必ず飲み切ってください。

 

ラゲブリオの副作用

主な副作用

主な副作用として、下痢、吐き気、めまい、頭痛などが報告されていますが、頻度は高くありません。

まれですが、重大な副作用として、アナフィラキシー(重いアレルギー反応)などが報告されています。

 

副作用が出たときの対処法

胃腸症状の症状が軽い場合は、様子を見ながら飲み続けて問題ありません。食事がとれないほどひどい場合は、医師に相談してください。

発疹やかゆみがあれば、アレルギーの可能性がありますので、服用を中止し、医師に連絡してください。

 

ラゲブリオの注意事項(禁忌)

使用に注意が必要な方

  • ラゲブリオでアレルギーを起こしたことがある方(禁忌)
  • 妊婦、または妊娠している可能性のある女性(禁忌):
    動物実験で胎児の発育に影響が出ることが報告。
  • 18歳未満の方:
    動物実験で骨や軟骨の成長に影響が出ることが報告。

 

併用に注意が必要な薬

ラゲブリオは、添付文書上、飲み合わせが悪い薬(併用禁忌薬)は設定されていません。

しかし、全てのお薬で「絶対に大丈夫」と断言できるわけではありません。必ずお薬手帳を提示し、飲んでいる薬やサプリメントを医師・薬剤師に確認してもらいましょう。

 

使用上の注意

処方された5日間は必ず飲み切る症状が軽くなっても、自己判断で中断すると、ウイルスが再び増えたりする原因になります。
避妊の徹底妊娠可能な女性は、服用中および服用終了後4日間は、適切な避妊を行ってください。(胎児への影響を避けるためです)
お酒(アルコール)ラゲブリオもアルコールも肝臓で分解されます。肝臓への負担を避けるためにも、治療中の飲酒は控えましょう。

 

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時にできるだけ早く飲んでください。ただし、次に飲む時間が近い場合は1回とばし、絶対に2回分を一度に飲まないようにしましょう。

なお、飲み忘れた分を後ろにずらして服用期間を5日間より長くすることは推奨されていません。処方された日数(5日間)の範囲内で飲み切り、余った分は飲まないようにしましょう。

 

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ラゲブリオをはじめとしたお薬の処方も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

※心療内科ではシステム手数料をいただいております

ラゲブリオに市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年11月現在、ラゲブリオと同じ成分の市販薬はありません。医師の処方が必要です。

ジェネリック

2025年11月現在、日本国内でラゲブリオのジェネリック医薬品はありません。

薬価

ラゲブリオは非常に高価な薬剤です。時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ラゲブリオカプセル200mg:1カプセルあたり約2,165円(3割負担の場合:約650円)
    • 1回の治療(40カプセル):約86,600円(3割負担の場合:約25,980円)

※2025年11月20日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ラゲブリオカプセル200mg

 

よくある質問(FAQ)

Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?

原則として妊娠中は使用できません(禁忌)。動物実験で胎児に奇形が生じることが報告されています。妊娠中の方、またはその可能性がある方は、必ず医師に伝えてください。
授乳については、日本の添付文書上は「授乳の継続または中止を検討する」とされていますが、一般的には、治療中および治療終了後4日間は授乳を中断し、搾乳して捨てる方法が推奨されることが多いです。

Q.子どもでも飲めますか?

18歳未満の方には使用できません。動物実験で骨や軟骨の成長に影響が出ることが報告されています。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

副作用でめまいが起こることがあります。また、新型コロナウイルス感染症による高熱や倦怠感があるため、完治するまで運転や危険な作業は避けるべきです。

Q.いつから効き始めますか?

ウイルスの増殖を抑えるお薬なので、解熱剤のようにすぐに症状が消えるわけではありません。発症後5日以内の、できるだけ早い段階で服用を開始することで、重症化を防ぐ効果が期待できます。

Q.お酒(アルコール)を飲んでもいいですか?

控えてください。アルコールは免疫力を下げるだけでなく、肝臓に負担をかけ、薬の代謝に影響を与える可能性があります。早く治すためにも、服用期間中はお酒を我慢しましょう。

Q.重症化リスクが低くても、飲んだほうが効果がありますか?

ラゲブリオはパキロビッドなどが使えない方にとって有力な選択肢ですが、重症化リスクがあまり高くない方では効果が限定的という報告もあり、海外では使用を慎重にすべきとするガイドラインもあります。実際に使うかどうかは、年齢や持病、お薬の飲み合わせなどを含めて、医師とよく相談して決めることが大切です。

 

まとめ

ラゲブリオは、持病の薬との飲み合わせの問題が比較的少なく、使い勝手の良い新型コロナ治療薬です。ただし、「妊娠中の方は飲めない」「18歳未満は飲めない」「服用後も4日間は避妊が必要」という重要なルールがあります。

「コロナになったけど、持病の薬が多くて飲み合わせが心配」 「重症化リスクがあるから、早めに治療したい」

そんなときは、ウチカラクリニックのオンライン診療が便利です。

  • スマホやPCがあれば、全国どこからでも受診可能
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  • お忙しい方でも安心の年中無休で診療
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つらい症状の中、外出することなく、ご自身のスマートフォンから医師の診察を受け、お薬手帳を見せながら安全な処方を受けることが可能です。コロナかな?と思ったら、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

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※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。