
「なかなか治らない、しつこい湿疹やかゆみに悩んでいる」「キンダベートより強い薬として、リドメックスを処方された」
そんな、中程度の強さの炎症を伴う皮膚トラブルの治療に、皮膚科で非常に広く使われているのが「リドメックスコーワ」です。 ステロイド外用薬の一つであり、その「強さ」と特徴を正しく理解して使うことがとても大切です。
この記事では、そんなリドメックスコーワについて、効果の仕組みや副作用、そしてステロイドの「強さ」のランクなどを、医師が分かりやすく解説していきます。
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INDEX
リドメックスコーワとは?効果は?
リドメックスコーワは、「ステロイド外用薬」に分類される塗り薬です。ステロイドの持つ優れた抗炎症作用により、皮膚の赤み、腫れ、かゆみなどの症状を効果的に鎮めます。
ステロイドの強さは5段階にランク分けされますが、リドメックスコーワは下から2番目の「medium(ミディアム)」クラスに属する、日常的な皮膚炎に幅広く使われる標準的な強さのお薬です。
リドメックスコーワには、塗る場所や使用感の好みに合わせて、いくつかの剤形があります。
- リドメックスコーワ軟膏0.3%:最も基本的な軟膏タイプ。保湿力も高く、刺激が少ない。
- リドメックスコーワクリーム0.3%:軟膏よりベタつきが少なく、さっぱりした使用感。
- リドメックスコーワローション0.3%:頭皮など、毛の生えている部位にも塗りやすい液体タイプ。
リドメックスコーワの成分・作用機序(しくみ)
有効成分は「吉草酸酢酸プレドニゾロン」です。
この成分は「アンテドラッグ・ステロイド」という特徴を持っています。アンテドラッグとは、患部である皮膚の表面ではしっかりと抗炎症作用を発揮し、体内に吸収されると、速やかに分解されて作用が弱くなるように設計されたステロイドのことです。
これにより、効果はしっかり出しつつ、全身性の副作用のリスクは低減されています。
リドメックスコーワを塗ると、有効成分が皮膚の細胞に働きかけ、炎症物質が作られるのを強力にブロックし、赤み、腫れ、かゆみを鎮めます。
リドメックスコーワの効果
優れた抗炎症作用により、様々な皮膚の炎症症状を改善します。
- 皮膚の赤み、腫れ、かゆみ
- 湿疹、皮膚炎、かぶれ
- 虫刺され
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 湿疹・皮膚炎群(アトピー性皮膚炎、かぶれ、手湿疹など)
- 乾癬
- 虫刺され など
リドメックスコーワの使い方(用法・用量)
基本的に1日1~数回、適量を患部に塗ります。
強くすり込まず、優しく乗せるように塗り広げましょう。お風呂上がりなど、皮膚が清潔な時に塗るのが効果的です。“塗れば塗るほど早く治る”わけではないので、症状に合わせた量や回数を守りましょう。

1回あたりの塗る量の目安として、成人の人差し指の第一関節までチューブから出した量(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分くらいの面積に塗るのが「フィンガーティップユニット(FTU)」という考え方です。医師や薬剤師から具体的な量の指導を受けましょう。
リドメックスコーワの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にリドメックスコーワの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 鼓膜に穴が開いている場合の、耳の中への使用(禁忌)
- 重い火傷や皮膚の潰瘍(禁忌)
- 細菌・真菌(カビ)・ウイルスによる皮膚感染症(とびひ、水虫、ヘルペス、水ぼうそうなど):ステロイドは免疫を抑え、感染症を悪化させます。(禁忌)
併用に注意が必要な薬
- 他の外用ステロイド併用→過度な量になるリスク
- 皮膚用抗菌ステロイド配合薬→重複成分に注意
- 全身性プレドニゾロン内服中→HPA軸抑制回避のため広範囲長期使用は危険
使用上の注意
塗り方のコツ(入浴後、優しく) | 入浴後5分以内など、皮膚が清潔で潤っている時に塗るのが最も効果的です。その際、強くこすり込まず、患部に“そっと”乗せるように優しく塗り広げてください。 |
日焼け直後の使用は避ける | 日焼けでヒリヒリしている肌に塗ると、刺激を悪化させる恐れがあります。 |
塗った後は手を洗う | 治療に関係ない部位に薬が付かないように、使用後は石けんでよく手を洗いましょう。 |
化粧下地やひげそり後に使わない | リドメックスコーワは治療薬であり、日常的なスキンケア目的で使うものではありません。 |
自己判断で中止しない | 症状が良くなったからといって急にやめると、炎症がぶり返す(リバウンド)ことがあります。医師の指示に従って、徐々に使用回数を減らしていくのが基本です。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
- 容器の先端を清潔に保ち、雑菌がつかないようにしましょう。
塗り忘れたら?
思い出した時点で塗ってOKです。次の塗る時間が近ければ、飛ばして次回分から再開しても大丈夫です。
焦って一気に多めに塗るのは避けてください。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ステロイドの処方や皮膚症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

リドメックスコーワの副作用
主な副作用
- 皮膚の感染症:ステロイドは免疫を抑えるため、ニキビ(ざ瘡)、とびひ、カンジダ、水虫などができやすくなることがあります。
- 皮膚症状:長期連用により、皮膚が薄くなる、皮膚の血管が浮き出る、といった副作用が起こることがあります。
こういった副作用は、用法用量を守ればそれほど起こりやすいわけではありませんが、少しでも異変を感じたら早めに医師へ相談しましょう。
副作用が出たときの対処法
塗った場所にニキビのようなものができたり、症状が悪化したりした場合は、使用を中止して医師に相談してください。
リドメックスコーワに市販薬はある?値段は?
市販薬
リドメックスコーワと同じ成分・強さの市販薬はありません。医師の処方が必要です。
市販薬には、よりランクの低いステロイドが配合されています。
ジェネリック
ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏/クリーム/ローション「製薬会社名」」という名称で発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- リドメックスコーワ軟膏0.3%(先発品):約14.7円/g(3割負担の場合:約4円/g)
- プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏0.3%(ジェネリック):約7.7円/g(3割負担の場合:約2円/g)
※2025年7月14日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
リドメックスコーワ軟膏0.3%/リドメックスコーワクリーム0.3%/リドメックスコーワローション0.3%
よくある質問(FAQ)
Q.妊娠中や授乳中でも使えますか?
塗り薬なので全身への影響は少ないですが、大量・長期使用は避けるべきです。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ使用されます。
Q.子供でも使えますか?
はい、キンダベートと並び、小児の湿疹やアトピー性皮膚炎の治療に、非常に広く使われる代表的なステロイド外用薬です。強さが中程度で、全身への影響が少ないため、お子様にも比較的安心して使いやすいのが特徴です。
Q.ステロイドの強さはどのくらいですか?
ステロイド外用薬は、強さが5段階に分類されます。リドメックスコーワはその真ん中より一つ下である、「Medium(ミディアム)」にランクされます。日常的な多くの皮膚炎に十分な効果を発揮しつつ、副作用のリスクが比較的低い、非常にバランスの取れたステロイドです。
Q.どのくらいで効きますか?
効果の発現は比較的速いのが特徴です。湿疹などのかゆみや赤みに対しては、塗り始めてから2〜3日で、症状が明らかに和らいでくるのを感じられることが多いです。
Q.顔や陰部にも塗れますか?
はい、リドメックスは「ミディアム」クラスのステロイドなので、顔や首、陰部といった皮膚の薄いデリケートな部位にも、医師の指導のもとであれば使用することができます。ただし、副作用のリスクは体幹部に比べて高いため、自己判断で長期間だらだらと塗るのは絶対にやめてください。
Q.お酒と一緒に使っても大丈夫?
塗り薬なので、直接的な相互作用はありません。しかし、過度の飲酒は皮膚のかゆみや炎症を悪化させることがあるため、治療中は控えるのが望ましいでしょう。
まとめ
リドメックスコーワは、しつこい湿疹や皮膚炎の「炎症」をしっかりと鎮める、「ストロング」クラスのステロイド外用薬です。
効果が高い反面、感染症の部分には使わないことや、顔などのデリケートな部位への使用は原則として避けるなど、その強さに応じた注意が必要です。
医師の指示通りに、必要な期間、適切な量を守って正しく使い、つらい皮膚症状を効果的に治療しましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でもリドメックスコーワをはじめとしたお薬の処方は可能です。気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
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