
「夜、布団に入っても目が冴えちゃって、なかなか寝付けない…」 「明日は大事な用事があるのに、眠れなかったらどうしよう…」
そんな眠りに関する悩み、本当につらいですよね。ちゃんと眠れないと、次の日の体調や集中力にも影響が出てしまいます。
もしかしたら、お医者さんで「ルネスタ」というお薬を処方されたり、話を聞いたりしたことがあるかもしれません。「どんな効果があるんだろう?」「副作用は大丈夫?」など、気になることがたくさんあるかと思います。
この記事では、そんな睡眠薬ルネスタについて、皆さんの疑問や不安に優しく寄り添いながら、その特徴や使い方、注意点などを分かりやすく解説していきます。
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ルネスタとは
ルネスタの成分
ルネスタは「エスゾピクロン」を有効成分とする、「非ベンゾジアゼピン系」と呼ばれる新しいタイプの睡眠薬です。
私たちの脳の中には、神経の興奮を鎮めてリラックスさせる働きを持つ「GABA(ギャバ)」という物質があります。GABAは、脳の神経細胞にある「GABA受容体」という”受け皿”にくっつくことで、脳の活動を穏やかにし、眠気を誘います。
ルネスタは、このGABAがGABA受容体にくっつきやすくするのを手伝うお薬です。GABAの働きが強まることで、脳全体の過剰な興奮が抑えられ、いわば脳の”ブレーキ”が効きやすくなり、自然と眠りやすい状態に導かれるのです。
ルネスタの効果は?何時間くらい眠れる?
ルネスタは、寝つきを良くする効果に加え、夜中に目が覚めにくくなるようサポートする睡眠薬です。
個人差はありますが、だいたい6時間前後しっかり眠れたという方が多いようです。睡眠時間や体質によっては、効果の実感が異なるので、自分に合うかどうかを試しながら調整していきます。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
ルネスタは主に以下のような不眠症状に処方されます。
- 入眠困難(寝つきが悪い)
- 中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)
- 早朝覚醒(朝早く目が覚めてしまう)
- 熟睡困難(眠りが浅く、熟睡感がない)
特に「入眠がスムーズにいかない」という症状がある方に処方されやすいです。
デエビゴなど他の不眠時薬と比較すると?依存性・強さは?
ルネスタは、同じ「非ベンゾジアゼピン系」に分類されるマイスリー(ゾルピデム)やアモバン(ゾピクロン)と比較すると、作用機序はほぼ似ていますが、“苦味”などの副作用の出方や睡眠の深まり具合に個人差があるのが特徴です。
一方、デエビゴ(レンボレキサント)やベルソムラ(スボレキサント)といった「オレキシン受容体拮抗薬」とは、そもそもの作用メカニズムが異なります。オレキシン系の薬は「脳の覚醒物質をブロックして眠りを誘う」という仕組みで、依存性がより低いとされる一方、効き方にも個人差が大きいです。
依存性は?
- 非ベンゾジアゼピン系(マイスリー、アモバン、ルネスタなど):ベンゾジアゼピン系よりは依存のリスクが低めといわれていますが、ゼロではありません。長期連用は慎重に。
- オレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ、ベルソムラなど):依存リスクはさらに低いと考えられていますが、新しい薬なのでデータはまだ完全にそろっていない部分も。
強さは?
- 同じ非ベンゾジアゼピン系同士と比べても、効果の“強さ”自体に大きな差はないとされる一方、どの薬が合うかは体質や生活リズムによるところが大きいです。
- オレキシン受容体拮抗薬との比較では、ルネスタが「寝付き」と「短時間の睡眠」向け、オレキシン系薬は「夜間の覚醒」対策に効果を感じる方が多いなど、目的や症状に応じて選ばれる傾向があります。
結局のところ、不眠症のタイプや日々の体調によって相性が異なるため、主治医と相談しながら少しずつ調整していくのが最善策です。疑問や不安があれば、早めに受診して自分に合った治療方法を探していきましょう。
他のお薬の種類や睡眠薬の依存性が気になるかたはこちらの記事もチェックしましょう。
ルネスタの使い方(用法・用量)
1mg/2mg/3mgの3種類の錠剤が存在します。
通常、就寝前に1回服用。通常、成人には1回2mg、高齢者の方には、1回1mgから開始することが一般的です。1日の最大服用量は3mgなので自己判断で増やさないようにしましょう。
飲んですぐに布団に入るのがおすすめ。服用後は車の運転や機械操作を行わないよう注意しましょう。
翌朝の眠気をできるだけ抑えるためにも、最低でも6~7時間は睡眠をとれる環境で服用するようにしてください。
また、入眠効果の発現が遅れるおそれがあるため、食事と同時または食直後の服用は避けましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、症状に応じてルネスタの処方や不眠症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ルネスタの注意事項・禁忌
併用に注意の薬や飲んではいけない人
- 重症筋無力症という病気の方(症状が悪化する可能性があります)
- 急性閉塞隅角緑内障という目の病気の方(眼圧が上がる可能性があります)
- CYP3Aを阻害する薬剤(フルコナゾール、エリスロマイシン、ベラパミル、イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど )
血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあります。 併用する場合は2.5mgから慎重に始めましょう。 - 他の不眠症治療薬
併用したときの有効性及び安全性は確立されていません
他の薬を飲んでいる場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて確認してもらいましょう。
使用上の注意
ルネスタを服用すると、翌朝にも眠気や集中力低下が残る可能性があります。特に夜遅い時間に高用量を服用すると持ち越し効果が強くなるので注意が必要です。
服用後はふらつきや転倒のリスクが高まるので眠れるまで安静にしましょう。夜間のトイレなどで起きなくてはいけない場合は明るくして移動しましょう。
効果不十分の場合も自己判断で増量せず、医師に相談しましょう
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
飲み忘れたら?効かないときは?
もし飲み忘れたら無理に夜中に飲むのは避けましょう。すでに就寝時間が遅い場合、起床後まで眠気が残る恐れがあります。翌日からまた通常どおりに飲めばいいです。
効かないからと2回分を一度に服用してはいけません。
睡眠薬はなしで眠れるならそれにこしたことはありません。「必要ないとき」は飲まなくてOK。
毎日飲むから効いていくというものではありません。
ルネスタの副作用
主な副作用
- 味覚異常(苦味・金属味):飲んだ後に口の中が苦く感じられる方が比較的多いです。
- 翌朝の眠気・だるさ:眠りが浅いと感じる場合などに出やすいかも。
- 頭痛・めまい・吐き気:体質や服用量によって程度が変わります。
ルネスタの副作用として最も報告が多く、特徴的なのが「味覚異常(主に苦味)」です。これはルネスタの成分が唾液中に出てくるために起こると考えられています。個人差がありますが、比較的多くの方(10%〜20%程度)が経験すると言われています。
副作用が出たときの対処法
- 口の苦味は、翌朝の歯磨きやうがいをしっかり行い、水やお茶で口をすすぐとやや軽減することがあります。シュガーレスのガムを噛んだり、飴をなめたりするのも、唾液が出て苦味が紛れることがあります。
- 眠気やめまいがひどい場合は、医師に相談して量や別の薬への変更を検討してもらうと安心。
- 安全のため、服用後に車や自転車の運転はできる限り控えてください。
ルネスタに市販薬はある?値段は?
市販薬
ルネスタと同じ成分の市販薬はありません。
市販の睡眠補助サプリなどはまったく別の成分ですので、効果が異なります。自己判断で切り替えず、必ず医師と相談しましょう。
ジェネリック名
ルネスタにはジェネリック医薬品があります。
一般名(成分名)は「エスゾピクロン」です。「エスゾピクロン錠1mg『〇〇』」(〇〇は製薬会社名)といった名前で、複数の会社から発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ルネスタ錠1mg(先発品): 1錠あたり 約41.0円
- ルネスタ錠2mg(先発品): 1錠あたり 約66.6円
- ルネスタ錠3mg(先発品): 1錠あたり 約86.9円
- エスゾピクロン錠1mg(後発品): 1錠あたり 約7.7円
- エスゾピクロン錠2mg(後発品): 1錠あたり 約12.5円
- エスゾピクロン錠3mg(後発品): 1錠あたり 約14.6円
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
エスゾピクロン錠1mg「KMP」/エスゾピクロン錠2mg「KMP」/エスゾピクロン錠3mg「KMP」
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
原則として推奨されません。 妊娠中・授乳中の安全性に関する十分なデータがないためです。治療上のメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合にのみ処方されることがありますが、自己判断は絶対にせず、必ず医師に妊娠・授乳中であることを伝えて相談してください。
Q. 小児でも使える?
小児を対象とした臨床試験は実施されていないため、小児への投与は推奨されていません。
子どもの不眠の場合は、睡眠薬よりも生活習慣の改善や不眠の原因に直接対処する方法が一般的です。
Q. 運転への影響は?
ルネスタを服用すると、眠気、注意力低下、反応時間の遅延などが生じる可能性があります。服用後は自動車の運転や機械の操作は絶対にやめましょう。翌朝も注意が必要です。
Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
個人差がありますが、飲んでから15分~30分くらいで効果が出始めることが多い、比較的効き始めが早いお薬です。だからこそ、飲むタイミングは「寝る直前」が大切なのです。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
ルネスタとお酒を一緒に飲むと、作用が強く出すぎてしまい、記憶障害や異常行動、呼吸が浅くなるなどの危険な状態を引き起こす可能性があります。ルネスタを飲んでいる間は、必ずお酒をやめてください。
Q. 効かない場合はどうすればいいですか?
効果を感じにくい場合でも、自己判断で量を増やしたりしないでください。効果が出にくい原因(飲むタイミング、他の要因など)を探る必要があります。必ず医師に相談し、薬の調整や変更などを検討してもらいましょう。
Q. 副作用の「苦味」がどうしても苦手です…
まずは翌朝の歯磨きやうがい、水分補給などを試してみてください。それでもつらい場合は、我慢せずにお医者さんに相談しましょう。苦味の少ない他の睡眠薬に変更することも可能です。
Q. 「アモバン」という薬と似ていると聞きました。違いは何ですか?
ルネスタ(エスゾピクロン)は、アモバン(ゾピクロン)という薬の成分の中から、睡眠作用を持つ部分だけを取り出して作られたお薬です。基本的な作用や副作用(苦味など)は似ていますが、ルネスタの方がより少ない量で効果を発揮すると言われています。
まとめ
ルネスタは、脳の興奮を抑えるGABAの働きをサポートすることで、スムーズな寝つきを助けてくれる「超短時間作用型」の睡眠薬です。効き目が早く、翌日に残りにくいのがメリットですが、副作用として「苦味」を感じやすいという特徴も持っています。
どんなお薬にも、良い面と注意すべき面があります。ルネスタの効果を最大限に引き出し、安全に使うためには、必ずお医者さんの指示通りに、正しい用法・用量を守ることが何よりも重要です。
そして、もし副作用かな?と感じたり、何か分からないことや不安なことがあったりしたら、決して一人で抱え込まず、お医者さんや薬剤師さんに気軽に相談してくださいね。
この記事が、あなたがルネスタというお薬を正しく理解し、つらい不眠の悩みを乗り越えるための一助となれば、とても嬉しいです。穏やかな眠りを取り戻し、すっきりとした毎日を送れるよう応援しています。
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