酸化マグネシウムの効果・副作用を医師が解説【便秘薬】

酸化マグネシウム

「便秘で病院に行ったら、酸化マグネシウムという白い錠剤を処方された」「マグミットと同じ薬?」

「酸化マグネシウム」は、お腹が痛くなりにくく、クセにもなりにくい、体に優しい便秘薬として、医療機関で最もよく処方されるお薬の一つです。 その安全性から、小さなお子様からご高齢の方、妊婦さんまで、非常に幅広く使われています。

この記事では、そんな酸化マグネシウムについて、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。

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酸化マグネシウムとは?効果は?

酸化マグネシウムは、浸透圧性下剤」という種類に分類される、便秘症の治療薬です。腸を直接刺激するタイプの下剤とは違い、便の水分量を増やすことで、自然に近いお通じを促します。また、胃酸を中和する「制酸薬」としても使われることがあります。

酸化マグネシウムは、非常に多くの製薬会社からジェネリック医薬品として発売されており、様々な規格の錠剤や粉薬があります。

  • 酸化マグネシウム錠250mg / 330mg / 500mg など

酸化マグネシウムの成分

有効成分は酸化マグネシウムです。
この成分が、体の中でスポンジのように働き、便を柔らかくします。

  1. 服用した酸化マグネシウムが、胃酸と反応して腸に届く。
  2. 腸の中で、周りから水分をぐんぐん引き寄せて、便に含ませる(浸透圧作用)。
  3. 水分を含んだ便は、カチカチの状態から、柔らかく、かさが増した状態になる。
  4. 柔らかく、かさが増した便が、自然に大腸の壁を刺激し、スムーズな排便につながる。

腸を無理やり動かすのではなく、便そのものを「出やすい状態」に変えるため、腹痛が起こりにくく、作用が穏やかなのです。

酸化マグネシウム効果

便を柔らかくし、排便を促します。

  • 便秘症の改善
  • 胃酸過多や胃潰瘍などにおける、胃酸の症状の改善

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 便秘症
  • 胃・十二指腸潰瘍、胃炎、上部消化管機能異常における制酸作用と症状の改善
  • 尿路シュウ酸カルシウム結石の発生予防

酸化マグネシウムはオンライン診療で出せる?

「便秘でお腹が痛くて…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

酸化マグネシウムのような下剤も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
酸化マグネシウムに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

酸化マグネシウムの使い方(用法・用量

【便秘症の場合
通常、成人には1日2g(例:500mg錠なら4錠)を、食前または食後の2〜3回に分けて服用します。便の硬さや状態を見ながら、医師が量を調整します。

コップ1杯以上の、多めの水で服用してください。薬が腸の中で水分を引き寄せるのを助け、効果を高めるためです。

酸化マグネシウムの副作用

腸を直接刺激するため、腹痛などの副作用が出ることがあります。

主な副作用

  • 下痢、軟便:量が多すぎると、効きすぎて下痢になることがあります。

頻度はまれですが、高マグネシウム血症が最も注意すべき副作用です。
特に腎臓の機能が低下している方や、ご高齢の方が、長期間・大量に服用すると、体内のマグネシウム濃度が異常に高くなることがあります。吐き気、めまい、筋力低下、眠気、脈が遅くなるなどの初期症状に注意が必要です。

副作用が出たときの対処法

下痢になった場合は、量が多すぎるサインです。医師や薬剤師に相談し、1錠減らす、1回休むなどして調整しましょう。高マグネシウム血症が疑われる症状が出た場合は、直ちに医師に連絡してください。

酸化マグネシウムの注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去に酸化マグネシウムの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
  • 腎臓に障害のある方→高マグネシウム血症のリスクが高まります。
  • 心臓に障害のある方
  • 下痢のある方
  • ご高齢の方

併用に注意が必要な薬

  • 一部の抗生物質(テトラサイクリン系、ニューキノロン系など)
  • 骨粗しょう症の薬(ビスホスホネート製剤)
  • 鉄剤
    →これらの薬とは、服用時間を2時間以上あける必要があります。

使用上の注意

十分な水分(コップ1杯以上)と一緒に服用この薬は、腸内で水分を集めて便を柔らかくします。効果を最大限に引き出すため、必ずコップ1杯以上(約200mL)の多めの水で服用してください。
便意を我慢せず、適度な運動を便意を感じたら、我慢せずにトイレに行く習慣をつけましょう。また、ウォーキングなどの適度な運動は、腸の動きを活発にし、便秘解消の助けになります。
長期連用は医師と相談長期間服用する場合は、まれに起こる高マグネシウム血症のリスクを管理するため、定期的に医師の診察を受け、必要に応じて血中マグネシウム濃度や腎機能の検査を受けることが大切です。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

使い忘れたら?

気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、酸化マグネシウムをはじめとした下剤の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

酸化マグネシウムに市販薬はある?値段は?

市販薬

有効成分「酸化マグネシウム」を含む市販薬が、酸化マグネシウムE便秘薬などの名前で、多くのメーカーから販売されています。

ジェネリック

この記事で解説している「酸化マグネシウム錠」そのものが、医薬品の一般名であり、ジェネリック医薬品の名称です。

「マグミット」などの先発品も存在しますが、ジェネリックが非常に広く普及しています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • 酸化マグネシウム錠250mg:約5.8円/個(3割負担の場合 約2円)
  • 酸化マグネシウム錠330mg:約5.8円/個(3割負担の場合 約2円)
  • 酸化マグネシウム錠500mg:約10.1円/個(3割負担の場合 約3円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

酸化マグネシウム錠200mg「ヨシダ」/酸化マグネシウム錠250mg「ヨシダ」/酸化マグネシウム錠300mg「ヨシダ」/酸化マグネシウム錠330mg「ヨシダ」/酸化マグネシウム錠400mg「ヨシダ」/酸化マグネシウム錠500mg「ヨシダ」

酸化マグネシウム細粒83%「ヨシダ」

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
はい、妊娠中の便秘に対して、産婦人科で最もよく処方されるお薬の一つです。 体に吸収されることがほとんどなく、安全性が高いためです。授乳中も問題なく使えます。ただし、自己判断はせず、必ず医師に相談の上で使用してください。

Q. 子供でも使えますか?
はい、お子様の便秘にも非常に広く使われます。 作用が穏やかで安全性が高いため、小児科で頻繁に処方されるお薬の一つです。ただし、お子様の場合は、体重や年齢に応じて服用量を細かく調整する必要があります。

Q. いつから効きますか?
この薬は、腸を直接刺激するタイプではないため、即効性はありません。個人差はありますが、服用後、およそ8〜10時間後、あるいは1〜2日後に、便が柔らかくなり、穏やかな便意を感じることが多いです。

Q. 毎日飲んでも大丈夫ですか?
酸化マグネシウムは腸を直接刺激するタイプではないため、刺激性下剤に比べて習慣性(クセ)になりにくく、安全に長期間続けやすいのが大きな特徴です。実際に、慢性便秘症の治療では、毎日服用することで便通をコントロールします。ただし、腎臓の機能が低下している方や、ご高齢の方が長期間服用すると、まれに高マグネシウム血症という副作用が起こる可能性があります。

Q. なぜ、たくさん水を飲む必要があるのですか?
酸化マグネシウムは、腸の中で水分を引き寄せて便を柔らかくする薬です。体内の水分が不足していると、十分な効果が発揮できません。 コップ1杯以上の多めの水で飲むことで、薬の効果を最大限に引き出すことができます。

Q. センノシド(刺激性下剤)との違いは何ですか?
作用の仕組みと、体の負担が全く違います。センノシドが腸を無理やり動かすため腹痛や依存が心配されるのに対し、酸化マグネシウムは便を水分で柔らかくするだけなので、お腹が痛くなりにくく、クセになりにくいのが最大の違いです。

まとめ

酸化マグネシウムは、便に水分を含ませて、自然に近いお通じを促すお腹が痛くなりにくく、クセにもなりにくい、非常に安全性の高い便秘薬です。

その安全性から、小さなお子様や、妊婦さん、ご高齢の方まで幅広く使われています。 効果を最大限に引き出すコツは、「たっぷりの水で飲むこと」。そして、腎臓の悪い方は、重い副作用のリスクがあるため、必ず医師に相談することです。 特徴を正しく理解し、つらい便秘の改善に役立てましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。