
「ぐるぐると、自分や周りが回るようなめまいがする」「めまいと同時に、耳鳴りや聞こえにくさも感じる」
そんな、つらいめまいの症状、特にメニエール病が原因で起こるめまいの治療に、長年、広く使われているお薬が「メリスロン」です。
この記事では、めまい治療の代表的なお薬であるメリスロンについて、効果の仕組みや副作用、そしてジェネリック医薬品との関係などを、医師が分かりやすく解説していきます。
めまいの治療はは
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メリスロンとは?効果は?
メリスロンは、「めまい治療薬」に分類されるお薬です。主に、体のバランスを司る「内耳(ないじ)」の不調が原因で起こるめまいを改善します。
メリスロンには、有効成分の量が異なる2つの種類があります。
- メリスロン錠6mg
- メリスロン錠12mg
メリスロンの成分
有効成分は「ベタヒスチンメシル酸塩」です。 この成分は、ヒスタミンという物質に似た構造を持っており、主に2つの働きでめまいを改善すると考えられています。
①内耳の血流を増やす
内耳の血管を広げ、血の流れを良くします。これにより、めまいの原因の一つとされる内耳の「むくみ(内リンパ水腫)」を改善し、バランス感覚を正常な状態に戻します。
②脳の神経の興奮を鎮める
めまいの信号を伝える脳の神経核の異常な興奮を抑え、ぐるぐる回るような感覚を和らげます。
メリスロンの効果
内耳の血流と神経のバランスを整えることで、めまいの症状を和らげます。
- 回転性のめまい(自分や周りがぐるぐる回る感じ)
- めまいに伴う吐き気、嘔吐
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 下記疾患に伴うめまい、めまい感
- メニエール病、メニエール症候群、末梢性めまい
メリスロンはオンライン診療で出せる?
「めまいが頻繁に起こる」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
メリスロンのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
メリスロンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
メリスロンの使い方(用法・用量)
成人には1回6mg〜12mg(6mg錠なら1〜2錠、12mg錠なら1錠)を、1日3回食後に服用します。
年齢や症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
メリスロンの副作用
副作用は比較的少なく、安全性の高いお薬として知られています。
主な副作用
- 胃腸症状:吐き気、胸やけ、胃の不快感など
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 頭痛
副作用が出たときの対処法
吐き気などの胃腸症状が気になる場合は、医師や薬剤師に相談してください。食後の服用を徹底することで、症状が和らぐことが多いです。
メリスロンの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にメリスロンの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 褐色細胞腫またはその疑いのある方(副腎の腫瘍の一種)
- 消化性潰瘍(胃潰瘍など)の既往歴のある方、または活動性のある方→ヒスタミン作用で悪化
- 気管支ぜん息の方→ヒスタミン作用で悪化
併用に注意が必要な薬
- MAO阻害薬(セレギリン等)→血圧上昇の報告
- 抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン等)→互いの作用を打ち消し合う
使用上の注意
塩分制限を心がける | 塩分を摂りすぎると、体内に水分が溜まりやすくなり、めまいの原因である内耳のむくみ(内リンパ水腫)を悪化させる可能性があります。1日の塩分摂取量は6g未満を目標に、薄味の食事を心がけましょう。 |
カフェイン・アルコールを控える | コーヒーなどに含まれるカフェインや、アルコールは、人によってはめまい発作の引き金(トリガー)になることがあります。摂取は控えめにするのが望ましいです。 |
ストレスを溜めず、十分な睡眠をとる | 過労、ストレス、睡眠不足は、めまい発作の最も大きな誘因の一つです。規則正しい生活を送り、心身をしっかり休ませることが、再発予防につながります。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、メリスロンなどのめまいの治療なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

メリスロンに市販薬はある?値段は?
市販薬
メリスロンと同じ成分の市販薬は販売されていません。必ず医師の診察と処方が必要です。
ジェネリック
ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「ベタヒスチンメシル酸塩錠「製薬会社名」」という名称で、多くのメーカーから発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- メリスロン錠6mg(先発品):約9.8円/錠(3割負担の場合:約3円)
- ベタヒスチンメシル酸塩錠6mg「トーワ」(ジェネリックの一例):約5.7円/錠(3割負担の場合:約2円)
- メリスロン錠12mg(先発品):約14.4円/錠(3割負担の場合:約4円)
- ベタヒスチンメシル酸塩錠12mg「トーワ」(ジェネリックの一例):約5.9円/錠(3割負担の場合:約2円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。
Q. 運転してもいいですか?
メリスロン自体には眠気を催す作用はほとんどありません。そのため、運転が禁止されているわけではありませんが、めまいの症状そのものがある状態での運転は非常に危険です。めまいがあるうちは運転を控えてください。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
メリスロンとアルコールの間に、特に重い相互作用は報告されていません。しかし、めまいの治療中は飲酒を控えるか、ごく少量にすることが強く推奨されます。 なぜなら、アルコール自体にめまいやふらつきを悪化させる作用があり、メニエール病の発作の引き金になることもあるためです。治療効果をしっかり得るためにも、症状が落ち着くまでは飲酒は控えるのが賢明です。
Q. いつから効きますか?
この薬は、今起きている激しいめまい発作を瞬時に止める「頓服薬」ではありません。毎日きちんと飲み続けることで、内耳の状態を安定させ、めまいが起きにくい体質にしていく「予防・維持」のためのお薬です。効果を実感するには、個人差はありますが、数週間〜1ヶ月程度かかることが多いです。血中濃度自体は30分-2時間程度でピークには達します。
Q. 鎮暈薬(ちんうんやく)や精神安定剤とは違うのですか?
違います。 乗り物酔いの薬や精神安定剤が、脳の広い範囲に作用して感覚を鈍らせるのに対し、メリスロンはめまいの原因である「内耳」の環境を改善することに特化しています。そのため、眠気などの副作用が少ないのが特徴です。
まとめ
メリスロンは、内耳の血流を改善し、神経の興奮を鎮めることで、メニエール病などに伴うつらいめまいを治療する、代表的なお薬です。
激しい発作をすぐに止める薬ではなく、毎日飲み続けることで、めまいが起きにくい状態を維持するのが目的です。 副作用が少なく、安全性が高いお薬ですが、効果を実感するには根気よく続けることが大切です。気になるめまいの症状があれば、まずは専門の医療機関を受診しましょう。
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