メチコバールの効果・副作用を医師が解説【長期投与は安全?】

メチコバール

「手足がジンジン、ピリピリとしびれる…」「坐骨神経痛の痛みがつらい」

そんな、末梢神経のダメージが原因で起こる「しびれ」や「痛み」の症状に、長年広く使われているお薬が「メチコバール」です。 ビタミン剤の一種でありながら、神経の修復を助ける重要な働きを持っています。

この記事では、そんなメチコバールについて、効果の仕組みや副作用、そしてジェネリック医薬品との関係などを、医師が分かりやすく解説していきます。

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メチコバールとは?効果は?

メチコバールは、「ビタミンB12製剤」に分類されるお薬です。傷ついた末梢神経を修復・再生するのを助けることで、しびれ、痛み、麻痺といった症状を改善します。

メチコバールには、錠剤、粉薬、注射剤があります。

  • メチコバール錠500µg / 250µg:最も一般的に処方される錠剤です。
  • メチコバール細粒0.1%:主に小児や、錠剤が飲みにくい方に使われます。
  • メチコバール注射液500µg:より速やかな効果が必要な場合に使われます。

メチコバールの成分

有効成分はメコバラミンです。これは、数あるビタミンB12の中でも、体の中ですぐに使える「活性型」のビタミンB12です。

神経は、電気コードのように「芯(軸索)」と、それを覆う「カバー(ミエリン鞘)」でできています。メコバラミンは、この神経のカバーや芯を作るための材料(核酸やタンパク質など)の合成を助ける働きがあります。
糖尿病やケガなどで神経が傷つくと、このカバーが剥がれたり、芯が傷んだりして、しびれや痛みが生じます。メチコバールは、傷ついた神経に修復材料を補給することで、ダメージを治し、正常な神経の働きを取り戻す手助けをします。

メチコバール効果

末梢神経の修復を促し、様々な神経症状を改善します。

  • 手足のしびれ、痛み、麻痺
  • 運動機能の改善

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 末梢性神経障害
    • 糖尿病性神経障害、多発神経炎、坐骨神経痛、肋間神経痛、顔面神経麻痺、腰痛症など
  • ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血

メチコバールはオンライン診療で出せる?

「手足のしびれが酷い」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

メチコバールのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
メチコバールに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

メチコバールの使い方(用法・用量

【末梢性神経障害の場合
通常、成人には1回500µg(500µg錠なら1錠)を、1日3回服用します。

年齢や症状により調整されます。必ず医師の指示通りに使用してください。

メチコバールの副作用

ビタミン剤であるため、副作用は非常に少なく、安全性が高いことが最大の特徴です。

主な副作用

ごくまれに、以下のような症状が出ることがあります。

  • 食欲不振、吐き気、下痢などの胃腸症状
  • 発疹

副作用が出たときの対処法

何か異常を感じた場合は、医師や薬剤師に相談してください。

メチコバールの注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)

併用に注意が必要な薬

  • 過度のアルコール摂取(禁忌)
  • ヨード造影剤(CT検査などで使用):検査の前後は、必ずメトホルミンの服用を中止する必要あり。腎機能に一時的な影響を与え、乳酸アシドーシスのリスクが非常に高まる。
  • 他の血糖降下薬(SU薬、インスリンなど):併用すると低血糖のリスクが上がります。
  • 腎毒性の強い抗生物質(ゲンタマイシンなど)
  • 一部の利尿薬、ステロイド薬、腎機能に影響を与える薬など

使用上の注意

効果がない場合の長期使用は避ける末梢性神経障害に対して、1ヶ月程度服用しても効果が感じられない場合は、漫然と服用を続けるべきではないとされています。医師と相談し、治療方針を再検討しましょう。
水銀及びその化合物を取り扱う職業水銀に暴露すると、メチコバールの体内での働きが悪くなる可能性があるため、注意が必要です。

保管方法

  • 光に弱いため、PTPシートのまま保管し、直射日光・高温多湿を避けてください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、メチコバールをはじめとしたしびれ治療薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

メチコバールに市販薬はある?値段は?

市販薬

有効成分「メコバラミン」は、肩こりや腰痛、手足のしびれを緩和する目的の市販薬に広く配合されています。
ナボリンSなどが有名です。ただし、医療用に比べて含有量が異なる場合があります。

ジェネリック

ジェネリック医薬品(後発品)があります。

有効成分名であるメコバラミン錠「製薬会社名」という名称で、多くのメーカーから発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • メチコバール錠500µg(先発品):約11.7円/錠(3割負担の場合:約4円)
  • メコバラミン錠500µg「トーワ」(ジェネリックの一例):約5.9円/錠(3割負担の場合:約2円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

メチコバール錠250μg/メチコバール錠500μg/メチコバール細粒0.1%

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
はい、比較的安全に使えるお薬とされています。 メチコバールはビタミンB12そのものであり、実際に妊娠中のしびれや貧血の治療にも使われます。ただし、自己判断での服用はせず、必ず医師に相談の上で、必要な場合にのみ服用するようにしてください。

Q. 子供でも使えますか?
はい、お子様にも使用されます。 ただし、お子様の場合は、年齢や症状に応じて服用量を調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。

Q. いつから効きますか?
この薬は、痛みを直接止める「痛み止め」ではなく、傷ついた神経をじっくり修復していくお薬です。そのため、即効性はありません。個人差はありますが、効果を実感するには、少なくとも1ヶ月以上、毎日きちんと飲み続ける必要があります。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
メチコバールとアルコールの間に、直接的な相互作用は特に報告されていません。しかし、過度のアルコール摂取は、末梢神経障害そのものを悪化させる大きな原因の一つです。薬の効果をしっかり得るため、そして神経の健康のためにも、治療中の飲酒は控えるか、ごく少量にすることが賢明です。

Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。

Q. 薬がピンク色なのはなぜですか?
ビタミンB12(コバラミン)本来の色です。ビタミンB12は、コバルトというミネラルを含むため、きれいな赤色(ピンク色)をしています。着色料によるものではありません。

Q. 痛み止め(ロキソニンなど)との違いは?
目的が全く違います。 ロキソニンなどの痛み止めは、今ある「痛みの信号」をブロックする対症療法薬です。メチコバールは、しびれや痛みの原因である「神経のダメージ」そのものを修復する根本的な治療を目指す薬です。そのため、しばしば併用されることもあります。

Q. 市販のサプリメントとの違いは何ですか?
一番の違いは「医薬品」であるかどうかです。 メチコバールは、末梢神経障害という「病気」に対する治療効果が国から認められた医薬品です。一方、サプリメントはあくまで「栄養補助食品」であり、治療効果は保証されていません。また、メチコバールは吸収されやすい「活性型」ビタミンB12である点も異なります。

まとめ

メチコバールは、傷ついた末梢神経を修復する「活性型ビタミンB12」で、手足のしびれや神経痛を根本から改善するお薬です。

副作用が非常に少なく、安全性が高いのが大きなメリットです。 ただし、効果を実感するには、毎日コツコツと長期間飲み続けることが大切です。痛み止めのようにすぐ効く薬ではないことを理解し、医師の指示通りに服用を続けましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。