
「立ち上がった瞬間に、クラッとして目の前が暗くなる…」「朝、起き上がるのがつらい」
そんな、立ちくらみやめまいといった、低血圧によるつらい症状にお悩みではありませんか? 「メトリジン」は、下がってしまった血圧を適度に上げることで、これらの症状を改善する専門的なお薬です。
この記事では、そんな低血圧治療薬のメトリジンについて、効果の仕組みや副作用、そして最も重要な「飲む時間」などの注意点を、医師が分かりやすく解説していきます。
めまい・立ちくらみは
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メトリジンとは?効果は?
メトリジンは、「昇圧剤」に分類される、低血圧症の治療薬です。特に、立ち上がった時に血圧が下がり、めまいや立ちくらみを起こす「起立性低血圧」の治療に広く使われています。
医療用として処方されるメトリジンには、主に2つの種類の錠剤があります。
- メトリジン錠2mg
有効成分としてミドドリン塩酸塩のみを含む、基本的な錠剤です。 - メトリジンD錠
こちらは配合錠です。ミドドリン塩酸塩に加えて、もう一つの血管収縮薬である「メシル酸ジヒドロエルゴタミン」が配合されています。「D」はこの成分名に由来します。単剤の効果が不十分な場合などに、より複合的な作用を期待して使われます。
メトリジンの成分
主成分は「ミドドリン塩酸塩」です。
この成分は、体の中に入ってから効果を発揮する有効成分に変化する「プロドラッグ」です。
- 服用すると、体内で活性型に変化する。
- この活性型が、主に手足などの末梢血管にある「α1受容体」という部分を刺激する。
- 刺激された血管がキュッと収縮する。
- 血管が収縮することで、血圧が上昇する。
立ち上がった時、重力で血液は下半身に溜まりやすくなりますが、メトリジンが血管を収縮させることで、血液をしっかりと心臓や脳に送り届け、血圧の低下を防ぎ、立ちくらみなどの症状を改善します。
メトリジンの効果
血管を収縮させ、血圧を上げることで、低血圧に伴う様々な症状を改善します。
- 立ちくらみ、めまい
- 全身の倦怠感、だるさ
- 頭痛、頭が重い感じ
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 本態性低血圧、起立性低血圧
メトリジンはオンライン診療で出せる?
「低血圧で立ちくらみが酷い…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
メトリジンのような血圧のお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
メトリジンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
メトリジンの使い方(用法・用量)
通常、成人には1回1錠(2mg)を、1日2回(朝と昼など)服用します。
就寝前など、長時間横になる前には服用しないでください。
重症の場合は、1日3回服用することもあります。必ず医師の指示通りに使用してください。
メトリジンの副作用
血圧を上げる作用に関連した副作用が現れることがあります。
主な副作用
- 動悸
- 吐き気、腹痛などの胃腸症状
- 頭痛
- 鳥肌が立つ感じ
横になっている時に、逆に血圧が上がりすぎてしまう「臥位高血圧(がいこうけつあつ)」という状態になることがあります。頭痛や頭の重さなどを感じることがあります。
副作用が出たときの対処法
動悸や頭痛などが気になる場合は、医師や薬剤師に相談してください。
メトリジンの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にメトリジンの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の方(禁忌)
- 褐色細胞腫またはその疑いのある方(副腎の腫瘍の一種)(禁忌)
- 重症の虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症など)の方
- 重症の高血圧の方
- 重症の腎機能障害のある方
- 前立腺肥大に伴う排尿困難のある方
- 糖尿病の方
- 腎臓や肝臓に障害のある方
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
- MAO阻害薬:血圧急上昇の恐れ
- 三環系抗うつ薬:交感神経刺激が増強
- グアネチジン系降圧薬:作用が相殺される可能性
- デジタリス製剤:不整脈リスク増
使用上の注意
就寝直前の服用は避ける(臥位高血圧予防) | メトリジンは体を起こしている時の血圧を保つ薬です。服用してすぐに長時間横になると、薬の作用で血圧が上がりすぎてしまう危険性(臥位高血圧)があります。夜寝る前の服用は絶対に避けてください。 |
血圧を記録する習慣を | 可能であれば、朝(起床時)と夜(就寝前)などに血圧を測定し、記録することをお勧めします。特に、座った状態や横になった状態での血圧も測っておくと、薬が効きすぎていないか、臥位高血圧が起きていないかなどを知るための重要な情報となり、医師が薬の量を調整する際の助けになります。 |
脱水を防ぎ、ゆっくり立ち上がる | 脱水は低血圧を悪化させます。こまめに水分を補給しましょう。また、立ち上がる際は、急に立ち上がらず、一度座るなどワンクッションを置いてから、ゆっくりと動作するように心がけてください。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合(特に、夕方以降に昼の分を思い出した場合など)は、忘れた分はとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、メトリジンをはじめとした昇圧剤の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

メトリジンに市販薬はある?値段は?
市販薬
メトリジンは血圧に作用する専門的な薬のため、必ず医師の診察と処方が必要です。
ジェネリック
ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「ミドドリン塩酸塩錠「製薬会社名」」という名称で発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- メトリジン錠2mg(先発品):約13.9円/錠(3割負担の場合:約4円)
- ミドドリン塩酸塩錠2mg「あすか」(ジェネリック):約13.9円/錠(3割負担の場合:約4円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
原則として成人のみに処方されます。 起立性調節障害など、お子様の立ちくらみには別の治療法が選択されることが多く、小児への安全性は確立されていません。
Q. いつから効きますか?
効果の発現は比較的速いです。個人差はありますが、服用後、およそ1時間程度で血圧を上げる作用が現れ始め、数時間持続します。
Q. 運転してもいいですか?
めまいなどの副作用が出ることがあります。また、薬を飲む原因である低血圧症状そのものが運転に危険を及ぼす可能性があります。体調が万全でない時の運転は控えてください。
Q. ただの「低血圧」なら誰でも飲んでいいですか?
いいえ、必ず医師の診断が必要です。 めまいや立ちくらみには、貧血や心臓、耳の病気など、他の原因が隠れていることもあります。メトリジンは、あくまで「起立性低血圧」などと診断された場合にのみ使われる専門薬です。
Q. なぜ夜寝る前に飲んではいけないのですか?
メトリジンは体を起こしている時の血圧を上げる薬です。横になると、薬の作用で逆に血圧が上がりすぎてしまう「臥位高血圧」という状態になる危険があるためです。日中の活動時間帯に服用するのが基本です。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
治療中の飲酒は、控えることが強く推奨されます。 メトリジンは血圧を「上げる」薬ですが、アルコールは血管を広げて血圧を「下げる」作用があります。そのため、薬の効果を打ち消してしまい、立ちくらみなどの症状が悪化する可能性があります。また、アルコールの利尿作用で脱水になると、さらに低血圧が悪化しやすくなるため、治療中は禁酒するのが望ましいです。
まとめ
メトリジンは、血管を収縮させて血圧を上げることで、「起立性低血圧」によるつらい立ちくらみやめまいを改善する専門的な治療薬です。
効果がしっかりしている反面、「横になる前には飲まない」という、臥位高血圧を防ぐための非常に重要なルールがあります。 心臓や血圧に作用するお薬ですので、特徴を正しく理解し、必ず医師の指示のもとで安全に服用しましょう。
めまい・立ちくらみは
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