モメタゾン点鼻薬の効果・副作用を医師が解説!

モメタゾン点鼻薬

「目のかゆみと一緒に鼻水・くしゃみが止まらない…」「一年中鼻がグズグズして集中できない…」「できるだけ副作用が少ないものがいいな…」

こうしたアレルギー性鼻炎のつらい症状と、治療にかかる費用についてお悩みの方にとって、心強い選択肢となるのが「モメタゾン点鼻薬」です。これは、広く使われている「ナゾネックス点鼻液」のジェネリック医薬品(後発医薬品)で、効果はそのままに、経済的な負担を軽減できます。

この記事では、ナゾネックスのジェネリック医薬品であるモメタゾン点鼻薬について、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。

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モメタゾン点鼻薬は、アレルギー性鼻炎による、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった3大症状の治療に使われる「点鼻用ステロイド薬」です。

「ナゾネックス点鼻液」のジェネリックに当たります。

鼻の粘膜に直接噴霧することで、アレルギー反応による炎症を強力に抑え、つらい症状を改善します。花粉症などの季節性アレルギーだけでなく、ハウスダストやダニなどが原因の通年性アレルギーにも効果を発揮します。

医療機関では主にモメタゾン点鼻液50μg「製薬会社名」という規格で処方されます。通常、1容器あたり56噴霧用や112噴霧用があります。 容器の形状や色、噴霧器の使い心地は、製薬会社によって若干異なる場合がありますが、有効成分や効果は同じです。

モメタゾン点鼻薬の成分

モメタゾン点鼻薬の主役は、モメタゾンフランカルボン酸エステルというステロイド成分です。

ステロイドは、体内で起こる炎症反応を強力に抑える働きがあります。ナゾネックスは、鼻の粘膜でアレルギー反応によって引き起こされる様々な炎症物質の産生を抑えたり、炎症に関わる細胞の働きを抑制したりします。

このお薬は、有効成分が鼻の粘膜に長く留まり効果を発揮する一方、全身への吸収が非常に少なくなるように設計されているため、ステロイドの全身性の副作用が出にくいのが特徴です。また、鼻の乾燥感(ドライノーズ)も比較的起こりにくいとされています。

モメタゾン点鼻薬の効果

鼻の粘膜の炎症をしっかり抑えることで、アレルギー性鼻炎の3大症状に効果を発揮します。継続して使用することで、アレルギー症状が出にくい状態を保つ効果も期待できます。

効果の持続性から、1日1回(または症状により2回)の使用で済みます。

  • くしゃみを抑える
  • 鼻水(鼻汁過多)を減らす
  • 鼻づまりを改善する

どんなときに使う?(適応疾患)

  • アレルギー性鼻炎
    • 季節性アレルギー(スギ花粉症、ヒノキ花粉症、ブタクサ花粉症など)
    • 通年性アレルギー(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛など)

モメタゾン点鼻薬はオンライン診療で出せる?

「花粉症の時期は、毎年同じ薬を使っている」「忙しくて、なかなか耳鼻科やアレルギー科に行けない」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

モメタゾン点鼻薬のような点鼻薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
モメタゾン点鼻薬に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、既にアレルギー性鼻炎と診断されていて、症状が安定している場合の継続処方などに、オンライン診療は非常に便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

モメタゾン点鼻薬の使い方(用法・用量

通常、1日1回、各鼻腔(左右の鼻の穴)に噴霧します。

  • 成人: 通常、各鼻腔に2噴霧ずつを1日1回。
    ※年齢や症状により、1日2回(朝・夕)に分けて使用する場合もあります。
  • 小児(2歳以上): 通常、各鼻腔に1噴霧ずつを1日1回。

症状が安定してきたら、医師の指示により使用回数や噴霧回数を減らすこともあります。自己判断で中止したり、量を変更したりしないでください。

大切な使い方ポイント

  1. 使用前によく振る: 容器をよく振ってから使用してください。
  2. 鼻をかむ: 噴霧前に鼻をかんで、鼻の通りを良くしておきましょう。
  3. 初回使用時の空打ち: 初めて使用する場合や、しばらく使っていなかった場合は、薬液がきちんと出るように、キャップをしたまま容器を数回振った後、キャップを外し、空気中に数回試し噴霧(空打ち)してください。
  4. 噴霧の向き: 容器の先端を鼻の穴に入れ、鼻中隔(左右の鼻を隔てている壁)に向けず、少し外側に向けて噴霧するのがコツです。こうすることで、薬液が鼻の奥に届きやすくなり、鼻血などの副作用も出にくくなります。
  5. 使用後のケア: 使用後は、噴霧器の先端をティッシュペーパーなどで清潔に拭き、キャップをしてください。

モメタゾン点鼻薬の副作用

モメタゾンは局所作用が主体の点鼻薬なので、全身性の副作用は少ないとされていますが、以下のような副作用が現れることがあります。

主な副作用

  • 鼻出血(鼻血)
  • 鼻の刺激感、乾燥感、不快感
  • 鼻水に少量の血が混じる
  • 咽頭痛、喉の乾燥感、不快感
  • 頭痛

まれに起こる注意すべき副作用

  • アナフィラキシー反応(極めてまれ)
  • 緑内障、白内障(長期・大量使用の場合。頻度は低い)

副作用が出たときの対処法

軽い鼻血や鼻の乾燥感は、使い方を工夫する(噴霧の向きを変える、保湿する)ことで軽減することもあります。

鼻血が頻繁に続く場合や、多量に出る場合、その他気になる症状が現れた場合は、使用を中止し、処方した医師や薬剤師に相談してください。アナフィラキシーが疑われるような症状が出た場合は、直ちに医療機関を受診してください。

モメタゾン点鼻薬の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

絶対に使ってはいけない方(禁忌)

  • 過去にモメタゾンフランカルボン酸エステルの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症のある患者 (ステロイド成分が免疫を抑えるため、感染症が悪化する可能性があります)
  • 全身の真菌症のある患者

使うときに特に注意が必要な方

  • 結核性の病気にかかっている方
  • 反復して鼻血を繰り返している方
  • 重症な高血圧の方
  • 糖尿病の方
  • 緑内障、白内障の方、またはその疑いがある方
  • 肝臓の機能が低下している方
  • 最近、鼻の手術を受けた方や、鼻に傷がある方

併用に注意が必要な薬

  • CYP3A4阻害作用のある薬
    • 一部の抗HIV薬(リトナビルなど)
    • 一部の抗真菌薬(イトラコナゾールなど) これらのお薬は、モメタゾンのステロイド成分の分解を遅らせ、体内に吸収される量を増やしてしまう可能性があるため、併用には注意が必要です。必ず医師・薬剤師に伝えてください。

使用上の注意

指示通りに使う用法・用量を守り、噴霧の向きなど正しい使い方を心がけましょう。
鼻を強くかみすぎない特に鼻血が出やすい方は注意。
感染症の予防免疫を抑える作用があるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないように注意。
定期的な受診長期間使用する場合は、定期的に医師の診察を受け、鼻の状態や副作用の有無をチェックしてもらう。

保管方法

  • 直射日光・高温を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ

使い忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を使用してください。ただし、次に使う時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ使用しましょう。

絶対に2回分を一度に使用しないでください。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、モメタゾン点鼻薬をはじめとした点鼻薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

モメタゾン点鼻薬に市販薬はある?値段は?

市販薬

2024年から、モメタゾン点鼻液と全く同じ有効成分「モメタゾンフランカルボン酸エステル」を含むスイッチOTC医薬品が、ナザールαAR0.1%などの商品名で販売されています。

これらは薬局で購入できますが、使用できるのは「季節性アレルギー専用」で、使用期間の目安も定められています。初めての症状や、通年性アレルギーが疑われる場合は、医療機関を受診しましょう。

ジェネリック名

モメタゾン点鼻液の先発医薬品はナゾネックス点鼻液50μgです。

モメタゾン点鼻液は、このナゾネックスのジェネリック医薬品(後発医薬品)にあたります。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • モメタゾン点鼻液50μg「杏林」56噴霧用(ジェネリックの一例):1キットあたり 約582.4円
    (3割負担の場合、自己負担額は1キットあたり約175円)
  • ナゾネックス点鼻液50μg56噴霧用(先発品):1キットあたり 約1,129.8円
    (3割負担の場合、自己負担額は1キットあたり約339円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

モメタゾン点鼻液50μg「トーワ」56噴霧用/モメタゾン点鼻液50μg「トーワ」112噴霧用

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。点鼻薬は全身への吸収が少ないため、内服薬に比べるとリスクは低いと考えられますが、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか?
はい、2歳以上の小児から使用できます。ただし、用量が成人とは異なりますので、必ず医師の指示に従ってください。

Q. いつから効きますか?
個人差がありますが、通常、使い始めてから数時間~数日で鼻症状の改善が見られ始めます。即効性があるわけではなく、毎日継続して使用することで、効果が安定してきます。

Q. 眠くなることはありますか?
モメタゾン点鼻液の副作用として、眠気が強く出ることは通常報告されていません。そのため、運転や機械操作への直接的な影響は少ないと考えられます。

Q. ナゾネックス点鼻液との違いは何ですか?
有効成分、効果、安全性は基本的に同じです。 モメタゾン点鼻液はナゾネックスのジェネリック医薬品なので、大きな違いは薬の価格(モメタゾン点鼻液の方が安価)と、製造している製薬会社、添加物、容器の色や形がわずかに異なる程度です。

まとめ

モメタゾン点鼻液は、つらいアレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻水、鼻づまりを効果的に抑える、「ナゾネックス点鼻液」のジェネリック医薬品(後発医薬品)です。 先発品と同等の効果と安全性を持ちながら、お薬代の負担を軽減できる、頼りになる選択肢です。1日1回(または2回)の使用で済み、お子様にも使いやすいのが特徴です。

効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい使い方を守り、副作用について理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

この記事が、モメタゾン点鼻液への正しい理解を深め、皆さんのつらい鼻炎症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。