ポリフル(コロネル)の効果・副作用を医師が解説

ポリフル

「便秘と下痢を繰り返して、お腹の調子が安定しない…」「過敏性腸症候群(IBS)と診断されたけど、どんな薬を飲むの?」

そんな、不安定な便通のお悩みに対して、便秘にも、そして下痢にも効果を発揮するという、ユニークな働きを持つお薬が「ポリフル(先発品名:コロネル)」です。 腸内環境を「ちょうどいい」状態に整えることで、つらい症状を改善します。

この記事では、そんなポリフル(コロネル)について、効果の仕組みや副作用、そして効果を最大限に引き出すための正しい飲み方を、医師が分かりやすく解説していきます。

過敏性腸症候群の治療は
ウチカラクリニックのオンライン診療で!

クマの医師
  • 夜間・土日も診療
  • 全国から自宅で受診可能
  • 診療時間:09:00-22:00

※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

下痢止めや下剤などの処方はこちらから!
内科のオンライン診療

ポリフル(コロネル)とは?効果は?

ポリフル(コロネル)は、消化管運動調整薬に分類される、過敏性腸症候群(IBS)の治療薬です。腸の中の水分バランスを調整することで、便の状態を正常に近づけます。

コロネルが先発品の名前で、ポリフルが後発品の名前です。2025年7月現在、コロネルの製造・発売が中止されているため「ポリフル」として処方されます。

ポリフルもコロネルも、錠剤と粉薬があります。

  • ポリフル錠500mg / コロネル錠500mg
  • ポリフル細粒83.3% / コロネル細粒83.3%

\ 過敏性腸症候群についてはこちらの記事をチェック! /

 

 

 

ポリフル(コロネル)の成分・作用機序(しくみ)

有効成分はポリカルボフィルカルシウムです。

この成分は、体内に吸収されず、腸の中で「スマートなスポンジ」のように働きます。

下痢の時(水分が多すぎる場合)
腸内の余分な水分をスポンジのように吸収し、ゲル状に固まります。これにより、ゆるすぎる便が適度な硬さになります。

便秘の時(水分が少なすぎる場合)
腸内の水分を保持して、便が硬くなるのを防ぎます。便のかさを増やし、柔らかくすることで、排便をスムーズにします。

このように、腸内の水分量が多すぎても、少なすぎても、「ちょうどいい」状態に調整してくれるのが、この薬の最大の特徴です。

ポリフル(コロネル)効果

腸内の水分バランスを整えることで、便通異常を改善します。

  • 下痢、便秘
  • 便通の不安定な状態
  • 腹痛、お腹の不快感

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状

ポリフル(コロネル)はオンライン診療で出せる?

「IBSでお腹が痛くて…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ポリフル(コロネル)のようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ポリフル(コロネル)に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ポリフル(コロネル)の使い方(用法・用量

通常、成人には1回500mg〜1000mg(1〜2錠)を、1日3回、食後に服用します。

コップ1杯以上の、多めの水で服用してください。薬が腸の中で十分に膨らむために、水分が必要です。

ポリフル(コロネル)の副作用

体内に吸収されないため、副作用は非常に少なく、安全性が高いお薬です。

主な副作用

ごくまれに、以下のような症状が出ることがあります。

  • 腹部膨満感(お腹の張り)、おなら
  • 吐き気、腹痛
  • 発疹、かゆみ

副作用が出たときの対処法

飲み始めにお腹が張ることがありますが、多くは続けているうちに慣れていきます。症状が気になる場合は、医師や薬剤師に相談してください。

ポリフル(コロネル)の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去にポリフル(コロネル)の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
  • 急性腹部疾患が疑われる方(虫垂炎など、激しい腹痛がある場合)(禁忌)
  • 腸閉塞またはその疑いがある方(禁忌)
  • 高カルシウム血症の(禁忌)
  • 腎不全腎結石のある方(禁忌)
  • 腎臓に重い障害のある方(カルシウムの摂取制限が必要な場合)

併用に注意が必要な薬

  • PPI/H₂ブロッカー/制酸剤:薬効低下
  • テトラサイクリン系・ニューキノロン系・ジゴキシン・ワルファリン:カルシウムでキレート形成
  • Ca補給剤・ビタミンD製剤:血中のカルシウム上昇リスク

このように、この薬は、他の薬の吸収を妨げることがあります。他の薬を服用している場合は、必ず30分〜1時間以上、服用時間をずらしてください。

使用上の注意

毎回200mL(コップ1杯)以上の水で服用この薬が腸の中で十分に膨らんで効果を発揮するために、たっぷりの水分が不可欠です。必ず多めの水で服用してください。
高繊維食との併用で便秘改善をサポート便秘症状に対しては、日々の食事で食物繊維を多く摂ることを意識すると、よりスムーズな便通改善が期待できます。
アルコールは脱水に注意アルコールが薬の作用に直接影響することはありませんが、利尿作用による脱水は便秘を悪化させる可能性があります。飲酒した際は、水分補給を心がけましょう。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ポリフル(コロネル)をはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ポリフル(コロネル)に市販薬はある?値段は?

市販薬

ポリフル(コロネル)は専門的な治療薬のため、2025年7月現在、市販薬はありません。医師の処方が必須です。

ジェネリック

ポリフル」が「コロネル」のジェネリックになります。

しかし、2025年7月現在、コロネルは製造・発売中止となっています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • コロネル錠500mg(先発品)約9.6円/錠(3割負担の場合:約3円)
  • ポリフル錠500mg(ジェネリック品)約9.4円/錠(3割負担の場合:約3円)

※2025年7月13日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ポリフル錠500mg/ポリフル細粒83.3%

よくある質問(FAQ)

Q.妊娠中や授乳中でも使えますか?

体内に吸収されないため、比較的安全に使えるお薬とされています。実際に処方されることも多いですが、自己判断はせず、必ず医師に相談の上で使用してください。

Q.子供でも使えますか?

はい、お子様の過敏性腸症候群にも使われます。 ただし、お子様の場合は、体重や年齢に応じて服用量を細かく調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。

Q.なぜ便秘と下痢の両方に効くのですか?

この薬が、腸の中の水分量に応じて働きを変える「スマートなスポンジ」のような性質を持っているためです。水分が多すぎる時(下痢)は吸収し、少なすぎる時(便秘)は保持することで、便の硬さを「ちょうどいい」状態に調整してくれます。

Q.どのくらいで効きますか?

この薬は、腸内の水分バランスをじっくりと整えていくお薬です。即効性はありません。個人差はありますが、数日〜1週間以上、毎日きちんと飲み続けることで、便の状態が安定してくるのを感じられることが多いです。

Q.なぜ、たくさん水を飲む必要があるのですか?

この薬は、腸の中で水分を吸ってゲル状に膨らむことで効果を発揮します。水分が足りないと、うまく膨らむことができず、十分な効果が得られません。 コップ1杯以上の多めの水で飲むようにしましょう。

Q.お酒と一緒に飲んでも大丈夫?

ポリフルとアルコールの間に、直接的な相互作用はありません。しかし、過度の飲酒は腸内環境を乱し、IBSの症状そのものを悪化させる原因になります。治療中は控えるのが望ましいでしょう。

Q.運転してもいいですか?

はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。

まとめ

ポリフル(コロネル)は、腸内の水分バランスを調整することで、過敏性腸症候群(IBS)の「便秘」と「下痢」という正反対の症状の両方に対応できる、ユニークで安全性の高い治療薬です。

効果を最大限に引き出すコツは、「たっぷりの水で飲むこと」「他の薬と時間をずらして飲むこと」。そして、効果が出るまで、毎日コツコツと飲み続けることです。

不安定な便通に悩んでいる方は、一度、専門の医療機関に相談してみてはいかがでしょうか?

腹痛など、つらい症状でお困りの際は、ウチカラクリニックのオンライン診療でも相談が可能ですので、我慢せずにご相談ください。

過敏性腸症候群の治療は
ウチカラクリニックのオンライン診療で!

クマの医師
  • 夜間・土日も診療
  • 全国から自宅で受診可能
  • 診療時間:09:00-22:00

※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

下痢止めや下剤などの処方はこちらから!
内科のオンライン診療

ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。