プロペト軟膏の効果や副作用について医師が解説!市販薬は?ワセリンとの違いは?

プロペト

「赤ちゃんの肌がカサカサ…優しく保護できるものはないかな?」 「敏感肌で、どんな保湿剤を使っても刺激を感じてしまう…」 「唇や目の周りなど、特に乾燥しやすい部分をピンポイントでケアしたい!」

こうした、デリケートな肌の乾燥や保護の悩みに、皮膚科で昔から処方されてきた、究極にシンプルな塗り薬が「プロペト」です。その正体は、非常に純度の高い「白色ワセリン」です。

この記事では、肌のバリア機能を優しく守るプロペトについて、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。

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プロペトとは?効果は?

プロペトは、皮膚の乾燥を防ぎ、外部の刺激から肌を保護するために使われる「皮膚保護剤」です。

非常にシンプルな成分でできており、アレルギー反応を起こすことが極めてまれなため、赤ちゃんからお年寄りまで、そしてアトピー性皮膚炎などで肌が敏感になっている方にも、安心して幅広く使われています。

医療機関で処方されるプロペトは、一般的にプロペトという商品名で、チューブやプラスチック容器に入った白色ワセリンの軟膏として提供されます。

プロペトの成分

有効成分は白色ワセリンです。これは、石油から得られる炭化水素類を高度に精製して作られたものです。プロペトは、この白色ワセリンの中でも特に純度が高く、刺激が少ないのが特徴です。

①皮膚保護作用
皮膚の表面に薄い油の膜を形成します。この膜がバリアとなり、衣類の摩擦や、ホコリ、花粉、乾燥した空気といった外部からの様々な刺激から肌を守ってくれます。

②水分蒸発抑制作用
皮膚の表面を油膜でコーティングすることで、肌内部からの水分の蒸発(経皮水分蒸散:TEWLといいます)を防ぎます。これにより、肌自体のうるおいを保ち、乾燥を防ぎます。 例えるなら、肌に潤いを閉じ込めるための「フタ」をしてくれるイメージです。

ヘパリン類似物質ヒルドイドなど)が肌に水分を与える「保湿剤」であるのに対し、プロペトは「水分を逃がさない保護剤」という役割がメインです

プロペトの効果

  • 皮膚の乾燥を防ぎ、しっとり感を保つ
  • 外部の刺激から皮膚を守り、肌荒れを防ぐ
  • ひび、あかぎれなどの改善を助ける
  • 皮膚のバリア機能をサポートする

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 手足のヒビ、あかぎれ
  • 一般的な皮膚の乾燥防止、保護
  • アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏症などの乾燥症状の保湿補助
  • 乳幼児の皮膚保護(おむつかぶれの予防、よだれかぶれの保護など)
  • 口唇の乾燥、目の周りなど、特にデリケートな部分の保護・保湿
  • 褥瘡(床ずれ)の予防
  • 軽度のやけどや傷の保護(医師の指示のもとで使用)

アレルギー性が極めて低いため、化粧品などでかぶれやすい敏感肌の方にも第一選択として使われることが多いです。

プロペトはオンライン診療で出せる?

「赤ちゃんの肌ケアに、プロペトを継続して使いたい」「敏感肌なので、刺激の少ない保湿剤が欲しい」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

プロペトのような皮膚保護剤も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
プロペトに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に慢性的な皮膚疾患で継続的なケアが必要な方にとっては、通院の負担を大きく減らすことができます。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

プロペトの使い方(用法・用量

通常、1日数回、適量を患部に塗布します。

清潔な手で、少量をとり、乾燥が気になる部分や保護したい部分に優しく薄く塗り広げます。こすりつけないように注意しましょう。

お風呂上がりや洗顔後など、皮膚が清潔で、まだ少し水分が残っているうちに塗ると、より水分を閉じ込めて効果的です。

プロペトの副作用

プロペトは副作用が極めてまれで、非常に安全性の高いお薬です。

副作用

ごくまれに、塗った場所に発疹やかゆみが出ることが報告されています。

これらはワセリンそのものへのアレルギーというよりは、ごく微量に含まれる可能性のある不純物や、個人の特異な肌質による反応と考えられます。

プロペトは高純度なのでそのリスクも非常に低いです。

副作用が出たときの対処法

塗った部分に上記のような症状が現れたり、いつもと違う異常を感じたりした場合は、使用を中止し、処方した医師や薬剤師に相談してください

プロペトの注意事項・禁忌

使ってはいけない方

基本的に、プロペト(白色ワセリン)に禁忌はありません。 ただし、過去にプロペトや白色ワセリンでアレルギー症状(かぶれなど)を起こしたことがある方は、使用を避けるべきです。

併用に注意が必要な薬

塗り薬であり、体内にほとんど吸収されないため、飲み薬との間で特に問題となる飲み合わせは、基本的にありません。

使用上の注意

厚塗りに注意
たくさん塗れば効果が高まるわけではありません。厚塗りしすぎるとベタつきの原因になったり、毛穴を塞いでしまいます。薄く均一に塗るのがポイントです。
目の中に入れない
眼科用ではないので、目の中には直接入れないようにしましょう。(まぶたなど目の周りの皮膚には使えます)

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所に置いてください。

使い忘れたら?

気づいた時点で塗ってください。

1日数回、乾燥を感じた時や保護が必要な時に塗るお薬なので、それほど神経質になる必要はありません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、プロペトの処方や肌トラブルの治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

プロペトに市販薬はある?値段は?

市販薬

プロペトの有効成分である「白色ワセリン」を主成分とする製品は、ドラッグストアなどで様々な商品名で販売されています。

例えば、「ヴァセリン オリジナル ピュアスキンジェリー」や、赤ちゃん向けの「ベビーワセリン」、より純度を高めた「サンホワイトP-1」などがあります。

医療用のプロペトに近い純度の高いものを選ぶと、より安心して使用できます。

ジェネリック名

プロペト自体が商品名であり、その有効成分は「白色ワセリン」です。

「白色ワセリン」という名称で、プロペトと同様に処方される製品もありますが、ジェネリック医薬品(後発品)というよりは、同じ「白色ワセリン」を規格化した製品です。

薬価

  • プロペト(25gチューブ):1本あたり 約58.5円
    (3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約18円)
  • 白色ワセリン「ケンエー」(例/25gチューブ):1本あたり 約35.0円
    (3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約11円)

※2025年5月27日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

プロペト

よくある質問(FAQ)

Q. 妊娠中や授乳中でも使えますか?
全く問題なく使えます。むしろ、妊娠中や授乳中の肌荒れケアにも推奨されます。

Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか?
おむつかぶれの予防や、カサカサしやすい部分の保湿など、赤ちゃんのデリケートな肌に最適です。

Q.顔に塗っても大丈夫ですか?
顔にも問題なく使えます。唇や目の周りなど、特に乾燥しやすい部分の保護にも適しています。非常に薄く塗れば、健康な肌で毛穴が詰まるリスクは低いです。ただし、ニキビができやすい方は、医師と相談の上で使用範囲を決めるのが良いでしょう。

Q. ヘパリン類似物質ヒルドイドなど)との違いは何ですか?
ヘパリン類似物質は、肌に水分を与え、血行を促進する「保湿・血行促進剤」です。一方、プロペト(白色ワセリン)は、肌の表面に膜を作って水分の蒸発を防ぎ、外部刺激から保護する「皮膚保護剤」です。例えるなら、ヒルドイドが「化粧水や美容液」、プロペトが「乳液やクリームでフタをする」ような役割の違いがあります。併用することも多いです。

Q. ニキビに使ってもいいですか?
プロペト自体にニキビを治す直接的な効果はありません。しかし、他のニキビ治療薬の副作用で肌が乾燥した場合や、口唇など特に乾燥しやすい部分を保護する目的で、補助的に使われることはあります。

Q.毎日、長期間使っても大丈夫ですか?
全く問題ありません。むしろ、乾燥肌の方やアトピー性皮膚炎の方は、毎日のスキンケアの一環として、長期間継続して使用することが推奨されます。

まとめ

プロペト(白色ワセリン)は、非常にシンプルで安全性が高く、赤ちゃんからお年寄りまで、そして全身のあらゆる部位に使える、優れた皮膚保護・保湿剤です。 特別な有効成分が入っているわけではありませんが、肌本来のうるおいを守る「フタ」としての役割は絶大で、様々な皮膚の乾燥トラブルの予防やケアの基本となります。

医療用・市販品ともに手に入りやすいお薬ですが、症状が改善しない場合や、何が原因の肌トラブルか分からない場合は、自己判断せずに皮膚科医に相談することが大切です。

この記事が、プロペトへの理解を深め、皆さんの健やかな肌を守るための一助となれば幸いです。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。