
「夜、自然と眠くなって、朝までぐっすり眠りたいな…」 「睡眠薬って聞くと、なんだか依存が心配で…」
そんな風に感じて、眠りの悩みを抱えている方はいらっしゃいませんか?
もしかしたら、お医者さんで「ロゼレム(ラメルテオン)」というお薬の名前を聞いたり、ご自身で調べてこのページにたどり着いたりしたのかもしれませんね。
この記事では、そんなロゼレム(ラメルテオン)について、皆さんの疑問に優しく寄り添いながら、その働きや効果、使い方、注意点などを分かりやすく解説していきます。
ロゼレムのことを正しく理解して、安心して不眠の治療に取り組むためのお手伝いができれば嬉しいです。
ウチカラクリニックではオンライン診療に完全対応し、忙しい方向けに夜間や土日も診療を行っております。
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ロゼレムとは
ロゼレムの成分
ロゼレムの有効成分は「ラメルテオン」といいます。このお薬は、「メラトニン受容体作動薬」という種類に分類されます。
私たちの体には、朝になると目が覚めて、夜になると眠くなる、約24時間周期の「体内時計」という素晴らしい機能が備わっています。この体内時計は、夜が近づくと「メラトニン」という、自然な眠りを誘うホルモンを分泌します。
ロゼレムは、このメラトニンが体の中でくっつく場所(メラトニン受容体)に、本物のメラトニンのように作用します。そうすることで、体内時計に優しく働きかけ、「そろそろ眠る時間ですよ」という自然なサインを脳に送り、眠りへと導いてくれるのです。
無理やり脳の活動を抑え込むのではなく、体が本来持っている眠りのリズムを整えるお手伝いをする、というのがロゼレムの大きな特徴です。
ロゼレムの効果は?何時間くらい眠れる?
ロゼレムの主な効果は、寝つきを良くすること(入眠困難の改善)です。体内時計のリズムを整えることで、自然な眠気を促し、布団に入ってから眠りにつくまでの時間を短縮するのを助けます。
ただし、注意したいのは、ロゼレムは飲んですぐに強い眠気を感じるような即効性はあまり期待できないということです。どちらかというと、毎日決まった時間に飲み続けることで、少しずつ体内時計のリズムが整い、自然に眠りやすくなっていく、という穏やかな効き方をします。
そのため、「薬を飲んで何時間眠れるか」というよりは、「自然な眠りのスタートをサポートする」お薬と考えると良いでしょう。睡眠時間の延長や、夜中に目が覚めるのを減らす効果は、他のタイプの睡眠薬ほどはっきりとはしていません。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
ロゼレムは「不眠症における入眠困難の改善」のために処方されます。
つまり、寝つきが悪いタイプの不眠症に悩んでいる方の治療に使われます。
ロゼレムの強さは?デエビゴとの併用は?他の薬との違い
ロゼレムの強さ(催眠作用)
ロゼレムは、脳の活動を直接抑えるタイプの睡眠薬(ルネスタやマイスリーなど、GABA受容体系)や、脳を覚醒させる信号をブロックする薬(デエビゴやベルソムラなど、オレキシン受容体拮抗薬)とは作用の仕方が全く異なります。
そのため、直接的な催眠作用(眠らせる力)は弱い(マイルド)と言えます。「飲んだらストンと眠れる」という感覚は少ないかもしれません。しかし、その代わりに薬物依存(クセになること)のリスクが極めて低いというのが、ロゼレムの最大の長所です。
デエビゴとの併用
ロゼレムとデエビゴは作用メカニズムが異なるため、一緒に使うことで効果が高まる可能性も理論上は考えられます。
しかし、原則として睡眠薬の併用は、眠気などの副作用が強く出るリスクを高めるため、推奨されていません。 併用が必要かどうかは、必ずお医者さんが患者さんの状態を見て慎重に判断します。自己判断で併用するのは絶対にやめましょう。
他の睡眠薬との違い
- GABA受容体系(ルネスタ、マイスリーなど)
脳の興奮を抑える神経伝達物質GABAの働きを強めて眠気を誘います。比較的効き目が早く、効果も分かりやすいですが、依存性のリスクがあります。 - オレキシン受容体拮抗薬(デエビゴ、ベルソムラ)
脳を覚醒させるオレキシンの働きをブロックして眠りやすくします。依存性は低いとされています。 - ロゼレム
体内時計に関わるメラトニンの受容体に作用し、自然な睡眠リズムを整えます。依存性が極めて低いのが特徴です。
このように、ロゼレムは体内時計にアプローチするユニークな薬であり、特に安全性を重視したい方、できるだけ自然な形で眠りたい方、他の睡眠薬で依存が心配な方などに選ばれることがあります。
他のお薬の種類や睡眠薬の依存性が気になるかたはこちらの記事もチェックしましょう。
ロゼレムの使い方(用法・用量)
ロゼレムの飲み方はシンプルですが、効果をしっかり得るためには、毎日続けることが大切になります。
通常、就寝前に1回服用。通常、成人には1回8mg1錠を服用することが一般的です。
ロゼレムは、飲んですぐに劇的な効果が出る薬ではありません。体内時計のリズムは、毎日同じ時間に薬を飲むことで、少しずつ整っていきます。 効果を感じ始めるまでには1~2週間、人によってはそれ以上かかることもありますので、焦らず、根気強く続けることが大切です。
また、食事と一緒、または食後に飲むと、薬の吸収が遅れたり、効果が弱まったりすることがあります。特に脂肪分の多い食事(揚げ物など)の後は影響を受けやすいので、できれば空腹の状態(寝る前)に飲むのがおすすめです。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、症状に応じてロゼレムの処方や不眠症状の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ロゼレムの注意事項・禁忌
併用に注意の薬や飲んではいけない人
- フルボキサミン(ルボックス、デプロメールなど)という抗うつ薬: フルボキサミンはロゼレムの分解を強く妨げ、作用が異常に強く出てしまう危険があるため、絶対に一緒に使えません。
- 重度の肝機能障害をお持ちの方
- CYP1A2やCYP3A4を阻害する薬剤
- 他の睡眠薬、精神安定剤(抗不安薬)、抗うつ薬、抗てんかん薬
- アルコール(お酒)
他の薬を飲んでいる場合は、必ず医師や薬剤師に伝えて確認してもらいましょう。
使用上の注意
ロゼレムを服用すると、眠気や集中力低下が残る可能性があります。特に夜遅い時間に服用すると持ち越し効果が強くなるので注意が必要です。
服用後はふらつきや転倒のリスクが高まるので眠れるまで安静にしましょう。夜間のトイレなどで起きなくてはいけない場合は明るくして移動しましょう。
効果不十分の場合も自己判断で増量せず、医師に相談しましょう
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
飲み忘れたら?効かないときは?
もし飲み忘れたら無理に夜中に飲むのは避けましょう。すでに就寝時間が遅い場合、起床後まで眠気が残る恐れがあります。翌日からまた通常どおりに飲めばいいです。
効かないからと2回分を一度に服用してはいけません。
ロゼレムの副作用
主な副作用
- 眠気・倦怠感:翌日に軽い眠気やだるさを感じる場合があります。
- めまい・頭痛:体質や体調によって出ることも。
- 悪夢を見る:メラトニン受容体への作用で夢が鮮明になるケースも報告がありますが、頻度は高くないとされています。
最も報告されているのは「眠気(傾眠)」です。特に日中に眠気を感じることが、数パーセントの頻度で報告されています。これは、体内時計に働きかけるというロゼレムの作用メカニズムによるものと考えられます。
他のタイプの睡眠薬と比べると、ふらつきや依存性といった副作用のリスクは低いとされています。
副作用が出たときの対処法
- 車の運転や危険な作業は絶対に避ける
- 睡眠時間を十分に確保する(7時間前後の安定した睡眠で翌朝スッキリ起きやすくなります。)
- 生活リズム(日中の適度な運動、カフェインを控えるなど)を見直す。
眠気が続く場合や、仕事や学業など日常生活に支障が出てしまう場合は、我慢せずに必ずお医者さんに相談してください。
服用時間の調整(寝る少し前に飲むなど)や、場合によっては他の治療法を検討することもあります。自己判断で服用をやめないでくださいね。
ロゼレムに市販薬はある?値段は?
市販薬
ロゼレムと同じ成分の市販薬はありません。
市販の睡眠補助サプリなどはまったく別の成分ですので、効果が異なります。自己判断で切り替えず、必ず医師と相談しましょう。
ジェネリック名
ロゼレムにはジェネリック医薬品があります。
成分名は「ラメルテオン」で、「ラメルテオン錠8mg『〇〇』」(〇〇には製薬会社名が入ります)という名前で複数のメーカーから販売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ロゼレム錠8mg: 1錠あたり 約82.9円
- ラメルテオン錠8mg:1錠あたり 約22.8円
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
原則として推奨されません。 妊娠中・授乳中の安全性に関する十分なデータがないためです。治療上のメリットがリスクを上回ると医師が判断した場合にのみ処方されることがありますが、自己判断は絶対にせず、必ず医師に妊娠・授乳中であることを伝えて相談してください。
Q. 小児でも使える?
小児を対象とした臨床試験は実施されていないため、小児への投与は推奨されていません。
子どもの不眠の場合は、睡眠薬よりも生活習慣の改善や不眠の原因に直接対処する方法が一般的です。
Q. 運転への影響は?
ロゼレムを服用すると、眠気、注意力低下、反応時間の遅延などが生じる可能性があります。服用後は自動車の運転や機械の操作は絶対にやめましょう。翌朝も注意が必要です。
Q. 飲み始めてどのくらいで効果が出る?
ロゼレムは飲んですぐに眠くなるタイプのお薬ではありません。体内時計のリズムを整える薬なので、効果を実感し始めるまでには個人差がありますが、通常1~2週間、あるいはそれ以上かかることもあります。 焦らず、指示通りに続けることが大切です。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
眠気などの副作用が強く出ることがありますので、一緒に飲むのは避けましょう。
Q. 日中の眠気がひどい場合はどうすればいいですか?
まずは安全のため、車の運転などを控えてください。そして、必ずお医者さんに相談しましょう。 服用時間の調整など、対策を一緒に考えてくれます。
Q. 途中でやめても大丈夫ですか?
ロゼレムは依存性が極めて低いので、急にやめても離脱症状(やめたときの不快な症状)が起こることはほとんどないと言われています。ただし、不眠の原因が解決していなければ、飲むのをやめるとまた眠れなくなる可能性はあります。やめる場合も、自己判断せずにお医者さんに相談するのが安心です。
Q. デエビゴや他の睡眠薬との併用はできますか?
原則として、睡眠薬の併用は推奨されません。 副作用が強く出る可能性があるためです。併用が必要かどうかは、必ずお医者さんが判断しますので、自己判断で併用しないでください
まとめ
ロゼレム(ラメルテオン)は、私たちの体にもともと備わっている体内時計に働きかけて、自然な眠りのリズムを取り戻すお手伝いをする、ユニークな睡眠導入剤です。
他の多くの睡眠薬とは異なり、依存性のリスクが極めて低いという、大きな安心感があります。その一方で、効果が出るまでには少し時間がかかり、毎日コツコツと続けることが大切なお薬です。また、副作用として日中の眠気には少し注意が必要です。
「睡眠薬の依存が怖い」「できるだけ自然な形で眠れるようになりたい」そう考えている方にとって、ロゼレムは良い選択肢の一つになるかもしれません。
どんなお薬も、その特徴をよく理解し、お医者さんとしっかり相談しながら、正しく使うことが何より大切です。この記事が、あなたがロゼレムというお薬を理解し、安心して治療に向き合うための一助となれば幸いです。
焦らず、諦めずに、あなたに合った方法で、穏やかな夜とすっきりした朝を取り戻せるよう応援しています。
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