センノシドの効果・副作用を医師が解説【プルゼニド】

1日1回、1〜2錠（12mg〜24mg）を就寝前に服用するのが基本です。

服用後、およそ8〜10時間後に効果が現れます。そのため、就寝前に飲むと、翌朝に自然な便意を感じやすくなります。

症状や体質に合わせて、量は調整されますが、必ず医師の指示に従ってください。

センノシドの副作用

腸を直接刺激するため、腹痛などの副作用が出ることがあります。

主な副作用

• 腹痛、お腹のゴロゴロ感：最もよく見られる副作用です。
• 下痢：量が多すぎると、効きすぎて下痢になることがあります。
• 吐き気、嘔吐

副作用が出たときの対処法

腹痛や下痢がひどい場合は、服用量が多すぎる可能性があります。まずは服用を中止し、次回から量を減らすなど、医師や薬剤師に相談してください。

センノシドの注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

• 過去にセンノシドの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
• 急性腹症が疑われる方（虫垂炎など、激しい腹痛がある場合）（禁忌）
• 腸閉塞またはその疑いがある方（禁忌）
• 重度の脱水や電解質異常がある
• 妊娠後期・授乳中（刺激が強い場合あり）

併用に注意が必要な薬

• ジギタリス製剤→低カリウム血症で毒性増大
• 利尿薬・ステロイド→電解質異常を助長
• 抗不整脈薬（キニジンなど）→リスク増

使用上の注意

連用による依存に注意	センノシドのような刺激性下剤を毎日使い続けると、腸がその刺激に慣れてしまい、薬なしでは排便しにくくなる「依存（習慣性）」状態になることがあります。 「だんだん効かなくなってきたから量を増やす」という悪循環に陥りやすいため、安易な長期連用は絶対に避けてください。
大腸メラノーシス	長期連用により、大腸の粘膜が黒ずむこと（大腸メラノーシス）がありますが、これは薬をやめれば元に戻るとされ、通常は問題になりません。
食物繊維は急に増やしすぎない	便秘解消のために急に食物繊維を大量に摂ると、かえってお腹が張ることがあります。少しずつ増やしていくのがポイントです。
ひどい下痢の際の食事	もし下痢がひどい場合は、乳製品や脂っこい食事、刺激の強い食べ物は、症状を悪化させることがあるので控えるようにしましょう。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら？

就寝前の薬なので、夜中に気づいた場合はすぐに服用してください。

翌朝になってしまった場合は、その日の夜に1回分を服用し、2回分を一度に飲まないでください。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、センノシドをはじめとした下剤の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

センノシドに市販薬はある？値段は？

市販薬

「センナ」や「センノシド」は、市販の便秘薬の主成分として非常に広く使われています。

「コーラックⅡ」や「スルーラックS」などが有名です。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
古い薬のため先発品とジェネリックの価格差があまりありません。

• プルゼニド錠12mg（先発）：約5.9円/個（3割負担の場合 約2円）
• センノシド錠12mg「サワイ」（後発）：約5.3円/個（3割負担の場合 約2円）

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

センノシド錠12mg「サンド」

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
妊娠中は、子宮収縮を誘発する可能性があるため、原則として使用を避けるべきとされています。授乳中も、成分が母乳に移行して乳児が下痢をする可能性があるため、慎重な判断が必要です。必ず医師に相談してください。

Q. 子供でも使えますか？
はい、お子様の便秘にも使われることがあります。 ただし、腹痛を起こしやすいため、小児への使用は特に慎重な判断が必要です。必ず医師の指示に従い、用量を守ってください。市販薬は小児には使えないものが多いので注意が必要です。

Q. いつから効きますか？
この薬は、大腸に到達してから効果を発揮するため、即効性はありません。個人差はありますが、服用後、およそ8〜10時間後に効果が現れます。そのため、就寝前に飲むと、翌朝に自然な便意を感じやすくなります。

Q. 毎日飲んでも大丈夫ですか？
いいえ、毎日の連用は推奨されません。 常用すると、腸が薬の刺激に慣れてしまい、自力で排便する力が弱くなる「習慣性」がつくリスクが高いです。あくまで、便が固くてどうしても出ない時の「レスキュー」として使い、連用は避けましょう。

Q. お腹が痛くなりますか？
はい、腹痛は起こりやすい副作用です。 大腸を強制的に動かすため、その動きが痛みとして感じられることがあります。痛みが強い場合は、量が多すぎる可能性があります。

Q. 尿の色が変わりますか？
はい、薬の成分によって、尿が黄褐色や赤色に変わることがありますが、これは薬の色素によるものなので、心配はいりません。

まとめ

センノシド（プルゼニド）は、がんこな便秘に対して、強力で確実な効果が期待できる刺激性下剤です。

効果が出るまで8〜10時間かかるため、就寝前の服用が基本です。 しかし、その強さゆえに腹痛を起こしやすく、常用すると依存状態になりやすいという大きな注意点があります。 毎日の排便のために安易に頼るのではなく、生活習慣の改善を基本としながら、どうしてもつらい時の助けとして、医師や薬剤師の指導のもとで上手に活用しましょう。