スーグラの効果・副作用を医師が解説!【糖尿病治療に】

スーグラ

「健康診断で血糖値が高いと言われ、2型糖尿病と診断された」 「新しいタイプの糖尿病治療薬『スーグラ』を勧められたけど、どんな薬?」

そんな、2型糖尿病の治療で処方される代表的なお薬の一つが「スーグラ」です。「SGLT2阻害薬」という、比較的新しいグループに属するお薬です。

今回は、このスーグラがどのようなお薬なのか、そのユニークな効果の仕組みや副作用、そして生活上の注意点について、医師がやさしく解説していきます。

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スーグラとは?効果は?

スーグラは、「SGLT2(エスジーエルティーツー)阻害薬」というグループに分類される、2型糖尿病の治療薬です。

血液中の余分な糖を、おしっこ(尿)と一緒に出すことで血糖値を下げるお薬です。これまでの糖尿病薬とは全く違う、画期的な仕組みで効果を発揮します。

スーグラには、有効成分の量が異なる2つの種類の錠剤があります。

  • スーグラ錠25mg
  • スーグラ錠50mg

スーグラの成分

有効成分はイプラグリフロジンです。

私たちの腎臓には、一度ろ過した尿の中から、体に必要な糖を血液中に回収(再吸収)する「SGLT2」という運び屋がいます。糖尿病の方は、この働きが活発なため、血糖値が下がりにくくなっています。

スーグラは、この「SGLT2」という運び屋の働きをブロックします。 運び屋が働けなくなると、尿の中に回収されるはずだった糖が、そのまま水分と一緒におしっことして排泄されます。その結果、血液中の糖が減り、血糖値が下がるという仕組みです。

スーグラ効果

  • 血糖値を下げる効果
  • 体重を減少させる効果(糖がカロリーとして排出されるため)
  • 血圧をわずかに下げる効果(水分が排出されるため)

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 2型糖尿病
    • ただし、食事療法・運動療法をしっかり行っていることが前提
  • 1型糖尿病
    • インスリン製剤との併用の場合

スーグラはオンライン診療で出せる?

「血糖値が高くて薬が必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

スーグラのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
スーグラに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

スーグラの使い方(用法・用量

通常、成人には1日1回、50mgを朝食前または朝食後に服用します。
症状によって、25mgから開始したり、100mgまで増量したりすることがあります。

必ず医師の指示通りに使用してください。

スーグラの副作用

主な副作用

主な副作用として、頻尿(トイレが近くなる)、口の渇き、便秘などが報告されています。

また、注意が必要な副作用として、尿路感染症(膀胱炎など)や性器感染症(カンジダなど)があります。尿中に糖が増えることで、細菌やカビが繁殖しやすくなるためです。外陰部・会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)が発生した例もあるため注意が必要です。

まれですが、重大な副作用として「ケトアシドーシス」「脱水」もあります。

副作用への対処法

  • 尿路・性器感染症: 陰部を清潔に保つ、おりものの変化に気をつける、排尿を我慢しない、といったセルフケアが予防につながります。異変を感じたら、すぐに医師に相談してください。
  • 脱水: のどの渇きを感じたら、すぐに水分を補給しましょう。特に夏場や高齢の方は注意が必要です。
  • ケトアシドーシス: 初期症状として、吐き気、嘔吐、腹痛、ひどい喉の渇き、だるさなどがあります。これらの症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

スーグラの注意事項(禁忌)

使用に注意が必要な方

  • 過去に本剤の成分でアレルギーを起こしたことがある方(禁忌)
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡の(禁忌)
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方(禁忌)
  • 重い腎臓の病気、肝臓の病気のある方
  • 脱水状態になりやすい高齢の方
  • 重度腎機能障害または透析中の方

併用に注意が必要な薬

  • 他の糖尿病治療薬(特にインスリンやSU薬): 低血糖のリスクが高まります。
  • 利尿薬: 脱水のリスクが高まります。

使用上の注意

性器・尿路感染の予防

陰部を清潔に保つ、排尿を我慢しない、水分をしっかり摂る、といった対策が予防につながります。

シックデイ(体調の悪い日)

発熱、下痢、嘔吐などで食事ができない日は、脱水やケトアシドーシスのリスクが高まります。そのような場合は、自己判断で服用せず、必ず主治医にどうすべきか確認してください。

低血糖が起きた時の対処法

他の糖尿病薬との併用時や、食事を抜いた時などに、冷や汗、動悸、強い空腹感、手の震えなどの低血糖症状が現れることがあります。その場合は、すぐに以下の対応をとってください。

  • すぐにブドウ糖を摂取する: 通常、ブドウ糖を10g程度摂取します。医師からブドウ糖を処方されている場合は、必ず持ち歩くようにしましょう。
  • 砂糖や糖分を含む飲料でも代用可能: ブドウ糖がない場合は、砂糖を10〜20g摂るか、糖分を含むジュースや清涼飲料水などで代用します。
    ※チョコレートやアイスクリームなど、脂肪分が多いお菓子は、糖の吸収が遅れるため、すぐに対応する必要がある低血糖の処置には向いていません。
  • 意識が朦朧とする場合: もし意識がはっきりしない、朦朧とするなどの重い症状が出た場合は、周りの人が無理に口に物を入れたりせず、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、スーグラをはじめとした糖尿病治療薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

スーグラに市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年8月現在、スーグラと同じ成分の市販薬は販売されていません。

必ず医師の診察と処方が必要です。

ジェネリック

比較的新しい薬のため、2025年8月現在、ジェネリック医薬品はまだ販売されていません。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • スーグラ錠25mg:約100.1円/錠(3割負担の場合:約30円)
  • スーグラ錠50mg:約149.7円/錠(3割負担の場合:約45円)

※2025年8月26日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

スーグラ錠25mg/スーグラ錠50mg

よくある質問(FAQ)

妊婦・授乳中でも飲めますか?

いいえ、基本的には妊娠中・授乳中の方は、このお薬を飲むことができません。

Q.子どもでも飲めますか?

小児に対する安全性は確立されていないため、使用されません。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分ではありません。ただし、脱水や低血糖(他の薬との併用時)によってめまいやふらつきが起こる可能性はあるため、体調には注意しましょう。

Q.いつから効き始めますか?

服用を始めると、尿の量が増えるなどの変化は比較的すぐに現れます。血糖値が安定して改善してくるまでには、数日から数週間かかることがあります。

Q.スーグラを飲むと痩せますか?

はい、体重減少はスーグラの代表的な効果の一つです。尿中に糖(カロリー)が1日あたり200~400kcalほど排出されるため、服用を続けることで2~3kg程度の体重減少が見られることが多いです。ただし、これはあくまで糖尿病治療に伴う効果であり、ダイエット目的で使うお薬ではありません。

Q.なぜ水分をたくさん摂る必要があるのですか?

スーグラは、尿と一緒に水分も排出させるため、脱水を起こしやすくなります。水分をしっかり摂ることで、脱水を防ぎ、同時に尿路感染症のリスクを減らすことにも繋がります。

まとめ

スーグラは、尿から糖を出すというユニークな仕組みで血糖値を下げ、体重減少などの副次的なメリットも期待できる、新しいタイプの糖尿病治療薬です。しかし、その効果を安全に得るためには、「水分をしっかり摂る」「シックデイには休薬を検討する」といった、このお薬ならではのルールを守ることが非常に重要です。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。