「胸やけがひどくて、夜も眠れない…」「胃潰瘍と診断され、しっかり胃酸を抑える薬が必要と言われた」
そんな、つらい胃酸の逆流や胃の痛みにお悩みではありませんか？ 「タケキャブ」は、従来の胃酸を抑える薬（PPIなど）よりも、より強力に、そして速やかに胃酸の分泌を抑えることができる、新しいタイプの治療薬です。
この記事では、そんなタケキャブについて、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。
つらい胸やけは
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INDEX
タケキャブとは？効果は？
タケキャブは、「P-CAB（カリウムイオン競合型アシッドブロッカー）」という種類に分類される、胃酸分泌抑制薬です。胃酸を作り出す「プロトンポンプ」という部分に直接作用し、その働きを強力にブロックすることで、胃酸の分泌を抑えます。
タケキャブには、有効成分の量が異なる錠剤と、水なしでも飲めるOD錠（口腔内崩壊錠）があります。
- タケキャブ錠10mg / 20mg：一般的な錠剤です。
- タケキャブOD錠10mg / 20mg：口の中ですばやく溶けるため、水がない場所でも服用できます。高齢の方や、錠剤を飲み込むのが苦手な方に便利です。
タケキャブの成分
有効成分は「ボノプラザンフマル酸塩」です。 この成分は、胃酸を分泌する最終段階を担う「プロトンポンプ」の働きを、カリウムイオンと競合する形で阻害します。
従来の主流だったPPI（プロトンポンプ阻害薬）に比べ、
- 効果発現が速い
- 食事の影響を受けにくい
- 効果が長く、安定している
といった優れた特徴があり、より確実な胃酸抑制効果が期待できます。
タケキャブの効果
強力な胃酸分泌抑制作用により、胃酸が関わる様々な病気の症状を改善・治療します。
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍の治癒を早める
- 逆流性食道炎の胸やけや痛みを和らげ、食道の炎症を治す
- ピロリ菌の除菌治療の成功率を高める
- 痛み止め（NSAIDs）などによる潰瘍の発生を防ぐ
どんなときに使う？（適応疾患・部位）
- 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
- 逆流性食道炎
- 低用量アスピリン又は非ステロイド性抗炎症薬（NSAIDs）投与時における胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の再発抑制
- ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
タケキャブはオンライン診療で出せる？
「胸やけがひどい…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
タケキャブのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
タケキャブに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
タケキャブの使い方（用法・用量）
1日1回の服用で効果が持続します。食事の影響を受けないため、食前・食後を気にする必要はありません。
【逆流性食道炎】
通常、成人には1回10mgまたは20mgを、1日1回服用します。（4-8週間）
【再発・再燃をくり返す逆流性食道炎の維持療法】
通常、成人は1回10mgを1日1回服用します。
【胃・十二指腸潰瘍】
通常、成人は1回20 mgを1日1回、通常8週間以内服用。
【ピロリ除菌補助】
通常、成人には1回20mgを、2種類の抗生物質と共に1日2回、7日間服用します。
タケキャブの副作用
主な副作用
- 便秘、下痢
- 腹部膨満感（お腹の張り）
- 吐き気
- 発疹
頻度はまれですが、肝機能障害がおこることもあるので、長期服用する場合は、定期的に血液検査でチェックすることがあります。
副作用が出たときの対処法
気になる症状が出た場合は、自己判断で服用を中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
タケキャブの注意事項（禁忌）
使ってはいけない方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
- 肝臓や腎臓に重い障害のある方
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
タケキャブは胃酸を強力に抑えるため、胃が酸性の状態で吸収される一部の薬の吸収を妨げ、効果を弱めてしまうことがあります。
- 一部の抗HIV薬（アタザナビル硫酸塩、リルピビリン塩酸塩）
- クロピドグレル（抗血小板薬）→効果が弱まる恐れ
- メトトレキサート（抗リウマチ薬）→血中濃度上昇の恐れ
使用上の注意
| 食生活や嗜好品の見直し | 就寝前の食事は、胃酸が逆流しやすくなるため避けましょう。 過度の飲酒や喫煙も、症状を悪化させる大きな要因です。 脂っこい食事や、甘いもの、刺激物なども控えめにすると良いでしょう。 |
| 睡眠時の姿勢 | 上半身、特に背中を少し高くして寝ることで、胃酸が食道へ逆流するのを物理的に防ぐことができます。枕を高くする、クッションを使うなどの工夫が効果的です。 |
| ストレス管理 | ストレスを溜めないことも大切です。ストレスは胃酸の分泌を促し、症状を悪化させることがあります。自分に合ったリラックス方法を見つけ、心身を休ませる時間を作りましょう。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら？
気づいた時点で、忘れた分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、タケキャブをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。
タケキャブに市販薬はある？値段は？
市販薬
2025年6月18日現在、市販薬はありません。 タケキャブは医師の処方が必要な医療用医薬品です。
ジェネリック
比較的新しい薬のため、2025年6月現在、ジェネリック医薬品はまだ販売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- タケキャブ錠/OD錠10mg：約99.9円/錠（3割負担の場合：約30円）
- タケキャブ錠/OD錠20mg：約149.9円/錠（3割負担の場合：約45円）
※2025年6月18日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問（FAQ）
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか？
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。
Q. いつから効きますか？
効果の発現が非常に速いのが最大の特徴です。個人差はありますが、服用した初日から胃酸の分泌を強力に抑え、胸やけなどの症状は速やかに和らぎます。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫？
タケキャブとアルコールの間に、直接的な相互作用はありません。しかし、アルコールは胃酸の分泌を促し、胃の粘膜を荒らすため、胃潰瘍や逆流性食道炎の治療中は、飲酒自体を控えるのが望ましいです。
Q. 運転してもいいですか？
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。
Q. 従来の胃薬（PPIやH2ブロッカー）との違いは何ですか？
効果の速さ、強さ、安定性が違います。タケキャブ（P-CAB）は、従来のPPI（タケプロン、ネキシウムなど）やH2ブロッカー（ガスターなど）に比べて、より速く、より強力に、そして食事などの影響を受けずに安定して胃酸を抑えることができます。
まとめ
タケキャブは、速く、強く、安定して胃酸の分泌を抑える、P-CABという新しいタイプの強力な胃薬です。
1日1回の服用で済み、食事のタイミングを気にする必要がないため、非常に使いやすいのが特徴です。 つらい逆流性食道炎や胃潰瘍の治療、ピロリ菌の除菌などで中心的な役割を果たします。ただし、飲み合わせに注意が必要な薬もあるため、必ず医師の指示のもとで正しく服用しましょう。
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