
「花粉症の季節、急なくしゃみと鼻水がつらい!」「じんましんで、かゆくて仕事に集中できない。早く効く薬はないかな?」「アレルギーの薬は眠くなるイメージがあるけど…」
こうしたアレルギー症状の悩みを持つ方にとって、比較的速やかに効果が現れるとされるお薬の一つが「タリオン」です。眠気も比較的出にくいように工夫された抗ヒスタミン薬です。
この記事では、アレルギー症状の頼れる味方、タリオンについて、その効果や副作用、正しい飲み方、そして皆さんが気になる疑問点を医師が分かりやすく解説していきます。
アレルギー症状は
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タリオンとは?効果は?
タリオンは、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹(じんましん)、そして湿疹・皮膚炎などに伴う皮膚のかゆみの治療に使われる「抗ヒスタミン薬」の飲み薬です。
アレルギー反応の際に体内で放出される「ヒスタミン」という物質の働きをブロックすることで、つらいアレルギー症状を和らげます。
「ステロイドは入っていますか?」というご質問をよくいただきますが、タリオンにはステロイド成分は一切含まれていません。 非ステロイド性の抗アレルギー薬です。
タリオンには、年齢や飲みやすさに応じていくつかの種類があります。
- 先発医薬品(タリオンⓇ):
- タリオンⓇ錠10mg: 主に成人(7歳以上の小児も使用可)
- タリオンⓇ錠5mg: 主に7歳以上の小児
- タリオンⓇOD錠10mg/5mg: 水なしでも飲める口腔内崩壊錠
- ジェネリック医薬品:
- ベポタスチンベシル酸塩錠10mg/5mg「製薬会社名」
- ベポタスチンベシル酸塩OD錠10mg/5mg「製薬会社名」
- ベポタスチンベシル酸塩DS小児用0.5%「製薬会社名」: ドライシロップ(粉薬)で、主に7歳未満の小児に使われます(体重に応じて調整)。
タリオンの成分
タリオンの主役は、「ベポタスチンベシル酸塩」という成分です。
このベポタスチンは、「第2世代抗ヒスタミン薬」というグループに分類されます。 アレルギー反応が起こると、私たちの体の中では「ヒスタミン」という化学物質が細胞から放出されます。このヒスタミンが、鼻や皮膚などにある特定の“スイッチ”(H1受容体)を押すと、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、じんましんのかゆみや赤みといったアレルギー症状が現れます。
ベポタスチンベシル酸塩は、このヒスタミンが“スイッチ”を押すのを、先回りして邪魔(ブロック)することで、アレルギー症状が現れるのを抑えます。
また、ヒスタミンの作用を抑えるだけでなく、アレルギー反応に関わる他の化学伝達物質(ロイコトリエンなど)の産生や遊離を抑える作用も併せ持つとされており、幅広いアレルギー症状に効果が期待できます。
脳への影響が比較的少なくなるように工夫されているため、従来の抗ヒスタミン薬に比べて眠気の副作用は出にくいとされていますが、個人差があります。
タリオンの効果
ヒスタミンの働きをしっかりブロックすることで、様々なアレルギー症状に効果を発揮します。比較的速やかに効果が現れるのが特徴の一つです。
- アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)を和らげる
- 蕁麻疹(じんましん)の症状(赤み、腫れ、かゆみ)を抑える
- 湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症などに伴う皮膚のかゆみを軽減する
どんなときに使う?(適応疾患)
- アレルギー性鼻炎(花粉症などの季節性、ハウスダストなどによる通年性ともに)
- 蕁麻疹(じんましん)
- 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒(かゆみ)
飲み薬なので、全身のアレルギー症状に効果が期待できます。
タリオンはオンライン診療で出せる?
「毎年花粉症で、眠くならない薬が欲しい」「じんましんが急に出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
タリオンのような抗ヒスタミン薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
タリオンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、既にアレルギー性鼻炎やじんましんと診断されていて、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

タリオンの使い方(用法・用量)
1日2回、朝食後および就寝前に服用します。タリオンは、食事の影響を比較的受けにくいとされています。
年齢や症状によって用量が異なります。必ず医師の指示に従ってください。
- 成人(15歳以上):1回10mg(タリオンⓇ錠10mgなら1錠)を服用します。
- 小児(7歳以上15歳未満):1回10mg(タリオンⓇ錠10mgなら1錠、またはタリオンⓇ錠5mgなら2錠)を服用します。
- 小児(7歳未満):ドライシロップ(ベポタスチンベシル酸塩DS小児用0.5%など)を、通常、ベポタスチンベシル酸塩として1回0.2mg/kg(ドライシロップとして0.04g/kg)を1日2回、用時溶解して経口投与します。年齢や体重に応じて医師が用量を決定します。
タリオンの副作用
タリオンは、副作用が非常に少ないお薬として知られていますが、以下のような症状が現れることがあります。
主な副作用
- 眠気(頻度は個人差が大きく、他の第2世代抗ヒスタミン薬と比較してやや出やすいと感じる方もいます)
- 口の渇き
- 頭痛、頭重感
- 吐き気、胃部不快感、下痢などの消化器症状
- 倦怠感
肝機能障害、黄疸、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少などが報告されていますが、頻度は極めてまれです。
副作用が出たときの対処法
軽い症状であれば、お薬を続けているうちに治まることもあります。
しかし、症状が気になる場合や、生活に支障が出るような場合は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。
タリオンの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)
- 過去にタリオンの成分(ベポタスチンベシル酸塩)でアレルギー症状を起こしたことがある方
使うときに特に注意が必要な方
- 腎臓の機能が中等度以上低下している方(お薬の排泄が遅れる可能性があります)
- 高齢者の方
併用に注意が必要な薬
タリオンは、比較的他のお薬との飲み合わせは問題になりにくいとされていますが、以下のようなものとの併用は注意が必要です。
- 他の中枢神経抑制薬(鎮静薬、安定剤など)
- アルコール →眠気などの副作用を強める可能性があります。
使用上の注意
眠気への注意 | 眠気は出にくいとされていますが、個人差があります。初めて服用する際や、眠気を感じる場合は、自動車の運転など危険な作業は避けましょう。 |
効果がないと感じたら | 自己判断で量を増やしたりせず、医師に相談してください。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、タリオンをはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

タリオンに市販薬はある?値段は?
市販薬
2020年から、医療用と同じ有効成分「ベポタスチンベシル酸塩」を同量配合したスイッチOTC医薬品「タリオンAR」が販売されています。
これは薬局で購入できますが、使用できるのは「花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる鼻のアレルギー症状(鼻みず、鼻づまり、くしゃみ)」で、15歳以上が対象、使用期間の目安も定められています。じんましんや皮膚のかゆみには使えません。
ジェネリック名
ジェネリック医薬品(後発品)として、「ベポタスチンベシル酸塩錠/OD錠/DS「製薬会社名」」が多くの製薬会社から発売されており、薬価がより安価です。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- タリオンⓇ錠10mg(先発品):1錠あたり 約40.8円
(3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約12円) - ベポタスチンベシル酸塩錠10mg「サワイ」(ジェネリックの一例):1錠あたり 約16.0円
(3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約5円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
タリオン錠5mg/タリオン錠10mg/タリオンOD錠5mg/タリオンOD錠10mg
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも飲めますか?
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。安全性が完全に確立されているわけではないため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか?
錠剤(5mg、10mg)は7歳以上が目安ですが、ドライシロップ(DS)は、より低年齢の小児(添付文書上は7歳以上とされていますが、医師の判断で2歳以上から体重換算で処方されることもあります)に対して、年齢や症状に応じて処方されます。
必ず医師の指示に従ってください。市販薬の「タリオンAR」は15歳以上です。
Q. 運転してもいいですか?
タリオンは眠気の副作用が出ることがあります。個人差があるため、初めて服用する場合や、少しでも眠気を感じる場合は、運転などの危険な作業は避けてください。
Q. いつから効きますか?
効果の現れ方には個人差がありますが、通常、服用後30分~1時間程度でアレルギー症状の改善が見られ始めることが多く、比較的効果発現が速いとされています。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
アルコールとタリオンを一緒に飲むと、眠気などの副作用が強く出てしまう可能性があります。服用期間中の飲酒は控えるか、医師に相談するのが望ましいです。
Q. 他の抗ヒスタミン薬(アレグラ、ビラノアなど)との違いは?
いずれも第2世代抗ヒスタミン薬ですが、効果の速さ、眠気の出やすさ、1日の服用回数、食事の影響の有無などが異なります。
タリオンは比較的効果発現が速く、眠気は中程度(個人差あり)、1日2回服用が基本です。医師が患者さんの症状やライフスタイルに合わせて選択します。
まとめ
タリオン(ベポタスチンベシル酸塩)は、つらいアレルギー性鼻炎やじんましん、皮膚のかゆみに対して、比較的速やかに効果を発揮する抗ヒスタミン薬です。 眠気には個人差があるため注意が必要ですが、お子様から大人まで幅広く使われ、ジェネリック医薬品や市販薬(タリオンAR)も利用できるため、治療の選択肢の一つとなります。
効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい飲み方を守り、副作用や注意点について理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
この記事が、タリオンへの正しい理解を深め、皆さんのつらいアレルギー症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。
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