
「おしっこの勢いが弱くなった」「トイレが近くなり、夜中に何度も目が覚める」「排尿後も、まだ残っている感じがする…」
そんな、年齢とともに現れる男性特有の排尿トラブルにお悩みではありませんか? 「タムスロシン」は、前立腺肥大症に伴うこうした症状を改善するために、世界中で広く使われている第一選択薬の一つです。先発医薬品の「ハルナール」という名前でもよく知られています。
この記事では、そんなタムスロシンについて、効果の仕組みや副作用、そしてジェネリック医薬品との関係などを、医師が分かりやすく解説していきます。
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タムスロシンとは?効果は?
タムスロシンは、「選択的α1(アルファワン)遮断薬」という種類に分類される、前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬です。肥大した前立腺や、尿道の筋肉の緊張をゆるめることで、尿の通り道を広げ、おしっこを出しやすくします。
タムスロシンは、先発医薬品の「ハルナール」とそのジェネリック医薬品があり、飲みやすいように剤形も工夫されています。
- タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg / 0.2mg
- タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg / 0.2mg(水なしでも飲める口腔内崩壊錠)
タムスロシンの成分
有効成分は「タムスロシン塩酸塩」です。
男性の尿道は、前立腺という組織に囲まれています。加齢などにより前立腺が肥大すると、尿道が圧迫されて狭くなり、尿が出にくくなります。さらに、前立腺や尿道の筋肉が緊張すると、ますます通り道は狭くなります。
タムスロシンは、この前立腺や尿道の筋肉にある「α1受容体」という、筋肉を緊張させる“スイッチ”を選択的にブロックします。 スイッチがオフになることで、筋肉の緊張が解きほぐされ、圧迫が緩和し、尿の通り道がスムーズに広がるのです。
タムスロシンの効果
尿道を広げることで、様々な排尿トラブルを改善します。
- 尿が出にくい、勢いが弱い(排尿困難)
- トイレが近い(頻尿)
- 排尿後もスッキリしない(残尿感)
- 夜間の頻尿
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害
タムスロシンはオンライン診療で出せる?
「尿が出づらくなってきた」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
タムスロシンのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
タムスロシンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
タムスロシンの使い方(用法・用量)
通常、成人には1回0.2mg(0.2mg錠なら1錠)を、1日1回食後に服用します。食後に飲むことで、副作用のめまいなどが起こりにくくなります。夕食後に服用することが多いです。
年齢や症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
タムスロシンの副作用
主な副作用
- めまい、ふらつき、立ちくらみ:血管を広げる作用もあるため、血圧が下がりやすくなります。
- 射精障害:精液が外に出ず、膀胱内に逆流してしまうことがあります。体に害はありません。
- 鼻づまり
- 胃の不快感、かゆみ
副作用で比較的多いのは、立ちくらみなどのめまいです。
副作用が出たときの対処法
めまいやふらつきがひどい場合は、転倒のリスクがあります。症状が続く場合は、医師や薬剤師に相談してください。
タムスロシンの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にタムスロシンの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 起立性低血圧のある方(立ちくらみを起こしやすい方)
- 肝臓や腎臓に重い障害のある方
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
- 他の降圧薬(血圧を下げる薬)→血圧低下リスク
- PDE5阻害薬(バイアグラ、シアリスなどのED治療薬)→血圧低下リスク
- 一部の抗真菌薬(イトラコナゾールなど)
- CYP3A4強力阻害薬(ケトコナゾール・クラリスロマイシン)→血中濃度↑
- ワルファリン→出血傾向の報告わずかにあり、INRモニター推奨
使用上の注意
急に立ち上がらない | 服用中は、めまいや立ちくらみが起こりやすいです。特に、寝た状態や座った状態から急に立ち上がる動作は、ゆっくりと行うようにしましょう。 |
服用中は運転・危険作業に注意 | めまいやふらつきにより、事故につながる可能性があります。特に飲み始めは、自動車の運転や高所作業などには十分注意してください。 |
水分をとり便秘を予防する | 排便時に強くいきむと、血圧が変動して失神(意識を失うこと)するリスクがあります。便秘にならないよう、普段から水分をしっかり摂ることを心がけましょう。 |
目の手術を受ける際は必ず申告する | 白内障などの目の手術を受ける予定がある場合は、必ず事前に眼科医にタムスロシンを服用していることを伝えてください。「術中虹彩緊張低下症候群」という合併症のリスクに関わるため、非常に重要な情報です。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、タムスロシンをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

タムスロシンに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月20日現在、タムスロシンに市販薬はありません。医師の処方が必要な医療用医薬品です。
ジェネリック
この記事で解説している「タムスロシン塩酸塩」そのものが、ハルナールのジェネリック医薬品です。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ハルナールD錠0.2mg(先発品):約25.3円/錠(3割負担の場合:約8円)
- タムスロシン塩酸塩OD錠0.2mg(ジェネリック):約18.5円/錠(3割負担の場合:約5円)
※2025年6月20日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
タムスロシン塩酸塩カプセル0.1mg「NIG」/タムスロシン塩酸塩カプセル0.2mg「NIG」
タムスロシン塩酸塩OD錠0.1mg「日医工」/タムスロシン塩酸塩OD錠0.2mg「日医工」
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
この薬は男性にのみ適応があるため、女性が服用することはありません。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、使えません。 この薬は、男性の成人における前立腺肥大症に伴う症状のための薬であり、小児には使用しません。
Q. いつから効きますか?
効果の発現は比較的速いのが特徴です。個人差はありますが、服用開始から数日〜1週間程度で、尿の出が良くなるなどの効果を感じられることが多いです。
Q. 運転してもいいですか?
注意が必要です。 めまいや立ちくらみの副作用があるため、特に服用を始めたばかりの頃は、車の運転や高所作業などの危険な作業は慎重に行うべきです。
Q. この薬は、前立腺を小さくするのですか?
いいえ、小さくはなりません。 タムスロシンは、あくまで前立腺や尿道の筋肉の緊張をゆるめて「尿の通り道」を広げる薬です。前立腺肥大そのものを治したり、前立腺を小さくしたりする効果はありません。
まとめ
タムスロシン(ハルナール)は、前立腺や尿道の筋肉をリラックスさせることで、前立腺肥大症に伴う、つらい排尿トラブルを改善する、治療の第一選択薬です。
1日1回、食後の服用で、比較的速やかに効果が期待できます。 ただし、前立腺そのものを小さくする薬ではなく、立ちくらみなどの副作用に注意が必要です。特徴を正しく理解し、医師の指示のもとで安全に服用しましょう。
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