
「健康診断で血糖値を指摘され、トラゼンタという薬が始まった」「新しいタイプの糖尿病の薬と聞いたけど、どんな効果があるの?」
トラゼンタは、2型糖尿病の治療に広く使われているお薬です。血糖値に応じて、インスリンの分泌を促すという、体本来の仕組みを利用したスマートな働き方をします。
この記事では、そんなトラゼンタについて、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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トラゼンタとは?効果は?
トラゼンタは、「DPP-4阻害薬」という種類に分類される、2型糖尿病の治療薬です。食事を摂った際の、自然なインスリン分泌を助けることで、血糖値をコントロールします。単独では低血糖を起こしにくいのが大きな特徴です。
医療用として処方されるトラゼンタは、「トラゼンタ錠5mg」の1種類です。
トラゼンタの成分
有効成分は「リナグリプチン」です。
この薬の働きを理解するには、「インクレチン」というホルモンが鍵となります。
- 食事を摂ると、腸から「インクレチン」というホルモンが分泌されます。
- インクレチンは、すい臓に働きかけ、「血糖値が上がるから、インスリンを出す準備をして!」と指令を出します。
- しかし、インクレチンは「DPP-4」という酵素によって、すぐに分解されてしまいます。
- トラゼンタは、このDPP-4の働きをブロックします。
- その結果、インクレチンの寿命が延び、インスリンが分泌されやすくなり、食後の血糖値の上昇が穏やかになります。
このように、血糖値が高い時だけ、インスリンを出しやすくするため、単独使用では低血糖のリスクが非常に低い、安全性の高いお薬です。
トラゼンタの効果
食後のインスリン分泌を促し、血糖値をコントロールします。
- 食後の血糖値の上昇を抑える
- 空腹時血糖値を下げる
- ヘモグロビンA1c(HbA1c)の値を改善する
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 2型糖尿病
※ただし、食事療法・運動療法を十分に行った上で、効果が不十分な場合に適用となります。
トラゼンタはオンライン診療で出せる?
「血糖値が高くて薬が必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
トラゼンタのような血糖値のお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
トラゼンタに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
トラゼンタの使い方(用法・用量)
通常、成人には1回5mg(1錠)を、1日1回服用します。1日1回の服用で効果が持続します。
食事の影響を受けにくいため、朝・昼・夕いつでも服用できますが、飲み忘れを防ぐために毎日決まった時間に飲むのが良いでしょう。
トラゼンタの副作用
副作用は比較的少なく、安全性の高いお薬として知られています。
主な副作用
- 便秘、お腹の張り、鼓腸(おならが増える)
- 空腹感
- 発疹、かゆみ
単独使用ではまれですが、他の糖尿病薬(特にSU薬やインスリン)と併用すると、低血糖のリスクが高まります。
頻度はまれですが、急性すい炎や腸閉塞も報告されています。激しい腹痛や便秘、お腹の張り、背中の痛み、嘔吐などが現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。
副作用が出たときの対処法
低血糖症状(冷や汗、動悸、手の震えなど)が出た場合は、すぐにブドウ糖や糖分を含むジュースなどを摂取してください。その他の気になる症状が出た場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
トラゼンタの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にトラゼンタの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の方(禁忌)
- 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方(禁忌)
- 腸閉塞や急性すい炎になったことがある方
- 腎機能障害、肝機能障害のある方
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
- 他の糖尿病薬(特にSU薬やインスリン)を使っている方→低血糖リスクUP
- リファンピシン→血中濃度DOWN
- シクロスポリン→血中濃度UP
使用上の注意
シックデイ(体調の悪い日)
発熱、下痢、嘔吐などで食事ができない日は、脱水を起こしやすく乳酸アシドーシスのリスクが高まります。そのような場合は、自己判断で服用せず、必ず主治医にどうすべきか確認してください。
低血糖が起きた時の対処法
メトホルミン単独では低血糖は起こしにくいですが、他の糖尿病薬との併用時や、食事を抜いた時などに、冷や汗、動悸、強い空腹感、手の震えなどの低血糖症状が現れることがあります。その場合は、すぐに以下の対応をとってください。
- すぐにブドウ糖を摂取する: 通常、ブドウ糖を10g程度摂取します。医師からブドウ糖を処方されている場合は、必ず持ち歩くようにしましょう。
- 砂糖や糖分を含む飲料でも代用可能: ブドウ糖がない場合は、砂糖を10〜20g摂るか、糖分を含むジュースや清涼飲料水などで代用します。
※チョコレートやアイスクリームなど、脂肪分が多いお菓子は、糖の吸収が遅れるため、すぐに対応する必要がある低血糖の処置には向いていません。 - 意識が朦朧とする場合: もし意識がはっきりしない、朦朧とするなどの重い症状が出た場合は、周りの人が無理に口に物を入れたりせず、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
ジェネリック
2025年6月現在、トラゼンタのジェネリック医薬品(後発品)は日本では販売されていません。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- トラゼンタ錠5mg(先発品):約118.9円/錠(3割負担の場合:約36円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。
Q. いつから効きますか?
血糖値を下げる効果は飲み始めてから現れますが、ヘモグロビンA1cなど、治療効果の指標が安定して改善したと判断するには、数週間〜2ヶ月程度かかることがあります。毎日続けることが大切な維持薬です。
Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
糖尿病の治療中は、原則として飲酒は控えるか、ごく少量にすることが強く推奨されます。 トラゼンタとアルコール自体に直接的な相互作用はありませんが、アルコールは食事を摂らずに飲むと低血糖を引き起こす危険性があります。
Q. 運転してもいいですか?
はい、問題ありません。眠気を催す成分は入っていません。ただし、他の薬との併用で低血糖が起こると危険ですので、その点は注意が必要です。
Q. 糖尿病の最初の薬「メトホルミン」との違いは何ですか?
作用の仕方が違います。 メトホルミンが主に「肝臓で糖が作られるのを抑える」のに対し、トラゼンタは食事の刺激に応じて「インスリンを出しやすくする」のが主な働きです。どちらも低血糖を起こしにくい安全な薬として、単独で使われたり、併用されたりします。
Q. なぜ腎臓が悪い人にも使いやすいのですか?
他の多くのDPP-4阻害薬が主に腎臓から排泄されるのに対し、トラゼンタの成分(リナグリプチン)は主に便として排泄されます。そのため、腎機能が低下している方でも薬が体内に溜まりにくく、用量調整なしで使えるのが大きなメリットです。
まとめ
トラゼンタは、1日1回の服用で、食事に反応して自然なインスリン分泌を促す、新しいタイプの2型糖尿病治療薬(DPP-4阻害薬)です。
単独では低血糖を起こしにくく、また腎機能が低下した方でも使いやすいという、多くのメリットがあります。 効果をしっかり得るために、毎日忘れずに服用を続けることが大切です。
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