
「かかとがガチガチに硬くて、まるで鏡餅みたい…」 「ひじやひざの黒ずみとガサガサが、どうしても気になる…」 「肌が乾燥して、粉をふいたようにカサカサ…これってサメ肌?」
こうした、お肌のゴワつきや乾燥、特に角質が厚く硬くなってしまった悩みに、皮膚科で処方されたり、ドラッグストアで見かけたりする代表的なお薬が「尿素クリーム」です。
この記事では、硬くなった角質を柔らかくし、お肌にしっとりうるおいを与える尿素クリームについて、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。
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尿素クリームとは?効果は?
尿素クリームは、皮膚の乾燥によるカサカサや、角質が厚く硬くなってしまった状態(角化症)の治療に使われる「角質軟化保湿剤」です。
硬くなった角質を柔らかくし、皮膚に水分をしっかり抱え込ませることで、お肌をしっとりなめらかな状態へと導きます。
医療機関で処方される尿素クリームには、主に尿素の濃度が異なる2つのタイプがあります。
- 尿素10%配合クリーム: (例:ウレパールクリーム10%、パスタロンクリーム10%など) 比較的マイルドな作用で、広範囲の乾燥や、顔以外の比較的デリケートな部分にも使いやすいです。
- 尿素20%配合クリーム: (例:ケラチナミンコーワクリーム20%、パスタロンクリーム20%など) より角質軟化作用が強く、かかとやひじ・ひざなど、特に角質が厚く硬くなった部分に適しています。
その他、ローションタイプや軟膏タイプも存在します。医師が肌の状態や部位に合わせて適切な濃度や剤形を選択します。
尿素クリームの成分
尿素クリームの主役は、その名の通り「尿素」という成分です。 この尿素は、私たちの体の中にもともと存在する天然保湿因子(NMF)の一つでもあり、皮膚に対して主に2つの大切な働きをします。
①角質溶解・剥離作用
皮膚の一番外側にある「角質層」が厚く硬くなっていると、肌はゴワゴワ、ガサガサしてしまいます。尿素は、この硬くなった角質細胞同士の結合を弱めたり、異常に厚くなった角質を溶かしたりして、皮膚を柔らかく、なめらかにする働きがあります。
②水分保持作用
尿素自体が水分を強く引き寄せて、角質層の中に水分をしっかりと抱え込む性質があります。これにより、皮膚の水分量を高め、うるおいを与える効果があります。
尿素クリームの効果
- 硬くなった角質(かかと、ひじ、ひざなど)を柔らかくする
- 皮膚の乾燥を防ぎ、うるおいを与える
- ガサガサ、ひび割れ、さめ肌(魚鱗癬など)の症状を改善する
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 進行性指掌角皮症(主婦湿疹の乾燥型など)、老人性乾皮症、アトピー皮膚
- 掌蹠角化症(手のひらや足の裏の角質が厚くなる病気)、足蹠部皸裂性皮膚炎(かかとのひび割れなど)
- 魚鱗癬(ぎょりんせん:皮膚が乾燥して魚のうろこのように見える病気)
- 毛孔性苔癬(もうこうせいたいせん:二の腕や太ももなどにできる、ザラザラした小さなブツブツ)
特に、かかと、ひじ、ひざ、手のひらなど、角質が厚く硬くなりやすい部位のケアに適しています。
尿素クリームはオンライン診療で出せる?
「かかとのガサガサケアに、尿素クリームを継続して使いたい」「乾燥肌がひどくて、保湿剤を処方してほしい」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
尿素クリームのような保湿・角質軟化剤も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
尿素クリームに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に慢性的な皮膚疾患で継続的なケアが必要な方にとっては、通院の負担を大きく減らすことができます。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
尿素クリームの使い方(用法・用量)
通常、1日数回、適量を患部に塗布します。
清潔な手で、乾燥やゴワつきが気になる部分に、優しく擦り込むように塗り広げます。お風呂上がりなど、皮膚が清潔で、角質が水分を含んで柔らかくなっている時に塗ると、より効果的です。

かかとなど特に角質が硬い部分には、塗った後にラップで覆って浸透を高める「密封療法(ODT)」を行うこともありますが、自己判断で行わず、必ず医師の指示に従ってください。
尿素クリームの副作用
副作用
- ピリピリ、ヒリヒリとした刺激感
- 熱感
- かゆみ
- 赤み、発赤
- 湿疹化(かぶれ)
これらの症状は、尿素の角質を柔らかくする作用や、皮膚への浸透を助ける性質によるものです。
副作用が出たときの対処法
刺激感が我慢できない場合や、赤みやかゆみがひどくなる場合は、無理せず使用を中止し、処方した医師や薬剤師に相談してください。
炎症が強い部分への使用は避けるか、ごく少量から試すなどの工夫が必要です。
尿素クリームの注意事項・禁忌
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)
- 炎症、亀裂(深いひび割れ)、ただれのひどい部位
- ジュクジュクした傷口、化膿している部位
- 目や目の周り、唇などの粘膜
これらの部位に使用すると、強い刺激を感じたり、症状を悪化させたりする可能性があります。
使うときに特に注意が必要な方
- 過去に尿素製剤でアレルギー症状(かぶれなど)を起こしたことがある方
- 皮膚が非常に敏感な方
併用に注意が必要な薬
塗り薬なので、飲み薬との間で特に問題となる飲み合わせは、基本的にありません。
使用上の注意
保管方法
- 直射日光・高温を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
使い忘れたら?
気づいた時点で塗ってください。
1日数回塗るお薬なので、それほど神経質になる必要はありません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、尿素クリームの処方や肌トラブルの治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

尿素クリームに市販薬はある?値段は?
市販薬
有効成分「尿素」を10%や20%配合した市販のクリームやローションが、様々な製薬会社から販売されています。(例:「ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム」「尿素10%クリーム」など)
医療用と同じ濃度のものも多く、手軽に入手できます。
ジェネリック名
尿素クリーム自体がジェネリックに当たります。
先発品は、「ウレパール」「ケラチナミンコーワ」などの名前で販売されています。
薬価
- 尿素クリーム20%「日医工」(ジェネリック/25gチューブ):1本あたり 約46.5円
(3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約14円) - ケラチナミンコーワクリーム20%(先発品/25gチューブ):1本あたり 約100.8円
(3割負担の場合、自己負担額は1本あたり約30円)
※2025年5月28日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使えますか?
はい、比較的安全に使用できると考えられており、医師の指示のもとで使われます。
Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか?
低濃度のもの(尿素10%など)であれば、お子様の乾燥肌やさめ肌のケアに使われることがあります。ただし、皮膚が薄く敏感なので、刺激感が出やすい場合があります。必ず医師に相談し、少量から試すようにしましょう。
Q.顔に塗っても大丈夫ですか?
顔は皮膚が薄くデリケートなため、特に尿素20%などの高濃度のものは、刺激を感じやすく、赤みやかぶれを起こすことがあります。医師の指示がない限り、顔への使用は避けるか、ごく一部に慎重に使用するのが望ましいです。
Q. ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)との違いは何ですか?
ヘパリン類似物質は、主に「保湿」と「血行促進」が目的です。一方、尿素クリームは、「保湿」に加えて「角質を柔らかくする(角質溶解)」作用が強いのが特徴です。そのため、ゴワゴワ・ガサガサした硬い皮膚には尿素クリーム、一般的な乾燥肌や血行不良にはヘパリン類似物質、といった使い分けがされます。
Q. いつから効きますか?
保湿効果は塗って比較的すぐに感じられます。角質を柔らかくする効果は、数日~数週間の継続使用で徐々に実感できるようになることが多いです。
Q.塗るとピリピリするのはなぜですか?
尿素の性質によるものや、塗った場所に細かい傷や炎症があるためです。特に乾燥がひどい部分や、ひび割れがあるとしみやすいです。我慢できないほどの刺激がある場合は、使用を中止して医師に相談しましょう。
まとめ
尿素クリームは、かかとやひじ・ひざのガサガサ、手のゴワつき、さめ肌など、硬くなった角質を柔らかくし、皮膚にうるおいを与える、頼りになる塗り薬です。 市販薬も多く手に入りやすいですが、刺激感が出やすかったり、炎症の強い部分には使えなかったりといった注意点もあります。
大切なのは、自分の肌の状態を正しく理解し、必要に応じて医師の診断を受け、適切な使い方をすることです。症状が改善しない場合は、自己判断を続けずに皮膚科医に相談しましょう。
この記事が、尿素クリームへの理解を深め、皆さんの健やかな肌作りのお役に立てれば幸いです。
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