
「トイレが近くて、何度も夜中に目が覚める」「急に強い尿意がきて、間に合わないことがある」
そんな、頻尿や尿意切迫感、尿漏れといった、過活動膀胱(OAB)のつらい症状にお悩みではありませんか? 「ベシケア」は、膀胱の異常な収縮を抑えることで、これらの症状を改善する、代表的な治療薬の一つです。
この記事では、そんなベシケアについて、効果の仕組みや副作用、そして新しいタイプの薬との違いなどを、医師が分かりやすく解説していきます。
頻尿・尿漏れのお悩みは
ウチカラクリニックのオンライン診療で!

- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:09:00-22:00

診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
泌尿器科のオンライン診療
INDEX
ベシケアとは?効果は?
ベシケアは、「抗コリン薬」という種類に分類される、過活動膀胱(OAB)の治療薬です。膀胱が勝手に収縮しようとするのを抑え、尿を溜める機能をサポートすることで、頻尿や尿意切迫感を改善します。
ベシケアには、有効成分の量が異なる錠剤と、水なしでも飲めるOD錠があります。
- ベシケア錠2.5mg / 5mg
- ベシケアOD錠2.5mg / 5mg
ベシケアの成分
有効成分は「コハク酸ソリフェナシン」です。 過活動膀胱では、膀胱の筋肉(排尿筋)が、まだ尿が十分に溜まっていないのに、勝手に収縮しようとしてしまいます。この異常な収縮の命令を伝えているのが、「アセチルコリン」という神経伝達物質です。
ベシケアの有効成分ソリフェナシンは、膀胱の筋肉にあるアセチルコリンの“受け皿”(ムスカリン受容体)を選択的にブロックします。
命令が伝わらなくなることで、膀胱の異常な収縮が抑えられ、リラックスした状態になります。その結果、尿を溜められる量が増え、急な強い尿意や頻尿が改善されるのです。
ベシケアの効果
膀胱の過敏な働きを抑えることで、過活動膀胱の様々な症状を改善します。
- 頻尿(トイレの回数が多い)
- 尿意切迫感(急に我慢できない尿意が起こる)
- 切迫性尿失禁(トイレまで間に合わずに漏れてしまう)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁
ベシケアはオンライン診療で出せる?
「頻尿でトイレが近い」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
ベシケアのようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
ベシケアに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
ベシケアの使い方(用法・用量)
通常、成人には1回5mgを、1日1回食後に服用します。1日1回の服用で効果が持続します。
年齢や症状、副作用の出方により、1回2.5mgから開始したり、10mgまで増量したりすることがあります。必ず医師の指示通りに使用してください。
ベシケアの副作用
副作用は比較的少ないですが、以下のような症状が現れることがあります。
主な副作用
- 口の渇き(口渇):最もよく見られる副作用です。
- 便秘:これも、よく見られる副作用です。
- 目のかすみ、しょぼしょぼ感
- 眠気、めまい
- 吐き気などの胃腸症状
- 尿閉:尿を出そうとしても出せなくなる状態です。頻度はまれです。
- 急性緑内障発作:目の痛み、頭痛、視力低下などが急に現れます。
効果の裏返しとして、「抗コリン作用」と呼ばれる特有の副作用が出やすいのが特徴です。
副作用が出たときの対処法
口の渇きや便秘は、この薬の性質上、ある程度は仕方ない面もあります。こまめな水分補給や、食事の工夫などで対処しますが、症状がひどい場合は、我慢せずに医師や薬剤師に相談してください。
ベシケアの注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 尿閉のある方(尿が全く出せない方)(禁忌)
- 閉塞隅角緑内障の方(禁忌)
- 胃アトニーや腸閉塞など、胃腸の動きが極端に悪い方(禁忌)
- 重症筋無力症の方(禁忌)
- 過去にベシケアの成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 重篤な心疾患、重度の肝機能障害(禁忌)
- 排尿困難の症状がある方(特に前立腺肥大症など)
- 肝臓や腎臓に障害のある方
- ご高齢の方
併用に注意が必要な薬
- ケトコナゾール・リトナビル等CYP3A4強力阻害薬→血中濃度↑
- 他の抗コリン薬(オキシブチニンなど)→口渇・便秘増悪
- QT延長を起こす薬(アミオダロン等)→不整脈リスク
使用上の注意
刺激物を控える | カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶など)、アルコール、香辛料の摂り過ぎは、膀胱を刺激し、頻尿や尿意切迫感を悪化させることがあります。 |
水分の摂り方を工夫する | 一度にがぶ飲みせず、こまめに水分を摂りましょう。特に、就寝前の大量の水分摂取は、夜間の頻尿の原因になるため避けるのが賢明です。 |
骨盤底筋体操などを併用する | 尿道を締める役割を持つ骨盤底筋を鍛える体操は、尿漏れの改善に非常に効果的です。お薬と行動療法を併用することで、より高い効果が期待できます。 |
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ベシケアをはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ベシケアに市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月20日現在、ベシケアに市販薬はありません。医師の処方が必要な医療用医薬品です。
ジェネリック
はい、ジェネリック医薬品(後発品)があります。
「ソリフェナシンコハク酸塩錠「製薬会社名」」という名称で発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ベシケア錠5mg(先発品):約129.5円/錠(3割負担の場合:約39円)
- ソリフェナシンコハク酸塩錠5mg「サワイ」(ジェネリック):約43.3円/錠(3割負担の場合:約13円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。
Q. いつから効きますか?
この薬は、膀胱の状態を徐々に改善していくお薬です。即効性はありません。個人差はありますが、効果を実感するには、少なくとも1〜2週間程度、毎日きちんと飲み続ける必要があります。
Q. 運転してもいいですか?
いいえ、避けてください。 目のかすみや眠気が出ることがあり、添付文書でも自動車の運転など危険な作業には従事しないよう注意喚起されています。
Q. 抗コリン作用(口の渇きや便秘)には、どう対処すればいいですか?
口の渇きには、こまめな水分補給、うがい、シュガーレスの飴やガムなどが有効です。便秘には、食物繊維や水分を多く摂る、適度な運動をするといった生活習慣の改善や、便秘薬の併用を医師と相談します。
Q. 新しい薬「ベタニス(β3作動薬)」との違いは何ですか?
作用の仕組みと、副作用の種類が違います。ベシケア(抗コリン薬)が「膀胱の異常な収縮を抑える」のに対し、ベタニスは「膀胱をリラックスさせて尿を溜めやすく」します。
ベシケアの代表的な副作用である「口の渇き」「便秘」が、ベタニスでは起こりにくいのが最大の違いです。一方で、ベタニスは血圧に影響する可能性があります。
まとめ
ベシケアは、膀胱の過剰な働きを抑えることで、頻尿や尿意切迫感といった過活動膀胱の症状を改善する、標準的な治療薬です。
効果がしっかりしている反面、「口の渇き」や「便秘」といった副作用が出やすいのが特徴です。また、服用中は運転を避ける必要があります。 最近では、副作用の少ないベタニスという選択肢も出てきていますので、副作用がつらい場合は我慢せず、医師とよく相談して、ご自身に合った治療法を見つけましょう。
頻尿・尿漏れのお悩みは
ウチカラクリニックのオンライン診療で!

- 夜間・土日も診療
- 全国から自宅で受診可能
- 診療時間:09:00-22:00

診察相談する 24時間
受付
※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。
泌尿器科のオンライン診療