ジルムロ配合錠HD/LDの効果・副作用を医師が解説

ジルムロ

「健康診断で血圧が高いと言われ、ジルムロという薬が始まった」「1種類の薬では、血圧が十分に下がらなかった」

そんな高血圧症の治療で、処方されるお薬の一つが「ジルムロ配合錠」です。 これは、作用の仕組みが異なる2種類の血圧を下げる成分を、1錠にまとめた「配合錠」で、より強力で安定した降圧効果が期待できます。

この記事では、そんなジルムロ配合錠について、効果の仕組みや副作用、そして安全な使い方を、医師が分かりやすく解説していきます。

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ジルムロ配合錠とは?効果・効能は?

ジルムロ配合錠は、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)カルシウム拮抗薬(CCB)という、2種類の降圧薬を組み合わせたお薬です。1錠で、異なる2つのアプローチから血圧を下げることができます。

ジルムロには、2つの成分の配合比率が異なる、いくつかの種類があります。

  • ジルムロ配合錠LD:(イルベサルタン100mg / アムロジピン5mg)
  • ジルムロ配合錠HD:(イルベサルタン100mg / アムロジピン10mg)
    ※LD=Light Dose, HD=High Dose

それぞれ水なしで飲めるOD錠も存在しています。

ジルムロ配合錠の成分

ジルムロ配合錠は、以下の2つの有効成分で構成されています。

イルベサルタン(ARB)
体内には、血圧を上げる「アンジオテンシンⅡ」というホルモンがあります。イルベサルタンは、このホルモンが血管にある“スイッチ”を押すのをブロックします。これにより、血管が広がり、血圧が下がります。

アムロジピン(カルシウム拮抗薬)
血管の筋肉は、「カルシウムイオン」が細胞内に入ることで収縮します。アムロジピンは、このカルシウムイオンの通り道をブロックします。これにより、血管の筋肉がゆるみ、血管が広がって血圧が下がります。

このように、異なる2つの仕組みで血管を広げるため、単剤よりも強力で確実な降圧効果が期待できます。

ジルムロ配合錠効果

血圧を安定して下げることで、高血圧による将来的な心臓病や脳卒中のリスクを低減します。

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 高血圧症

※最初からこの薬が使われることはなく、原則として、どちらかの成分を含む単剤で効果が不十分な場合に、切り替えまたは追加で使われます。

ジルムロ配合錠はオンライン診療で出せる?

「高血圧で薬が必要」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ジルムロ配合錠のようなお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ジルムロ配合錠に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ジルムロ配合錠の使い方(用法・用量

通常、成人は1日1回1錠服用します。1日1回の服用で効果が持続します。

高血圧の度合いに合わせLD/HDが使い分けられます。

食事の影響は受けにくいですが、飲み忘れを防ぐため、毎日決まった時間に飲むのが良いでしょう。

ジルムロ配合錠の副作用

主な副作用

  • めまい、ふらつき、立ちくらみ
  • 頭痛
  • ほてり、動悸
  • むくみ(特に足首など)
  • 血管浮腫:顔、唇、舌、のどなどが急に腫れるアレルギー症状(頻度は稀)
  • 肝機能障害、高カリウム血症(頻度は稀)

副作用は比較的少ないですが、血圧が下がりすぎることによる症状などに注意が必要です。

副作用が出たときの対処法

めまいやふらつきがひどい場合は、転倒のリスクがあります。症状が続く場合は、医師や薬剤師に相談してください。

ジルムロ配合錠の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 本剤の成分あるいは他のジヒドロピリジン系化合物でアレルギー症状を起こしたことがある方 (禁忌)
  • 妊婦または妊娠している可能性のある女性(禁忌)
  • 肝臓や腎臓に重い障害のある方
  • 高齢者の方

併用に注意が必要な薬

  • アリスキレン(血圧の薬)を服用中の糖尿病患者(禁忌)
    ※ただし、他の降圧治療を行っても血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く
  • 他の降圧薬、利尿薬:血圧が下がりすぎることがあります。
  • カリウム保持性利尿薬、カリウム製剤:血中のカリウム濃度が上がりすぎる可能性
  • 一部の抗真菌薬(イトラコナゾールなど)や抗生物質(クラリスロマイシンなど)
  • グレープフルーツジュース:アムロジピンの作用を強め、血圧が下がりすぎる可能性
 

使用上の注意

自己判断で中止しない血圧が正常に保たれていても、それは薬の効果によるものです。自己判断で服用をやめると、血圧が急にリバウンドする危険性があります。
血圧測定の習慣を毎日、家庭で血圧を測定し、記録することは、治療効果の確認と副作用の早期発見のために非常に重要です。
急な立ち上がりをゆっくり、脱水を避ける血圧が下がることで、急に立ち上がった際にめまいや立ちくらみが起こることがあります。動作はゆっくり行いましょう。また、脱水は血圧の過度な低下につながるため、こまめな水分補給を心がけてください。
塩分制限と運動で薬の効き目を後押し1日6g未満の減塩や、ウォーキングなどの適度な運動は、血圧を下げる上で非常に効果的です。薬だけに頼るのではなく、生活習慣を一緒に見直すことで、より良い血圧コントロールを目指せます。
歯磨きと定期的な歯科受診で歯肉肥厚を予防成分のアムロジピンの副作用として、まれに歯肉肥厚(歯ぐきが腫れること)が報告されています。予防のために、毎日の丁寧な歯磨きと、定期的な歯科健診を心がけることが大切です。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、忘れた分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、1回分をとばしましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ジルムロ配合錠をはじめとしたお薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ジルムロ配合錠に市販薬はある?値段は?

市販薬

2025年6月現在、ジルムロ配合錠と同じ成分の市販薬は販売されていません。

必ず医師の処方が必要なお薬です。

ジェネリック

2025年6月現在、ジルムロ配合錠のジェネリックは販売されていません。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ジルムロ配合錠LD(先発品):約26.9円/錠(3割負担の場合:約8円)
  • ジルムロ配合錠HD(先発品):約27.7円/錠(3割負担の場合:約8円)

※2025年6月25日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ジルムロ配合錠LD/HD/OD錠LD/HD「サワイ」

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
妊婦または妊娠している可能性のある方は、この薬を服用することができません(禁忌) 授乳中の方も、原則として服用を避けるべきとされています。

Q. 子供でも使えますか?
いいえ、小児に対する安全性は確立されていません。 そのため、原則として成人のみに処方されます。

Q. いつから効きますか?
服用開始から1〜2週間で血圧を下げる効果が現れ始め、およそ4週間で安定した効果が得られます。すぐに効果が出るわけではないため、毎日続けることが大切です。

Q. 血圧が正常になったら、やめてもいいですか?
いいえ、絶対に自己判断でやめないでください。 高血圧は、自覚症状がないまま進行する生活習慣病です。薬で血圧が安定しているだけなので、やめればまた血圧は上がってしまいます。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫?
治療中の飲酒は、控えることが強く推奨されます。 ジルムロもアルコールも、どちらも血管を広げて血圧を下げる作用があります。そのため、一緒に飲むと作用が強まりすぎて、急激な血圧低下を招く恐れがあります。

Q. 運転してもいいですか?
注意が必要です。 めまいやふらつきの副作用があるため、特に服用を始めたばかりの頃は、車の運転や高所作業などの危険な作業は慎重に行うべきです。

Q. なぜ2種類も混ぜる必要があるのですか?
1種類の薬だけでは血圧が十分に下がらない場合に、異なる仕組みで作用する薬を組み合わせることで、より強力な降圧効果を得るためです。また、1錠にまとめることで、飲み忘れを防ぎ、飲みやすくなるというメリットもあります。

Q. 「イルアミクス」との違いは何ですか?
有効成分、効果、安全性に違いはありません。 イルアミクスとジルムロは、く同じ成分の薬を、異なる製薬会社が別の名前で販売しているものです。どちらを処方されても、中身は同じお薬です。

まとめ

ジルムロ配合錠は、作用の異なる2つの成分を組み合わせることで、高血圧を強力に、そして安定してコントロールするお薬です。

1日1回の服用で済むため、治療を続けやすいのが大きなメリットです。 高血圧の治療は、毎日欠かさず薬を飲み続けることが、将来の心臓病や脳卒中を防ぐために何よりも大切です。自己判断で中断せず、医師の指示のもとで治療を続けましょう。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。