ジルテックの効果・副作用を医師が解説!【ドライシロップもある?市販薬は?】

ジルテック

「昔からあるアレルギーの薬だよね?」「ジルテックって、ザイザルとどう違うの?」 つらい花粉症やじんましんの治療で、「ジルテック」という名前を聞いたことがある方は多いかもしれません。長く使われてきた実績のある、信頼できるお薬の一つです。

この記事では、アレルギー治療の定番薬「ジルテック」について、その効果や気になる副作用、後発薬であるザイザルとの関係などを、医師が分かりやすく解説していきます!

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※医師の判断で希望のお薬が処方できない場合があります。

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ジルテックは、アレルギー性鼻炎や蕁麻疹(じんましん)、皮膚のかゆみなどの治療に使われる「抗ヒスタミン薬」の飲み薬です。アレルギー反応の主役である「ヒスタミン」の働きを強力にブロックすることで、つらいアレルギー症状を和らげます。

ジルテックには、年齢や飲みやすさに応じていくつかの種類があります。

  • ジルテック錠10:主に成人(7歳以上の小児も使用可)
  • ジルテック錠5:主に小児用
  • ジルテックドライシロップ1.25%:主に2歳以上の小児に使われる粉薬

ジルテックの成分

ジルテックの主役は、セチリジン塩酸塩という成分です。 これは「第2世代抗ヒスタミン薬」に分類され、ヒスタミンが作用する“スイッチ”をしっかりとブロックすることで、優れたアレルギー抑制効果を発揮します。

ちなみに、最近よく使われる「ザイザル」という薬は、このジルテックの成分(セチリジン)をさらに改良して作られた後継薬です。ジルテックの成分の中から、特に効果を発揮する部分だけを効率よく取り出したのがザイザル、とイメージすると分かりやすいでしょう。

ジルテックの効果

しっかりとした効果で、様々のアレルギー症状を抑えます。

  • アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)を和らげる
  • じんましんの症状(赤み、腫れ、かゆみ)を抑える
  • 湿疹・皮膚炎などに伴う皮膚のかゆみを軽減する

どんなときに使う?(適応疾患)

  • アレルギー性鼻炎(花粉症などの季節性、ハウスダストなどによる通年性ともに)
  • 蕁麻疹(じんましん)
  • 皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、アトピー性皮膚炎)に伴うそう痒(かゆみ)

飲み薬なので、全身のアレルギー症状に効果が期待できます。

ジルテックはオンライン診療で出せる?

「毎年花粉症で、眠くならない薬が欲しい」「じんましんが急に出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

ジルテックのような抗ヒスタミン薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
ジルテックに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、既にアレルギー性鼻炎やじんましんと診断されていて、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

ジルテックの使い方(用法・用量

1日1回就寝前に服用します。眠気の副作用を考慮するため、このタイミングでの服用が推奨されます。

  • 成人(15歳以上):通常、1回10mg(ジルテック錠10なら1錠)を1日1回服用します。
  • 小児(7歳以上15歳未満):1回10mg(ジルテック錠10なら1錠)を1日1回服用します。
  • 小児(2歳以上7歳未満):1回2.5mg(ジルテック錠5なら半分)を1日2回(朝食後および就寝前)に服用します。またはドライシロップを医師の指示通りに服用します。

ジルテックの副作用

主な副作用

効果がしっかりしている分、副作用、特に眠気には注意が必要です。

  • 眠気(最も注意すべき副作用です。臨床試験では成人の約6%に認められています)
  • 倦怠感、だるさ
  • 口の渇き
  • 頭痛
  • 吐き気、嘔吐、食欲不振などの消化器症状

肝機能障害や血小板減少なども報告されていますが、頻度は極めてまれです。

副作用が出たときの対処法

特に眠気やだるさを強く感じる場合は、無理をせず、処方した医師や薬剤師に相談してください。自己判断で服用を中止するのはやめましょう。

ジルテックの注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

  • 過去にジルテックの成分(セチリジン塩酸塩)や、ピペラジン誘導体でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
  • 重度の腎障害のある方(禁忌)
  • 腎臓や肝臓の機能に障害のある方
  • 高齢者の方
  • てんかん等のけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある方

併用に注意が必要な薬

  • テオフィリン(気管支拡張薬)
  • リトナビル(抗HIV薬)
  • 他の中枢神経抑制薬(鎮静薬、安定剤など)
  • アルコール →眠気などの副作用を著しく強める可能性があります。

使用上の注意

眠気への注意添付文書には「眠気を催すことがあるので、本剤を投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないこと。」と明確に記載されています。ジルテックを服用している間は、絶対に運転や危険な作業をしないでください。
効果がないと感じたら自己判断で量を増やしたりせず、医師に相談してください。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、ジルテックをはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

ジルテックに市販薬はある?値段は?

市販薬

ジルテックと同じ有効成分「セチリジン塩酸塩」を配合した市販薬は多数販売されています。

コンタック鼻炎ZストナリニZなどが有名です。

ただし、これらは薬剤師の指導のもと購入でき、使用できるのは「鼻のアレルギー症状」に限られます。じんましんや皮膚のかゆみには使えません。また、服用後の運転ができない点は医療用と同じです。

ジェネリック名

ジルテックにはジェネリック医薬品(後発品)が多数あります。

セチリジン塩酸塩錠/DS「製薬会社名」という名称で発売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ジルテック錠10(先発品):1錠あたり 約75.3円
    (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約23円)
  • セチリジン塩酸塩錠10mg「サワイ」(ジェネリックの一例):1錠あたり 約20.1円
    (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり約6円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ジルテック錠5/ジルテック錠10

よくある質問(FAQ)

Q. 妊婦や授乳中でも飲めますか?
安全性が完全に確立されているわけではないため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。特に妊娠初期や授乳中は、慎重な判断が必要です。

Q. 子供でも使えますか?
はい、ジルテックは2歳以上の小児から使われます。錠剤のほか、小さいお子様向けにドライシロップがあります。市販薬は15歳以上が対象です。

Q. 運転してもいいですか?
絶対にダメです。 ジルテックは眠気の副作用が報告されており、添付文書でも明確に運転や危険な作業をしないよう指示されています。

Q. いつから効きますか?
個人差はありますが、服用後1時間程度で効果が現れ始める、比較的速効性のあるお薬です。

Q. なぜ就寝前に飲むことが多いのですか?
1日1回の服用で効果が24時間持続しますが、最も注意すべき副作用である眠気を考慮し、日中の活動への影響を避けるために就寝前の服用が推奨されています。

Q. 他の抗ヒスタミン薬(アレジオンアレグラなど)との違いは?
アレジオンアレグラは、ジルテックに比べて眠気が出にくいとされるお薬です。一方で、ジルテックは効果がしっかりしていると感じる方も多く、実績のあるお薬です。効果の強さや眠気の出方には個人差があるため、医師が症状やライフスタイルに合わせて選択します。

Q. ザイザルとの一番の違いは何ですか?
ジルテックを改良し、眠気の副作用を少なくしたのがザイザルです。 ザイザルの方が新しい薬ですが、効果の感じ方には個人差があり、長年使われているジルテックの効き目を好む方もいます。どちらが合うかは、医師と相談して決めるのが良いでしょう。

まとめ

ジルテックは、つらいアレルギー症状に1日1回の服用でしっかりとした効果が期待できる、実績のある抗ヒスタミン薬です。

しかし、眠気の副作用が出やすく、服用中の運転は控えるべきという注意点があります。 ジェネリック医薬品や市販薬もあって選択肢が広いですが、効果と副作用のバランスを理解し、安全に使用することが大切です。症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

この記事が、ジルテックへの正しい理解を深め、皆さんのつらいアレルギー症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。