
「便が硬くて、出すのがつらい…」 「コロコロとしたウサギの糞のような便しか出ない」 「便秘薬を飲むと、お腹が痛くなってしまう」
そんなつらい便秘、特に硬い便に悩む方に、漢方薬の「麻子仁丸(ましにんがん)」が処方されることがあります。
今回は、この麻子仁丸がどのようなお薬なのか、一般的な下剤との違いや効果、副作用、飲むタイミングについて、医師が基本からやさしく解説していきます。
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麻子仁丸とは?効果は?
麻子仁丸は、便秘、特に便が硬く、コロコロとしている状態を改善するために用いられる漢方薬です。
腸を内側から潤して、硬くなった便に水分を与え、スムーズなお通じをサポートします。無理やり腸を刺激するのではなく、自然に近いお通じを促すのが大きな特徴で、お腹が痛くなりにくい便秘薬として知られています。
医療用では、主に「ツムラ麻子仁丸エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。錠剤タイプもあります。
麻子仁丸の成分
麻子仁丸は、以下の6種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
- 麻子仁(マシニン)、杏仁(キョウニン)
→腸と便を潤し、滑りを良くするグループ - 大黄(ダイオウ)
→腸の動きを穏やかに促し、便を押し出すグループ - 枳実(キジツ)、厚朴(コウボク)
→腸の気の巡りを整え、お腹の張りを取るグループ - 芍薬(シャクヤク)
→腸の緊張をゆるめ、排便時の腹痛を和らげるグループ
漢方では、加齢や体力の低下、熱などによって体内の水分(津液)が不足すると、腸が乾燥し、便が硬く出にくくなると考えます。この状態が、コロコロとした硬い便や、それに伴う肌荒れ、腹部膨満などの原因となります。
麻子仁丸は、これらの生薬が協力して、まず腸と便そのものを潤して滑りやすい状態を作り、そこへ穏やかな刺激と腸の運動調整を加えることで、自然に近いスムーズなお通じを促し、様々な症状を和らげます。
麻子仁丸の効果
- 硬い便を柔らかくし、排便を容易にする効果
- 便秘に伴う諸症状(頭重、のぼせ、肌荒れ、腹部膨満、痔など)を緩和する効果
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 便秘(特に、便が硬く塊状になる傾向のある方)
麻子仁丸はオンライン診療で出せる?
「便秘が気になる」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
麻子仁丸のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
麻子仁丸に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
麻子仁丸の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。
麻子仁丸は腸を潤すお薬ですが、体全体の水分が不足していては効果が半減してしまいます。服薬時以外にも、普段からこまめに白湯(さゆ)やお水を飲むことで、お薬の働きを助け、より効果を実感しやすくなります。
麻子仁丸は寝る前に飲むの?
「麻子仁丸は、夜寝る前に飲むと良い」と聞いたことがある方もいるかもしれません。これには、ちゃんとした理由があります。
穏やかな作用で、翌朝の排便を狙う
麻子仁丸は、飲んですぐに急激な便意をもよおすタイプの刺激性の下剤ではありません。服用後、数時間から翌日にかけて、ゆっくり穏やかに効果を発揮します。
そのため、夜、就寝前に服用することで、寝ている間に有効成分が腸に働きかけ、便を潤し、翌朝の自然に近いお通じを促すことが期待できます。
これにより、朝の排便リズムを整えやすくなるという大きなメリットがあります。
ただし、医師の指示が最優先
効果的な飲み方ですが、医療用医薬品の正式な用法は「1日2~3回」となっています。
便秘の症状が強い場合や、医師が体質などを考慮して1日複数回の服用を指示した場合は、その指示に従うことが最も大切です。
自己判断で飲む回数を変えず、まずは処方された際の医師や薬剤師の指示通りに服用しましょう。

麻子仁丸の副作用
主な副作用
主な副作用として、食欲不振、腹痛、下痢、吐き気などの消化器症状が報告されていますが、頻度は明確になっていません。
まれですが、注意すべき重大な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害などがあります。
副作用への対処法
配合されている大黄の刺激が、体質によっては強く出すぎ腹痛や下痢がでることがあります。
ひどい腹痛や下痢が続く場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。量を減らすことで改善する場合もあります。
気になる症状があれば、我慢せずに、すぐに医師や薬剤師に相談しましょう。
麻子仁丸の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方
- 胃腸が弱く、下痢をしやすい方
- 著しく体力が衰えている方
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性※大黄が、子宮の収縮を促す可能性
- 授乳中の方※大黄の成分が母乳に移行する可能性
併用に注意が必要な薬
絶対に使ってはいけないお薬(併用禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。
- 他の下剤、特に大黄を含む漢方薬
- 作用が重複し、腹痛や下痢などの副作用が強く出る可能性があります。
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
防風通聖散は、体内の水分(漢方では「津液(しんえき)」といいます)が不足して、腸が乾燥しているタイプの方。つまり、高齢の方や、病後・産後などで体力が落ちている方によく見られる、便が硬くコロコロとして、肌も乾燥しがちな「虚証(きょしょう)」や「陰虚(いんきょ)」タイプの方に最も適しています。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、麻子仁丸をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

麻子仁丸に市販薬はある?値段は?
市販薬
クラシエの「麻子仁丸料エキス錠」や、小林製薬の「オイルデル」など、多数販売されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、コタローなど、複数のメーカーが同じ「麻子仁丸」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ麻子仁丸エキス顆粒(医療用):約24.75円/包(3割負担の場合:約7円)
- コタロー麻子仁丸料エキス細粒(医療用):約12.9円/包(3割負担の場合:約4円)
※2025年8月20日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?
妊娠中は、子宮収縮を促す可能性のある「大黄」が含まれているため、自己判断での服用は絶対に避けてください。授乳中も、成分が母乳に移行する可能性があるため、医師への相談が必須です。
Q.子どもでも飲めますか?
医師の判断のもと、お子さんの便秘に処方されることがあります。その場合、年齢や体重に合わせて服用量が調整されます。
Q.毎日飲んでも癖になりませんか?
腸を直接刺激するタイプの下剤に比べて、習慣性(癖になること)は少ないとされています。しかし、漫然と飲み続けるのではなく、食事や運動など生活習慣の改善と並行し、徐々にお薬に頼らない状態を目指すことが大切です。
Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?
眠くなる成分は含まれていないため、運転や機械の操作に影響はありません。
Q.いつから効き始めますか?
市販の下剤のように数時間で急激な効果が出るものではありません。体質にもよりますが、通常は服用した日の夜、または翌日に、穏やかなお通じが見られることが多いです。
Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?
直接的な悪い相互作用はありませんが、アルコールは利尿作用によって体内の水分を奪うため、便が硬くなる原因になります。腸を潤して便秘を改善する麻子仁丸の働きとは逆の作用なので、治療中の飲酒は控えるのが望ましいです。
麻子仁丸の処方はウチカラクリニックオンライン診療で!
麻子仁丸は、腸を潤すことで、コロコロとした硬い便を優しく改善してくれる漢方薬です。お腹が痛くなりにくいため、「下剤の刺激が苦手…」という方にも試しやすいお薬です。
「自分の便秘のタイプに、この薬が合っているか知りたい」
「長年の便秘を、体質から改善したい」
そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。
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