
「のどがパンパンに腫れて、白い膿(うみ)がついている」 「扁桃炎をくり返している」 「皮膚に赤く熱を持った“おでき”ができて、痛い」
そんな、体に「膿(うみ)」が溜まってしまった、つらい化膿性の炎症に、漢方薬の「排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)」が処方されることがあります。
今回は、この排膿散及湯がどのようなお薬なのか、そして正しい飲み方について、医師がやさしく解説していきます。
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排膿散及湯とは?効果は?
排膿散及湯は、その名の通り、体に溜まった「膿(うみ)」を出し(排膿)、炎症による腫れや痛みを和らげるために用いられる漢方薬です。
“膿出し”をサポートする、漢方の抗炎症薬で特に、のどの痛みや腫れがひどい扁桃炎や、皮膚にできた化膿性のおできの治療によく使われます。
医療用では、主に「ツムラ排膿散及湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。
排膿散及湯の成分
排膿散及湯は、以下の6種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
「排膿散(はいのうさん)」と「桔梗湯(ききょうとう)」という2つの処方を組み合わせたものです。
- 枳実(キジツ)、芍薬(シャクヤク)
→膿を出し、痛みを和らげる「排膿散」グループ - 桔梗(キキョウ)、甘草(カンゾウ)
→のどの炎症を鎮める「桔梗湯」グループ - 大棗(タイソウ)、生姜(ショウキョウ)
→全体をサポートするグループ
漢方では、炎症がひどくなると、その場所に悪いものが溜まって「膿」になると考えます。
排膿散及湯は、これらの生薬が、「炎症を鎮める」働きと「膿を出す」働きを同時に行うことで、つらい症状を速やかに改善します。
【詳しい解説はこちら!】
→【漢方】桔梗湯の効果・飲み方・副作用を医師が解説!
排膿散及湯の効果
- 抗炎症作用・鎮痛作用: 炎症による腫れや痛みを和らげます。
- 排膿作用: 溜まった膿の排出を促します。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 患部が発赤、腫脹して疼痛をともなった化膿症、瘍、癤、面疔、その他癤腫症
排膿散及湯はオンライン診療で出せる?
「のどがひどく腫れて、つばを飲み込むのもつらい」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
排膿散及湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
排膿散及湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
排膿散及湯の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。
水または白湯(さゆ)で服用してください。
メーカーにより1包の量などが異なります。詳細は医師や薬剤師の指示に従ってください。

排膿散及湯の副作用
漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。
主な副作用
主な副作用として、発疹、かゆみ、食欲不振、胃の不快感などが報告されています。
まれですが、注意すべき重大な副作用として、甘草(カンゾウ)による「偽アルドステロン症」やミオパチーがあります。
副作用への対処法
「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「むくみ」「血圧の上昇」などは、偽アルドステロン症の初期症状かもしれません。
このような症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
排膿散及湯の注意事項(禁忌)
注意が必要な方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方
- 著しく体力が衰えている方
併用に注意が必要な薬
- 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬や医薬品
- ループ系・チアジド系利尿薬
使用上の注意
漢方薬は、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれますが、排膿散及湯は比較的体質を問わず、化膿や腫れといった症状に合わせて使いやすい漢方です。
保管方法
- 直射日光や湿気を避け、涼しい場所に保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、排膿散及湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

排膿散及湯に市販薬はある?値段は?
市販薬
クラシエやJPS製薬などから、具体的な製品名で販売されています。
- 「クラシエ」漢方排膿散及湯エキス錠 (クラシエ)
- JPS漢方-62 排膿散及湯 (ジェーピーエス製薬)
製品によって顆粒や錠剤といった剤形や、用法・用量が異なりますので、購入の際はパッケージをよく確認し、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
ツムラ以外にも複数のメーカーから同じ処方の医療用医薬品が販売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ 排膿散及湯エキス顆粒2.5 g(医療用):約33.5円/包(3割負担の場合:約10円)
- コタロー 排膿散及湯エキス細粒2.5 g:約24.0円/包(3割負担の場合:約7円)
※2025年10月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?
自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。妊娠中は体の状態が大きく変化するため、専門家による慎重な判断が必要です。
Q.子どもでも飲めますか?
はい、お子さんの扁桃炎などに処方されることがあります。その場合、年齢や体重に合わせて服用量が調整されます。
Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?
眠くなる成分は含まれていないため、運転や機械の操作に影響はありません。
Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?
治療中の飲酒は絶対に避けてください。アルコールは血行を良くし、炎症を悪化させる原因になります。せっかくお薬で炎症を抑えようとしているのに、火に油を注ぐようなものです。
Q.いつから効き始めますか?
扁桃炎やおできなど、急性の炎症症状に使うお薬なので、効果は比較的速く現れます。体質に合っていれば、1~3日の服用で、のどの痛みや腫れが和らいでくることが期待できます。
Q.抗生物質と一緒に飲んでもいいですか?
はい、細菌感染による扁桃炎などでは、原因菌を殺す抗生物質と、つらい腫れや痛みを和らげる排膿散及湯が一緒に処方されることがよくあります。医師の指示通りに服用してください。
まとめ
排膿散及湯は、つらい扁桃炎やおできなど、体に溜まった「膿」による炎症症状を、体の内側から鎮めてくれる頼れる漢方薬です。「もしかして扁桃炎かも?」と思ったら、早めに服用を開始するのが効果的です。
「のどが痛くて腫れている、つばを飲むのもつらい」
「この症状に合う薬を、専門家に相談したい」
そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。
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通院の手間なく、ご自身の体質や症状に合った漢方薬についてじっくりと相談できます。長引く不調にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。
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