
「足腰が痛くて、長時間歩くのがつらい」「手足がしびれたり、夜中に何度もトイレに起きたりする…」
そんな、年齢とともに現れる下半身のつらい症状にお悩みではありませんか? 「牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)」は、体を温め、血行と水分代謝を改善することで、足腰の痛みやしびれ、排尿の悩みなどを和らげる、中高年の方の代表的な漢方薬です。
この記事では、そんな牛車腎気丸について、漢方ならではの効果の仕組みや副作用、そして正しい飲み方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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牛車腎気丸とは?効果は?
牛車腎気丸(ゴシャジンキガン)は、加齢などによって衰えた「腎(じん)」の働きを補い、体を温めることで、特に下半身の様々な不調を改善する漢方薬です。漢方でいう「腎」は、生命エネルギーの源であり、成長・発育・生殖・老化を司る重要な臓器と考えられています。
医療用では、主に「ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。
牛車腎気丸の成分
牛車腎気丸は、以下の10種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
体を温め、老化による衰えを補う「八味地黄丸(ハチミジオウガン)」という漢方薬に、2つの生薬をプラスした処方です。
- 八味地黄丸の構成生薬(8種類):地黄、山薬、山茱萸、沢瀉、茯苓、牡丹皮、桂皮、附子
→体を温め、「腎」のエネルギーを補う基本の組み合わせ。 - 牛膝(ゴシツ)
→血の巡りを良くし、足腰の痛みやしびれを和らげる。 - 車前子(シャゼンシ)
→尿の出を良くし、むくみを改善する。
漢方では、加齢とともに「腎」が弱り(「腎虚」)、体が冷えると、血行や水分代謝が悪くなり、足腰の痛み、しびれ、排尿トラブルなどが起こると考えます。
牛車腎気丸は、体を温めて「腎」を補い、さらに下半身の血流と水分代謝を改善することで、これらの症状にアプローチします。
牛車腎気丸の効果
体を温め、血行と水分代謝を改善することで、様々な症状を和らげます。
- 腰痛、足の痛み、下肢のしびれ
- 頻尿、夜間尿、残尿感、排尿困難
- むくみ、かすみ目
- 高血圧に伴う症状(肩こり、頭重など)
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少または多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症状
- 下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ
近年では、抗がん剤治療による手足のしびれ(末梢神経障害)の軽減にも、その有効性が認められ、広く使われています。
牛車腎気丸はオンライン診療で出せる?
「足腰の痛みがつらい…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
牛車腎気丸のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
牛車腎気丸に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
牛車腎気丸の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。
牛車腎気丸の副作用
漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。
主な副作用
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 胃の不快感、食欲不振、吐き気、下痢などの消化器症状
- のぼせ、動悸、口の渇き
副作用が出たときの対処法
特に、のぼせや動悸は、体を温める作用が強く出すぎた場合に起こることがあります。何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。
※多くの漢方薬で注意が必要な「偽アルドステロン症」の原因となる甘草(カンゾウ)は、牛車腎気丸には含まれていません。
牛車腎気丸の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 胃腸が弱く、下痢をしやすい方
- のぼせが強く、赤ら顔で、体力充実している方→温める作用が合わないことがあります
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性
併用に注意が必要な薬
- ループ利尿薬/ARB→高K血症リスク
- 抗凝固薬ワルファリン→ボタンピで凝固能変動例あり
- 他の利尿漢方(防已黄耆湯など)→脱水リスク
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
牛車腎気丸は、体力がなく、冷えやすく、疲れやすい「虚寒(きょかん)」タイプの方に適した漢方薬です。
1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、牛車腎気丸をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

牛車腎気丸に市販薬はある?値段は?
市販薬
「ツムラ漢方牛車腎気丸エキス顆粒」や「クラシエ薬品「クラシエ」漢方牛車腎気丸エキス顆粒」などの名前で、多くのメーカーから市販されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、クラシエなど、複数のメーカーが同じ「牛車腎気丸」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ牛車腎気丸エキス顆粒(医療用):約45.1円/包(3割負担の場合:約14円)
- クラシエ牛車腎気丸エキス細粒(医療用):約24.8円/包(3割負担の場合:約7円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
配合生薬の「附子」や「牡丹皮」などの影響(利尿・子宮収縮の可能性)を考慮する必要があるため、妊婦または妊娠している可能性のある方は、原則として服用を避けるべきとされています。自己判断での服用は絶対にやめてください。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、主に中高年以降の成人の体質に合わせて作られた漢方薬であり、通常、小児には使用しません。
Q. いつから効きますか?
漢方薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性は期待できません。個人差はありますが、まずは1ヶ月以上、毎日きちんと飲み続けることで、足腰の痛みやしびれ、排尿の悩みなどに少しずつ変化が現れてくることが多いです。早い人で1〜2週間、しびれ・冷えの改善は1か月続けて実感する例が多めです。
Q. 西洋薬の痛み止め(ロキソニンなど)との違いは何ですか?
目的と仕組みが全く違います。 ロキソニンなどの痛み止めは、今ある痛みを一時的にブロックする「対症療法薬」です。一方、牛車腎気丸は、痛みやしびれの原因となる「冷え」や「血行不良」といった体質そのものを、体を温めることで改善していくお薬です。
Q. 抗がん剤の副作用(しびれ)にも使われるというのは本当ですか?
はい、本当です。一部の抗がん剤は、副作用として手足の末梢神経にダメージを与え、強いしびれを引き起こします。牛車腎気丸には、この抗がん剤によるしびれを軽減する効果があることが、現代医学の研究でも確認されており、がん治療の現場で広く活用されています。
まとめ
牛車腎気丸は、体を温め、「腎」の働きを補うことで、年齢とともに現れる足腰の痛み、手足のしびれ、排尿トラブルといった下半身の衰えを改善する、代表的な漢方薬です。
また、抗がん剤によるしびれの副作用を和らげる目的でも広く使われています。 効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。気になる症状がある方は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
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