
「朝起きると頭が重い、ズーンとした頭痛が続く…」「慢性的な頭痛だけでなく、めまいや肩こりもひどい」
そんな、特に中年期以降のつらい頭痛にお悩みではありませんか? 「釣藤散(チョウトウサン)」は、高ぶった神経を鎮め、気や血の巡りを整えることで、慢性的な頭痛やそれに伴うめまい・肩こりを改善する、代表的な漢方薬です。
この記事では、そんな釣藤散について、漢方ならではの効果の仕組みや副作用、そして正しい飲み方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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釣藤散とは?効果は?
釣藤散(チョウトウサン)は、中年期以降の、主に早朝に症状が現れやすい慢性的な頭痛や、それに伴うめまい、肩こりなどを改善する漢方薬です。特に、高血圧の傾向がある方の頭痛によく用いられます。
医療用では、主に「ツムラ釣藤散エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。
釣藤散の成分
釣藤散は、以下の11種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
- 釣藤鈎(チョウトウコウ)、菊花(キクカ)
→主役となる生薬。頭にのぼった熱や「気」を鎮め、頭痛やめまいを和らげる。 - 石膏(セッコウ)、防風(ボウフウ)
→熱を冷まし、発散させる。 - 陳皮(チンピ)、半夏(ハンゲ)、茯苓(ブクリョウ)、生姜(ショウキョウ)
→胃腸の働きを助け、余分な水分を取り除く。 - 人参(ニンジン)、麦門冬(バクモンドウ)
→体に潤いとエネルギーを補う。 - 甘草(カンゾウ)
→全体の働きを調和させる。
漢方では、加齢やストレスで体内のバランスが崩れ、熱やエネルギー(気)が頭に突き上げてくる(「気逆」)ことで、頭痛やめまい、のぼせが起こると考えます。
釣藤散は、この頭への「突き上げ」を鎮め、体全体のバランスを整えることで、慢性的な頭痛を改善します。
釣藤散の効果
頭部に偏った熱や気の流れを正常化することで、様々な症状を改善します。
- 慢性的な頭痛(特に朝にひどいもの)
- めまい、ふらつき、耳鳴り
- 肩こり
- のぼせ感、目の充血
- 神経症、高血圧に伴う症状
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどがあるものの次の諸症状
- 慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるもの
釣藤散はオンライン診療で出せる?
「頭痛が酷い…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
釣藤散のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
釣藤散に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
釣藤散の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。
釣藤散の副作用
漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。
主な副作用
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 胃の不快感、食欲不振、吐き気などの消化器症状
構成生薬の「甘草(カンゾウ)」の長期・大量服用により、偽アルドステロン症がまれに起こることがあります。主な症状は、むくみ、血圧の上昇、手足の脱力感・しびれ、筋肉痛などです。
頻度は極めてまれですが、肝機能障害も報告されています。初期症状(だるさ、黄疸など)に注意が必要です。
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。
釣藤散の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- ご高齢の方
- 高血圧、心臓病、腎臓病、妊娠後期で“むくみやすい”体質
- 胃腸が著しく虚弱な方
- 食欲不振、吐き気、嘔吐のある方
併用に注意が必要な薬
- 他の漢方薬(特に「甘草」を含むもの)を服用中の方
- ループ利尿薬→低カリウム血症リスク
- ステロイド薬→偽アルドステロン症リスク↑
- グリチルリチン含有サプリ→甘草重複
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、釣藤散をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

釣藤散に市販薬はある?値段は?
市販薬
「ツムラ漢方釣藤散エキス顆粒」や「クラシエ薬品「クラシエ」漢方釣藤散エキス顆粒」などの名前で、多くのメーカーから市販されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、クラシエなど、複数のメーカーが同じ「釣藤散」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ釣藤散エキス顆粒(医療用):約32.1円/包(3割負担の場合:約10円)
- クラシエ釣藤散エキス細粒(医療用):約17.7円/包(3割負担の場合:約5円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
比較的安全に使えるとされていますが、漢方薬も薬です。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。特に、妊娠中は体質が変化しやすいため、慎重な判断が必要です。
Q. 子供でも使えますか?
いいえ、主に中年期以降の成人に使われる漢方薬であり、通常、小児には使用しません。
Q. いつから効きますか?
漢方薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性は期待しにくいです。個人差はありますが、まずは1ヶ月程度、毎日きちんと飲み続けることで、頭痛の頻度や強さ、めまいの感じなどに少しずつ変化が現れてくることが多いです。
Q. 西洋薬の痛み止め(ロキソニンなど)との違いは何ですか?
目的と仕組みが全く違います。 ロキソニンなどの痛み止めは、今ある痛みを一時的にブロックする「対症療法薬」です。一方、釣藤散は、頭痛が起こりやすい体質そのものを、体のバランスを整えることで改善していく「根本治療」を目指すお薬です。
Q. 高血圧の薬の代わりになりますか?
いいえ、なりません。 釣藤散は、高血圧に伴う頭痛や肩こりなどの症状を和らげる効果は期待できますが、血圧そのものを下げることを目的とした現代的な降圧薬とは異なります。高血圧の治療は、必ず医師の指示に従って西洋薬などを服用してください。
まとめ
釣藤散は、体内のバランスの乱れを整えることで、中年期以降の慢性的な頭痛、めまい、肩こりを改善する代表的な漢方薬です。
特に、朝方にひどくなる頭痛や、高血圧の傾向がある方に適しています。 効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。長年のつらい頭痛にお悩みの方は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
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