
「鼻水、くしゃみ、鼻づまりが止まらなくて、ティッシュが手放せない…」 「ハウスダストやダニのアレルギーで、鼻の調子が悪くてつらい」 「鼻炎の薬は眠くなるから、できれば使いたくない」
こうしたアレルギー性鼻炎のつらい症状に、1日1回の使用で効果が期待でき、かつ経済的なジェネリック医薬品も登場しているのが、「フルチカゾンフランカルボン酸エステル」という成分を含む点鼻薬です。これは、よく知られている「アラミスト点鼻液」のジェネリック医薬品の有効成分です。
この記事では、アラミストのジェネリックとしても使われる「フルチカゾン点鼻薬」について、その効果や副作用、正しい使い方を医師が分かりやすく解説していきます。
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フルチカゾン点鼻薬とは?効果は?
フルチカゾン点鼻薬は、アレルギー性鼻炎による、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといったつらい鼻症状の治療に使われる「点鼻用ステロイド薬」です。
先発医薬品としては「アラミスト点鼻液27.5μg」がよく知られており、そのジェネリック医薬品(後発医薬品)も「フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液」や「フルチカゾン点鼻液」として処方されています。
1容器あたり56噴霧用や120噴霧用があります。
フルチカゾンというとフルナーゼのジェネリックである「フルナーゼ(フルチカゾンプロピオン酸エステル)点鼻液」も存在しますが、こちらとは別物なのでしっかりと成分をチェックしましょう。
フルチカゾン点鼻薬の成分
主役は、「フルチカゾンフランカルボン酸エステル」というステロイド成分です。
ステロイドと聞くと「強い薬なのかな?」と心配される方もいるかもしれませんが、フルチカゾン点鼻薬は鼻の中に直接作用する「局所療法」のお薬なので、飲み薬のステロイドに比べて全身への影響が非常に少なくなるように工夫されています。
作用機序は、鼻の粘膜でアレルギー反応や炎症を引き起こす様々な化学物質(サイトカイン、ロイコトリエンなど)が作られるのを抑えたり、炎症に関わる細胞(好酸球など)が集まってくるのを防いだりすることです。
フルチカゾン点鼻薬の効果
鼻の粘膜の炎症をしっかり抑えることで、アレルギー性鼻炎の3大症状に効果を発揮します。
- くしゃみを抑える
- 鼻水(鼻汁過多)を減らす
- 鼻づまりを改善する
効果が比較的長く持続するため、1日1回の使用で済むのが大きな特徴です。
どんなときに使う?(適応疾患)
- アレルギー性鼻炎
- 季節性アレルギー(スギ花粉症、ヒノキ花粉症、ブタクサ花粉症など)
- 通年性アレルギー(ハウスダスト、ダニ、ペットの毛など)
フルチカゾン点鼻薬はオンライン診療で出せる?
「花粉症の時期は、毎年同じ薬を使っている」「忙しくて、なかなか耳鼻科やアレルギー科に行けない」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
フルチカゾンのような点鼻薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
フルチカゾンに関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、既にアレルギー性鼻炎と診断されていて、症状が安定している場合の継続処方などに、オンライン診療は非常に便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
フルチカゾンの使い方(用法・用量)
通常、1日1回、各鼻腔(左右の鼻の穴)に噴霧します。
- 成人: 通常、各鼻腔に2噴霧ずつを1日1回。
- 小児(2歳以上): 通常、各鼻腔に1噴霧ずつを1日1回。
症状が安定してきたら、医師の指示により使用回数や噴霧回数を減らすこともあります。自己判断で中止したり、量を変更したりしないでください。
大切な使い方ポイント
- 使用前によく振る: 容器をよく振ってから使用してください。
- 鼻をかむ: 噴霧前に鼻をかんで、鼻の通りを良くしておきましょう。
- 初回使用時の空打ち: 初めて使用する場合や、しばらく使っていなかった場合は、薬液がきちんと出るように、キャップをしたまま容器を数回振った後、キャップを外し、空気中に数回試し噴霧(空打ち)してください。
- 噴霧の向き: 容器の先端を鼻の穴に入れ、鼻中隔(左右の鼻を隔てている壁)に向けず、少し外側に向けて噴霧するのがコツです。こうすることで、薬液が鼻の奥に届きやすくなり、鼻血などの副作用も出にくくなります。
- 使用後のケア: 使用後は、噴霧器の先端をティッシュペーパーなどで清潔に拭き、キャップをしてください。

フルチカゾン点鼻薬の副作用
フルチカゾン点鼻薬は局所作用が主体の点鼻薬なので、全身性の副作用は少ないとされていますが、以下のような副作用が現れることがあります。
主な副作用
- 鼻出血(鼻血):比較的見られることがあります。
- 鼻の乾燥感、刺激感、不快感
- 鼻水に少量の血が混じる
- 頭痛
- 味覚異常、嗅覚異常(まれ)
まれに起こる注意すべき副作用
- アナフィラキシー反応: じんましん、呼吸困難、顔面や喉の腫れなど。
- 緑内障、白内障: 長期間、または指示された量を超えて大量に使用した場合に、眼圧が上がったり、水晶体が濁ったりするリスク。
- 鼻中隔穿孔(びちゅうかくせんこう): 鼻の左右を隔てている壁に穴が開いてしまう。
副作用が出たときの対処法
軽い鼻血や鼻の乾燥感は、使い方を工夫する(噴霧の向きを変える、保湿する)ことで軽減することもあります。
鼻血が頻繁に続く場合や、多量に出る場合、その他気になる症状が現れた場合は、使用を中止し、処方した医師や薬剤師に相談してください。アナフィラキシーが疑われるような症状が出た場合は、直ちに医療機関を受診してください。
フルチカゾン点鼻薬の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)
- 過去にフルチカゾンフランカルボン酸エステルでアレルギー症状を起こしたことがある方
- 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症のある患者 (ステロイドは免疫を抑える作用があるため、感染症が悪化する可能性があります)
使うときに特に注意が必要な方
- 結核性の病気にかかっている方
- 反復して鼻血を繰り返している方
- 重症な高血圧の方
- 糖尿病の方
- 緑内障、白内障の方、またはその疑いがある方
- 肝臓の機能が低下している方
- 最近、鼻の手術を受けた方や、鼻に傷がある方
併用に注意が必要な薬
- CYP3A4阻害作用のある薬
- 一部の抗HIV薬(リトナビルなど)
- 一部の抗真菌薬(イトラコナゾールなど) これらのお薬は、フルチカゾン点鼻薬の成分の分解を遅らせ、体内に吸収される量を増やしてしまう可能性があるため、併用には注意が必要です。必ず医師・薬剤師に伝えてください。
使用上の注意
指示通りに使う | 用法・用量を守り、噴霧の向きなど正しい使い方をする。 |
鼻を強くかみすぎない | 特に鼻血が出やすい方は注意。 |
感染症の予防 | 免疫を抑える作用があるため、風邪やインフルエンザなどの感染症にかからないように注意。 |
定期的な受診 | 長期間使用する場合は、定期的に医師の診察を受け、鼻の状態や副作用の有無をチェックしてもらう。 |
保管方法
- 直射日光・高温を避け、室温で、容器を立てて保管してください。
- 凍結させないでください。
- 子どもの手の届かない場所へ
使い忘れたら?
気づいた時点で、すぐに1回分を使用してください。ただし、次に使う時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ使用しましょう。
絶対に2回分を一度に使用しないでください。
1日1回のお薬なので、基本的にはその日のうちに使い忘れに気づけば使用し、翌日になってしまったらその日の分から再開する、という考え方で良いでしょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、フルチカゾンをはじめとした点鼻薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

フルチカゾン点鼻薬に市販薬はある?値段は?
市販薬
2025年6月4日現在、フルチカゾン点鼻薬と全く同じ有効成分・同じ濃度の医療用医薬品は市販されていません。
ただし、フルチカゾン点鼻薬の有効成分の仲間である他のステロイド成分(フルチカゾンプロピオン酸エステル、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルなど)を含む市販の点鼻薬は存在します。
(フルナーゼ点鼻薬 季節性アレルギー専用、パブロン鼻炎アタックJL など)
これらは、医師の診断なしで購入できますが、使用できる症状や期間が限られています。
ジェネリック名
フルチカゾン点鼻薬自体がジェネリック医薬品(後発品)です。
先発品は 「アラミスト点鼻液」という名称で発売されています。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5μg「杏林」56噴霧用(後発品):1キットあたり 約660.8円
(3割負担の場合、自己負担額は1キットあたり約198円) - アラミスト点鼻液27.5μg56噴霧用:1キットあたり 約1,190.7円
(3割負担の場合、自己負担額は1キットあたり約357円) - アラミスト点鼻液27.5μg120噴霧用:1キットあたり 約2,100.8円
(3割負担の場合、自己負担額は1キットあたり約630円)
※2025年6月4日現在 ※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「杏林」56噴霧用/フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液27.5µg「杏林」120噴霧用
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使える?
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。点鼻薬は全身への吸収が少ないため、内服薬に比べるとリスクは低いと考えられますが、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。
Q. 子供でも使えますか?
はい、2歳以上の小児から使用できます。ただし、用量が成人とは異なりますので、必ず医師の指示に従ってください。
Q. 運転してもいいですか?
フルチカゾンの副作用として、眠気が強く出ることは通常報告されていません。そのため、運転や機械操作への直接的な影響は少ないと考えられます。
Q. いつから効きますか?
個人差がありますが、使い始めてから数時間~1日程度で鼻症状の改善が見られ始めます。即効性があるわけではなく、毎日継続して使用することで、効果が安定してきます。花粉症の場合は、症状が出始める少し前(飛散開始時期)から使い始めると、より効果的です。
Q. 毎日使わないとダメですか?
フルチカゾンは、アレルギー性鼻炎の気道の炎症を継続的に抑えることで効果を発揮するお薬です。症状がある時だけ使うのではなく、症状が落ち着いていても毎日定期的に使用することが大切です。
Q. 風邪の鼻水にも効きますか?
フルチカゾンは、アレルギー反応による鼻の炎症を抑えるお薬です。そのため、ウイルスや細菌感染が原因の風邪による鼻水には、直接的な効果は期待できません。風邪かアレルギーか自己判断が難しい場合は、医師の診断を受けてください。
まとめ
フルチカゾン点鼻薬(アラミスト点鼻液のジェネリック医薬品)は、つらいアレルギー性鼻炎のくしゃみ、鼻水、鼻づまりを効果的に抑える、1日1回の使用で済む便利な点鼻ステロイド薬です。 様々なジェネリック医薬品が登場し、経済的にも続けやすくなりました。
効果を最大限に引き出し、安全に使用するためには、正しい使い方を守り、副作用について理解しておくことが大切です。そして、症状が改善しない場合や気になることがある場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
この記事が、フルチカゾン点鼻薬への正しい理解を深め、皆さんのつらい鼻炎症状をコントロールし、より快適な毎日を送るための一助となれば幸いです。
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