
「ゴホッ、ゴホッ!と顔を真っ赤にして咳き込む」 「咳と共にゼーゼー、ヒューヒューという音がして息苦しい」 「黄色くネバネバした痰が絡んで、のどが渇いて熱っぽい」
そんな、体の中から熱がこもっているような、激しい咳やぜんそくの症状に悩まされているときに頼りになるのが、漢方薬の「五虎湯(ごことう)」です。
今回は、この五虎湯がどのようなお薬なのか、効果や副作用、正しい飲み方について、医師がやさしく解説していきます。
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五虎湯とは?効果は?
五虎湯は、体の熱を冷ましながら、激しい咳や気管支の炎症、ぜんそくの発作を鎮めるために用いられる漢方薬です。
熱く炎症を起こした気管支を鎮めます。特に、体力がある方の、熱っぽさを伴う激しい咳に適しています。
医療用では、主に「ツムラ五虎湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。
五虎湯の成分
五虎湯は、以下の5種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
- 石膏(セッコウ)、桑白皮(ソウハクヒ)
→肺の熱を強力に冷ますグループ - 麻黄(マオウ)、杏仁(キョウニン)
→咳を鎮め、気管支を広げて呼吸を楽にするグループ - 甘草(カンゾウ)
→全体の働きを調和させるグループ
五虎湯の効果
- 気管支を広げ、呼吸を楽にする効果
- 気管支の炎症や熱を冷ます効果
- 咳や痰を鎮める効果
漢方では、体力がある方がかぜなどをこじらせると、体内に過剰な「熱」がこもり、特に「肺(はい)」(呼吸器全般を指します)で炎症が起きやすいと考えます。この状態が、顔が赤くなるほどの激しい咳や、ゼーゼーという喘鳴(ぜんめい)、黄色く粘り気の強い痰、のどの渇きなどの原因となります。
五虎湯は、これらの生薬が協力して、まず石膏を中心としたグループが肺の熱(炎症)を強力に冷やし、同時に麻黄と杏仁のペアが気管支を広げて激しい咳や呼吸の苦しさを和らげます。
これらの強い作用を持つ生薬を甘草が調和させることで、体に溜まった熱を発散させながら、つらい呼吸器症状を速やかに改善します。
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 気管支ぜんそく
- せき、感冒(かぜ) など
五虎湯はオンライン診療で出せる?
「咳が気になる」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
五虎湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
五虎湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
五虎湯の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。

五虎湯の副作用
主な副作用
主な副作用として、発疹、かゆみなどの皮膚症状、食欲不振、胃の不快感、吐き気などの消化器症状が報告されています。
また、配合されている麻黄(マオウ)の影響で、動悸、不眠、発汗過多などが起こることがあります。
さらに、甘草(カンゾウ)による「偽アルドステロン症」(むくみ、血圧上昇など)にも注意が必要です。
副作用への対処法
心臓がドキドキしたり、目が冴えて眠れなくなったりした場合は、お薬が体に合っていない可能性があります。すぐに医師や薬剤師に相談してください。
またむくみやダルさは「偽アルドステロン症」の初期症状かもしれません。服用を中止し、医師に連絡しましょう。
五虎湯の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
絶対に使ってはいけない方(禁忌)はありませんが、以下のような方には注意が必要です。
- 著しく体力が衰えている方、体の冷えが強い方※体を冷やす作用があり不向き
- 胃腸が非常に弱い方
- 高血圧、心臓病、腎臓病、甲状腺機能障害の診断を受けている方※麻黄で悪化する可能性
- 妊婦または妊娠している可能性のある女性
併用に注意が必要な薬
絶対に使ってはいけないお薬(併用禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。
- 麻黄(マオウ)を含む他の漢方薬や医薬品:
- エフェドリン類を含む風邪薬や咳止めなどと併用すると、作用が強まりすぎて動悸や不眠などの副作用が出やすくなります。
- 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬や医薬品:
- 甘草の摂取量が過剰になり、「偽アルドステロン症」のリスクが高まります。
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
五虎湯は、比較的体力があり、体に余分な「熱」がこもっているタイプの方に適しています。
具体的には、かぜなどをきっかけに、顔を赤くして激しく咳き込み、のどが渇いて熱っぽさを感じるような「実証(じっしょう)」や「熱証(ねっしょう)」タイプの方に最も適しています。
逆に、体が冷えやすく、体力のあまりない「虚証(きょしょう)」タイプの方には合わないことが多いです。
保管方法
- 直射日光や湿気を避け、涼しい場所で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、五虎湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

五虎湯に市販薬はある?値段は?
市販薬
クラシエなど様々なメーカーから、「クラシエ」漢方五虎湯エキス顆粒SIIなどの名前で販売されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、コタローなど、複数のメーカーが同じ「五虎湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ五虎湯エキス顆粒(医療用):約27.5円/包(3割負担の場合:約8円)
- コタロー五虎湯エキス細粒(医療用):約28.8円/包(3割負担の場合:約9円)
※2025年8月20日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?
配合されている麻黄の作用などを考慮する必要があるため、自己判断での服用は絶対に避けてください。医師が治療上の有益性が危険性を上回ると判断した場合にのみ、慎重に処方されます。
Q.子どもでも飲めますか?
はい、「小児ぜんそく」にも使われるように、お子さんの激しい咳に処方されることがあります。その場合、年齢や体重、体力に合わせて服用量が細かく調整されます。
Q.麦門冬湯との違いは?
得意な咳のタイプが正反対です。
麦門冬湯: 「乾燥した咳」を潤して鎮める。「コンコン」という空咳向け。
五虎湯: 「熱く激しい咳」を冷まして鎮める。黄色い痰やゼーゼーいう咳向け。
Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?
眠くなる成分は含まれていません。むしろ、麻黄の作用で目が冴えたり、動悸がしたりすることがあります。
治療中に避けた方が良い食べ物はありますか?
はい。五虎湯は体の中の「熱」を冷ます漢方薬です。そのため、唐辛子などの香辛料が多い食事、揚げ物、味の濃い料理は、体内の熱をさらに助長し、気管支の炎症を悪化させる可能性があるため、控えめにするのがおすすめです。
Q.いつから効き始めますか?
急性の激しい症状に使うお薬なので、効果は漢方の中では比較的速く現れます。体質に合っていれば、1~3日の服用で、咳の激しさや息苦しさが和らいでくることが期待できます。
「今すぐに咳を治したい!」という方には西洋薬の咳止めがオススメです。
こちらもチェック!
→【医師監修】咳止めに効く市販薬!早く治したいなら処方薬?
Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?
治療期間中の飲酒は控えるべきです。アルコールは炎症を悪化させたり、体の免疫力を下げたりする可能性があります。また、麻黄には心臓に負担をかける作用があるため、アルコールとの併用は動悸などを引き起こしやすくする可能性があり、望ましくありません。
五虎湯の処方はウチカラクリニックオンライン診療で!
五虎湯は、熱を伴う激しい咳やぜんそくの発作に対して、優れた効果を発揮する漢方薬です。しかし、効果がシャープな分、体質を選ぶお薬でもあります。
「自分の咳のタイプが、五虎湯に合っているかわからない」
「市販薬を飲んでも、激しい咳が治らない」
そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。
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