
「喉に何かが詰まっている感じがするのに、検査をしても異常がない…」「不安やストレスを感じると、咳払いや動悸がひどくなる」
そんな、ストレスが原因で起こる喉の違和感や、気分の落ち込みにお悩みではありませんか? 「半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)」は、滞った「気」の巡りを改善することで、喉のつかえ感や不安感といった、心と体が結びついた症状を和らげる、代表的な漢方薬です。
この記事では、そんな半夏厚朴湯について、漢方ならではの効果の仕組みや副作用、そして正しい飲み方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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半夏厚朴湯とは?効果は?
半夏厚朴湯(ハンゲコウボクトウ)は、「気」の滞りや逆流を解消することで、精神的な不安や、喉・食道のつかえ感を改善する漢方薬です。特に、ストレスや不安によって引き起こされる身体症状(心身症)の治療によく用いられます。
医療用では、主に「ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。錠剤タイプも存在しています。
半夏厚朴湯の成分
半夏厚朴湯は、以下の5種類の生薬(しょうやく)で構成されています。
- 半夏(ハンゲ)、厚朴(コウボク)
→主役となる生薬。滞って、上へと突き上げてくる「気」を下に降ろし、喉のつかえ感や吐き気を鎮める。 - 茯苓(ブクリョウ)
→気の巡りを助け、精神を安定させる。 - 蘇葉(ソヨウ)
→シソの葉。気の滞りを発散させ、気分をスッキリさせる。 - 生姜(ショウキョウ)
→胃腸の働きを助け、他の生薬の働きを調和させる。
漢方では、ストレスや不安でエネルギー(気)の流れが喉のあたりで滞ってしまうと、「梅核気(ばいかくき)」という、梅干しの種が詰まっているような不快な感覚が生じると考えます。
半夏厚朴湯は、これらの生薬が協力して、滞った「気」をスムーズに流し、喉や胸のつかえを取り除くことで、不安な気分も楽にする働きをします。
半夏厚朴湯の効果
気の巡りを良くすることで、心と体の両方の症状を改善します。
- 喉や食道の異物感・つかえ感(梅核気)
- 不安神経症、神経性胃炎
- 動悸、めまい、吐き気
- しわがれ声、せき、つわり
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 気分がふさいで、咽喉・食道部に異物感があり、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴う次の諸症
- 不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感
半夏厚朴湯はオンライン診療で出せる?
「喉のつっかえ感が続いている」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
半夏厚朴湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
半夏厚朴湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
半夏厚朴湯の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。
半夏厚朴湯の副作用
副作用は非常に少なく、安全性が高いことで知られている漢方薬の一つです。
主な副作用
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- ごくまれに、肝機能の異常
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。
※多くの漢方薬で注意が必要な「偽アルドステロン症」の原因となる甘草(カンゾウ)は、半夏厚朴湯には含まれていません。
半夏厚朴湯の注意事項(禁忌)
使ってはいけない方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
- 体力の著しく衰えている方
- 食欲不振、吐き気、嘔吐のある方(体質によっては合わないことがあります)
- 重い肝機能障害・腎機能障害
- 嚥下障害・器質的食道狭窄→まずは専門的検査を
併用に注意が必要な薬
絶対に使ってはいけないお薬(併用禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。
- 抗不安薬ベンゾジアゼピン類→鎮静が強まり過度の眠気
- 鎮咳去痰薬ジヒドロコデイン→便秘・めまい増強
- アルコール大量摂取→胃粘膜障害・眠気増強
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
半夏厚朴湯は、体力が中等度で、気分がふさぎがちなタイプの方に適した漢方薬です。
1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、半夏厚朴湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

半夏厚朴湯に市販薬はある?値段は?
市販薬
「「クラシエ」漢方半夏厚朴湯エキス顆粒」など、ストレスや喉のつかえ感を和らげる漢方薬として、多くのメーカーから市販されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、クラシエなど、複数のメーカーが同じ「半夏厚朴湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ半夏厚朴湯エキス顆粒(医療用):約24.8円/包(3割負担の場合:約7円)
- クラシエ半夏厚朴湯エキス細粒(医療用):約13.2円/包(3割負担の場合:約4円)
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか?
漢方薬も薬ですので、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。つわりの治療に使われることもありますが、妊娠中は体の状態が特殊なため、慎重な判断が必要です。
Q. 子供でも使えますか?
はい、神経質で、咳払いやつわり様の症状があるお子様などに使われることがあります。 ただし、お子様の場合は、体重や年齢に応じて服用量を細かく調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。
Q. いつから効きますか?
漢方薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性は期待しにくいですが、症状の強さや体質によっては、比較的早く(数日〜1週間程度で)喉のつかえ感や気分の落ち込みに変化を感じる方もいます。一般的には、2週間〜1ヶ月程度続けることで、効果が安定してきます。詰まり感・吐き気は早いと数日、精神的な軽さは2〜4週間で実感する人が多いです。
Q. 喉のつかえ感「梅核気(ばいかくき)」とは何ですか?
「梅干しの種が喉に詰まっているような感じがするが、飲み込もうとしても、咳払いをしても取れない」という、ストレスや不安が原因で起こる喉の異常感覚のことです。半夏厚朴湯は、この梅核気の治療に最もよく使われる代表的な漢方薬です。
Q. 抗不安薬や精神安定剤とは違うのですか?
全く違います。 西洋薬が脳に直接作用して不安を抑えるのに対し、半夏厚朴湯は、不安の原因となっている「気」の滞りをスムーズに流すことで、結果的に心と体の両方を楽にするお薬です。
まとめ
半夏厚朴湯は、ストレスや不安が原因で起こる、「喉のつかえ感(梅核気)」の治療に非常に良く使われる、安全性の高い漢方薬です。
滞った「気」の流れをスムーズにすることで、喉の違和感だけでなく、動悸や吐き気、不安な気分まで和らげてくれます。
原因不明の喉の不快感にお悩みの方は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
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