【漢方】荊芥連翹湯の効果・副作用を医師が解説【ニキビ・鼻炎・蓄膿症に】

荊芥連翹湯

「繰り返す大人ニキビが治らない…」 「いつも鼻がグズグズ…これって慢性鼻炎?」 「季節の変わり目に、のどが腫れやすい…」

そんな、顔や首から上に起こるしつこい炎症の悩みに対し、病院で「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」という漢方薬を処方された方もいるかもしれません。

この記事では、そんな慢性的なトラブルを体の内側から整えていく漢方薬について、その効果や仕組み、副作用などを医師が解説します。

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荊芥連翹湯とは?効果は?

荊芥連翹湯は、ひと言でいうと「顔や首周りの慢性的な炎症を、体の内側から鎮めていく漢方薬」です。
ニキビや鼻炎に対して、ただ症状を抑えるだけでなく、そのような症状が起こりにくい体質へと導くことを目的としています。

医療用では、主に「ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。錠剤タイプも存在しています。

荊芥連翹湯の成分

荊芥連翹湯は、以下の17種類の生薬(しょうやく)で構成されています。

  • 荊芥(ケイガイ)
  • 連翹(レンギョウ)
  • 防風(ボウフウ)
  • 当帰(トウキ)
  • 芍薬(シャクヤク)
  • 川芎(センキュウ)
  • 地黄(ジオウ)
  • 黄芩(オウゴン)
  • 黄耆(オウギ)
  • 黄柏(オウバク)
  • 山梔子(サンシシ)
  • 枳実(キジツ)
  • 甘草(カンゾウ)
  • 桔梗(キキョウ)
  • 柴胡(サイコ)
  • 白芷(ビャクシ)
  • 薄荷(ハッカ)

荊芥連翹湯効果

生薬が協力し合い、以下のような働きをします。

  • 熱を冷まし、炎症を抑える(清熱): 荊芥、連翹、薄荷などが、ニキビや鼻炎の原因となる体の熱や炎症を鎮めます。
  • 膿を出す(排膿): 桔梗、枳実などが、溜まってしまった膿を体の外に出しやすくします。
  • 血の巡りを整える(活血): 当帰、芍薬などが血行を促し、皮膚に栄養を行き渡らせることで、皮膚トラブルの改善を助けます。

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • にきび
  • 副鼻腔炎(蓄膿症)、慢性鼻炎
  • 慢性扁桃炎

体の内側から炎症体質を改善していくイメージのお薬です。

荊芥連翹湯はオンライン診療で出せる?

「鼻炎やニキビが治らない」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

荊芥連翹湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
荊芥連翹湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

荊芥連翹湯の使い方(用法・用量

1日2〜3回、1回1包(2.5g)を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。

漢方薬は空腹時に飲む方が吸収が良いとされていますが、胃がもたれる場合は食後に飲むなど、医師や薬剤師に相談してみてください。

荊芥連翹湯の副作用

漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。

主な副作用

  • 胃腸症状:食欲不振、胃の不快感、腹痛、吐き気、下痢など
  • 偽アルドステロン症:手足のだるさ、しびれ、つっぱり感、こわばりに加えて、むくみ、血圧が上がるなどの症状。
  • 肝機能障害、間質性肺炎:頻度は極めてまれです。

副作用が出たときの対処法

「いつもと違うな」と感じる症状が出た場合は、すぐに服用を中止し、処方してくれた医師や薬剤師に連絡してください。

特に、上記の重大な副作用の初期症状が疑われる場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

荊芥連翹湯の注意事項(禁忌)

使ってはいけない方

絶対に使ってはいけない方(禁忌)はありませんが、以下のような方は注意が必要です。

  • 胃腸が弱く、下痢をしやすい方
  • 体力が著しく衰えている方
  • 高齢の方
  • これまでに薬でアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 高血圧、心臓病、腎臓病の持病がある方

併用に注意が必要な薬

絶対に使ってはいけないお薬(併用禁忌)はありませんが、以下のような薬には注意が必要です。

  • 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬や医薬品 (甘草の過剰摂取となり、「偽アルドステロン症」のリスクが高まるため)

使用上の注意

漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。

この荊芥連翹湯は、比較的体力があり、皮膚が浅黒く、体に熱がこもりやすいような方のニキビや鼻炎に適しています。

1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。

保管方法

  • 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、荊芥連翹湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

荊芥連翹湯に市販薬はある?値段は?

市販薬

荊芥連翹湯は、市販薬としても販売されています

クラシエや小林製薬(「チクナイン」の処方の一つ)などから、錠剤タイプや顆粒タイプが発売されており、薬局やドラッグストアで購入できます。

ジェネリック

漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。

しかし、ツムラ以外にも、クラシエなど、複数のメーカーが同じ「荊芥連翹湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用):約18.6円/包(3割負担の場合:約6円)
  • クラシエ荊芥連翹湯エキス細粒(医療用):約10.2円/包(3割負担の場合:約3円)

※2025年8月8日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)

よくある質問(FAQ)

Q.妊娠中や授乳中でも使えますか?

妊娠中・授乳中の安全性はまだ確立されていません。自己判断で飲むのは絶対にやめましょう。どうしても必要な場合は、治療のメリットがリスクを上回ると医師が判断したときに限り処方されます。必ず医師にご相談ください。

Q.子供でも使えますか?

医師の判断のもと、お子さんのニキビや鼻炎などに処方されることがあります。その場合、年齢や体重に合わせて服用量が調整されます。

Q.どのくらいで効きますか?

急な症状に使うお薬ではないため、効果を実感するまでには少し時間がかかります。体質や症状によりますが、一般的に2週間〜1ヶ月程度の服用で効果を見ることが多いです。
効果がないと感じても、自己判断で中断せず医師に相談しましょう。

Q.アトピーにも効きますか?

炎症を抑える作用があるため、アトピー性皮膚炎の治療に補助的に使われることがあります。
ただし、アトピーの治療は体質や状態に合わせた総合的な判断が必要ですので、必ず専門の医師に相談してください。

Q.お酒と一緒に飲んでも大丈夫?

直接的な悪い影響(相互作用)はありません。
しかし、アルコールは炎症を悪化させたり、体の熱を増やしたりする可能性があるため、ニキビや鼻炎の症状が強いときは、飲酒を控えることをお勧めします。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分は含まれていないため、服用後の運転や機械の操作に制限はありません。

 

荊芥連翹湯の処方はウチカラクリニックオンライン診療で!

荊芥連翹湯は、体にこもった熱が原因で起こる「しつこいニキビ」や「慢性的な鼻炎・蓄膿症」などを、体の内側から改善してくれる漢方薬です。

効果を最大限に引き出すには、自分の体質に合っていることが何より大切です。

ウチカラクリニックでは、ご自宅からスマホ一つで相談できるオンライン診療にて、漢方の処方を行っています。外出がつらい時でも、通院の負担なく、気軽に専門的なアドバイスや、症状に合わせた薬の処方を受けることが可能です。

体調不良のお悩み。一人で悩まず、私たちと一緒に原因を探り、解決していきませんか?まずはお気軽にご相談ください。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。