【漢方】桂枝湯のすごい効果・副作用を医師が解説

桂枝湯

「なんだかゾクゾクと寒気がする…」 「体がだるくて、少し熱っぽいし、汗ばんで気持ち悪い」 「体力が落ちているときに、風邪をひいてしまったみたい」

そんな、体力がなく弱っているときの「ひきはじめの風邪」に、漢方薬の「桂枝湯(けいしとう)」が処方されることがあります。

今回は、この桂枝湯がどのようなお薬なのか、有名な「葛根湯」との違いや効果、副作用について、基本からやさしく解説していきます。

 

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桂枝湯とは?効果は?

桂枝湯は、多くの漢方薬のベースとなっている、基本中の基本の処方です。
「体力が落ちている人の、汗ばむような『ひきはじめの風邪』をやさしく治すお薬」です。体を穏やかに温め、体表のエネルギーバランスを整えることで、自然な治癒力をサポートします。

医療用では、主に「ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。

桂枝湯の成分

桂枝湯は、以下の5種類の生薬(しょうやく)で構成されています。

  • 桂皮(ケイヒ)、生姜(ショウキョウ)
     →体をやさしく温め、悪寒を和らげるグループ
  • 芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)
     →体の栄養と潤いを補い、汗で失われたエネルギーを補給するグループ
  • 甘草(カンゾウ)
     →全体の働きを調和させるグループ

漢方では、体力が落ちていると、体を守るバリア機能(衛気)と、体に栄養を与えるエネルギー(営気)のバランスが崩れると考えます。このアンバランスが、寒気がするのに汗がダラダラと出てしまう、という不思議な状態を引き起こします。

桂枝湯は、これらの生薬が協力して、まず体を温めて寒気を追い払い、同時に汗で失われた栄養と潤いを補給します。これにより、崩れたバランスを整え、体が本来持つ「風邪を追い出す力」を取り戻す手助けをします。

桂枝湯の効果

  • 体のバランスを整え、風邪の初期症状を改善する効果

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 体力虚弱で、汗の出るものの次の諸症:
    • かぜの初期

桂枝湯はオンライン診療で出せる?

「ゾクッときて、風邪のひきはじめかも…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

桂枝湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
桂枝湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

桂枝湯の使い方(用法・用量)

1日2〜3回、1回1包を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。

メーカーにより1包の量などが異なります。詳細は医師や薬剤師の指示に従ってください。

通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。

桂枝湯の副作用

漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。

主な副作用

主な副作用として、発疹、かゆみ、食欲不振、胃の不快感などが報告されていますが、頻度は高くありません。

まれですが、注意すべき副作用として、低K血症に伴うミオパチーや配合されている甘草(カンゾウ)による「偽アルドステロン症」(むくみ、血圧上昇など)があります。

副作用への対処法

むくみやだるさは「偽アルドステロン症」の初期症状かもしれません。

気になる症状が出た場合は、すぐに医師や薬剤師に相談してください。

桂枝湯の注意事項(禁忌)

注意が必要な方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方(禁忌)
  • 体力が充実しており、汗を全くかいていない「実証」タイプの方(葛根湯など、より適した処方があります)
  • のぼせが強く、赤ら顔の方
  • 妊婦・授乳婦・小児・高齢者

併用に注意が必要な薬

  • 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬や医薬品

使用上の注意

漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。

桂枝湯は、顔色が悪く、疲れやすいといった「虚証(きょしょう)」タイプで、かつゾクゾクするのに汗ばんでいる、という状態の方に適しています。

保管方法

  • 直射日光や湿気を避け、涼しい場所に保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、桂枝湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

桂枝湯に市販薬はある?値段は?

市販薬

桂枝湯は、ドラッグストアなどで購入できる市販薬も販売されています。代表的なものには以下のような製品があります。

  • 「クラシエ」漢方桂枝湯エキス顆粒 (クラシエ)
  • ツムラの漢方 桂枝湯エキス顆粒 (ツムラ)
  • NIDコタロー 桂枝湯エキス顆粒 (小太郎漢方製薬)

製品によって顆粒や錠剤といった剤形や、用法・用量が異なりますので、購入の際はパッケージをよく確認し、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。

ジェネリック

漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。

しかし、ツムラ以外にも、JPSなど、複数のメーカーが同じ「桂枝湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用):約16.75円/包(3割負担の場合:約5.0円)

※2025年9月15日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)

よくある質問(FAQ)

Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?

非常に穏やかな処方ですが、自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。

Q.子どもでも飲めますか?

はい、お子さんのひきはじめの風邪によく使われます。その場合、年齢や体重に合わせて服用量が調整されます。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分は含まれていないため、運転や機械の操作に影響はありません。

Q.いつから効き始めますか?

ひきはじめの本当に初期段階で服用するのがポイントです。タイミングが合えば、数時間~半日程度で悪寒が和らぐなど、効果を感じることが期待できます。

Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?

風邪の治療中は、体の免疫力を落とさないためにも飲酒は避けるべきです。お薬の効果をしっかり得るためにも、体を休めることを優先しましょう。

Q.「葛根湯(かっこんとう)」との違いは何ですか?

対象となる体力と、「汗をかいているかどうか」が決定的な違いです。

  • 桂枝湯: 体力があまりなく(虚証)、寒気がするのに汗ばんでいる人向け。
  • 葛根湯: 体力があり(実証)、寒気がして熱もあるのに、全く汗をかいていない人向け。肩や首筋の強いこわばりも特徴です。 体質を見誤ると効果が出ないため、この使い分けが非常に重要です。

 

まとめ

桂枝湯は、体力が落ちているときの「ゾクゾクして汗ばむ」という風邪のサインに、ぴたりと合う漢方薬です。多くの漢方薬の基本となる、やさしくも頼れる処方です。

「このひきはじめの症状、葛根湯とどっちがいいんだろう?」
「自分の体質に合った漢方薬で、風邪をうまく治したい」

そんなときは、一人で抱え込まずに専門家である医師に相談してみましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。

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通院の手間なく、ご自身の体質や症状に合った漢方薬についてじっくりと相談できます。風邪のひきはじめの不調に、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。