レボセチリジン塩酸塩の効果・副作用を医師が解説！【花粉症/アレルギーの治療に！】

レボセチリジンの使い方（用法・用量）

レボセチリジンは、通常1日1回、寝る前に服用します。食事の影響はあまり受けないと言われていますが、空腹時の方が吸収が良いともされています。

年齢や症状によって量が違うので、必ずお医者さんの指示通りに飲んでください。

• 大人（15歳以上）: 1回5mg（レボセチリジン錠5mgなら1錠）
• お子さま（7歳以上15歳未満）: 1回5mg（レボセチリジン錠5mgなら1錠）
• 1歳以上～7歳未満：1回0.125mg/kg（例えば体重10kgなら1.25mg、シロップなら2.5mL）を1日2回、朝ごはんと寝る前（または1回0.25mg/kgを1日1回寝る前）など、医師が調整します。
• 生後6ヶ月～1歳未満：1回0.125mg（レボセチリジンシロップなら1.25mL）を1日1回

レボセチリジンの副作用

レボセチリジンは比較的副作用が少ないお薬ですが、人によっては次のような症状が出ることがあります。

主な副作用

• 眠気: 一番多い。個人差が大きい。
• 口の渇き
• 頭痛、頭が重い感じ
• だるさ
• 吐き気、お腹の不快感、下痢などの消化器症状

ごくまれですが、肝機能障害、けいれん、血小板減少などが報告されています。

副作用が出たときの対処法

軽い症状であれば、お薬を続けているうちに治まることもあります。
しかし、症状が気になる場合や、生活に支障が出るような場合は、自己判断で中止せず、処方した医師や薬剤師に相談してください。

レボセチリジンの注意事項（禁忌）

使ってはいけない方

絶対に使ってはいけない方（禁忌）

• 過去にレボセチリジン塩酸塩や、ピペラジン誘導体（ヒドロキシジンを含む）でアレルギー症状（かゆみ、発疹など）を起こしたことがある方
• 重い腎臓の病気（クレアチニンクリアランス10mL/min未満）のある方

使うときに特に注意が必要な方

• 腎臓の機能が低下している方（お薬が体から出ていくのが遅れるため、量を調整する必要があります）
• 肝臓の機能が低下している方
• 高齢者の方（腎機能が低下していることが多いため）
• てんかんなどのけいれん性の病気がある方、または過去にあった方（けいれんを起こしやすくなる可能性があります）

併用に注意が必要な薬

• 中枢神経抑制薬（鎮静薬、安定剤など）：眠気などが強く出ることがあります。
• アルコール（お酒）: 眠気や集中力の低下がひどくなることがあります。
• テオフィリン（気管支ぜんそくのお薬）
• リトナビル（HIVのお薬）
• その他、一部の抗不整脈薬など

使用上の注意

眠気への注意	眠気は出にくいとされていますが、個人差があります。初めて服用する際や、眠気を感じる場合は、自動車の運転など危険な作業は避けましょう。
効果がないと感じたら	自己判断で量を増やしたりせず、医師に相談してください。

保管方法

• 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
• 子どもの手の届かない場所へ。
• シロップ剤は、開封後の使用期限にも注意してください。

飲み忘れたら？

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を飲んでください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。 （空腹時服用のルールも守るようにしてください。）

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、レボセチリジンをはじめとしたアレルギー薬の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

レボセチリジンに市販薬はある？値段は？

市販薬

レボセチリジンと同じ有効成分「レボセチリジン塩酸塩」を含む市販薬は、2024年現在「ストナリニ Zジェル」「コンタック鼻炎 Z」などがあります。

ただし、これらはアレルギー性鼻炎の症状（鼻みず、鼻づまり、くしゃみ）に限られ、15歳以上が対象で、使用期間の目安も決められています。じんましんや皮膚のかゆみには使えません。 市販薬を使う場合は、薬剤師さんによく相談してくださいね。

ジェネリック名

レボセチリジン自体がジェネリック医薬品（後発品）です。

先発品として、「ザイザル錠/シロップ「製薬会社名」」が販売されています。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

• レボセチリジン塩酸塩錠5mg「サワイ」など（ジェネリックの一例）: 1錠あたり 約20～30円 (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり 約6～9円)
• ザイザルⓇ錠5mg（先発品）: 1錠あたり 約70～80円 (3割負担の場合、自己負担額は1錠あたり 約21～24円)

※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「YD」／レボセチリジン塩酸塩錠5mg「YD」

レボセチリジン塩酸塩OD錠2.5mg「日新」／レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「日新」

レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「TCK」

よくある質問（FAQ）

Q. 妊婦や授乳中でも飲めますか？
治療によるメリットが危険性を上回ると医師が判断した場合にのみ使用されます。安全性が完全に確立されているわけではないため、自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。

Q. 赤ちゃんや子供でも使えますか？
レボセチリジン塩酸塩シロップは生後6ヶ月の赤ちゃんから使えます。錠剤は7歳以上が目安です。年齢や体重によって使う量が変わるので、必ずお医者さんの指示に従ってください。市販薬は15歳以上が対象です。

Q. 運転してもいいですか？
レボセチリジンは眠気が出ることがあります。個人差が大きいので、初めて飲む場合や、少しでも眠気を感じる場合は、自動車の運転や危険な作業は避けてください。

Q. いつから効きますか？
効果の現れ方には個人差がありますが、一般的には飲んでから1時間くらいで効果を感じ始めることが多いと言われています。比較的早く効き目が出るお薬です。

Q. お酒と一緒に飲んでも大丈夫？
レボセチリジンを飲んでいる間にお酒を飲むと、眠気やふらつきなどの副作用が強く出てしまう可能性があります。できるだけ避けるか、お医者さんに相談するのが安心です。

Q. 他の抗ヒスタミン薬（アレグラ、タリオンなど）との違いは？
アレグラ（フェキソフェナジン）、タリオン（ベポタスチン）も同じ第2世代抗ヒスタミン薬の仲間です。効果の強さや持続時間、眠気の出やすさ、1日の服用回数、食事の影響の有無などが少しずつ違います。
レボセチリジン塩酸塩は、効果が比較的強く、持続時間も長い（1日1回）ですが、眠気はアレグラよりは出やすく、タリオンと同程度かやや出やすいと感じる人もいます。

まとめ

レボセチリジン塩酸塩は、つらいアレルギー性鼻炎やじんましん、皮膚のかゆみに対して、比較的早くしっかりとした効果が期待できるお薬です。眠気には個人差があるので注意が必要ですが、お子さま（生後6ヶ月から）も使えるシロップがあり、1日1回の服用で済むことが多いのが特徴です。

「ザイザル」のジェネリック医薬品で市販薬（鼻炎症状のみ）もあり、治療の選択肢の一つになりますね。

お薬の効果をしっかり引き出し、安全に使うためには、正しい飲み方を守り、副作用や注意点をよく理解しておくことが大切です。そして、症状が良くならない場合や、何か気になることがあれば、自己判断しないで、お医者さんや薬剤師さんに相談しましょう。

この記事が、レボセチリジンへの正しい理解を深め、皆さんのつらいアレルギー症状をコントロールし、より快適な毎日を送るためのお手伝いになれば嬉しいです。