「食欲がなく、食べても胃がもたれる…」「疲れやすくて、元気が出ない」
そんな、胃腸の不調と、それに伴う元気のなさを感じていませんか？ 「六君子湯（リックンシトウ）」は、“胃腸の元気”を取り戻すことで、食欲不振や胃もたれといった症状を改善する、代表的な漢方薬です。
この記事では、そんな六君子湯について、漢方ならではの効果の仕組みや副作用、そして正しい飲み方を、医師が分かりやすく解説していきます。
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六君子湯とは？効果は？
六君子湯（リックンシトウ）は、胃腸の働きが弱っている（胃腸虚弱）方の、食欲不振、胃もたれ、みぞおちのつかえ、疲れやすさなどを改善する漢方薬です。
西洋薬が特定の症状をピンポイントで抑えるのに対し、六君子湯は胃腸全体の機能を高め、体にエネルギー（漢方でいう「気」）を補うことで、不調を根本から改善することを目指します。
医療用では、主に「ツムラ六君子湯エキス顆粒（医療用）」のように、製薬会社名がついたエキス剤（粉薬）が処方されます。
六君子湯の成分
六君子湯は、以下の8種類の生薬（しょうやく）で構成されています。
- 人参（ニンジン）、白朮（ビャクジュツ）、茯苓（ブクリョウ）、甘草（カンゾウ）
→エネルギーである「気」を補い、胃腸を元気にする基本の4種（四君子湯）。 - 半夏（ハンゲ）、陳皮（チンピ）
→余分な水分を取り除き、気の巡りを良くして、吐き気や胃もたれを改善する。 - 大棗（タイソウ）、生姜（ショウキョウ）
→他の生薬の働きを助け、胃腸を温める。
漢方では、「気虚（ききょ）」というエネルギー不足の状態で、かつ胃腸に余分な水分が溜まっていると、食欲不振や胃もたれが起こると考えます。六君子湯は、気を補い、水の巡りを良くすることで、「疲れた胃」を元気に動かす働きをします。
六君子湯の効果
胃腸の機能を高め、それに伴う様々な症状を改善します。
- 食欲不振、胃もたれ、胃の不快感
- 吐き気、嘔吐
- みぞおちのつかえ感
- 疲れやすさ、元気がない
どんなときに使う？（適応疾患・部位）
- 胃腸が弱く、食欲がなく、みぞおちがつかえ、疲れやすいものの次の諸症状
- 食欲不振、胃もたれ、胃炎、消化不良、胃痛、嘔吐
近年では、機能性ディスペプシアや、がん化学療法に伴う食欲不振などにも応用されています。
六君子湯はオンライン診療で出せる？
「胃もたれが酷い、吐き気まで出てきた…」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
六君子湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
六君子湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
六君子湯の使い方（用法・用量）
1日2〜3回、1回1包（2.5g）を食前または食間（食事と食事の間）の空腹時に服用するのが基本です。年齢や体重、症状により調整されるので、必ず医師の指示通りに使用してください。
通常、そのまま水や白湯で服用しますが、お湯に溶かして、香りや温かさを感じながら飲むと、より効果的とされることもあります。
六君子湯の副作用
漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。
主な副作用
- 発疹、かゆみなどの皮膚症状
- 肝機能の異常（体がだるい、皮膚や白目が黄色くなるなど）
構成生薬の「甘草（カンゾウ）」の長期・大量服用により、偽アルドステロン症がまれに起こることがあります。主な症状は、むくみ、血圧の上昇、手足の脱力感・しびれ、筋肉痛などです。
副作用が出たときの対処法
何か異常を感じた場合は、服用を中止し、速やかに医師や薬剤師に相談してください。
六君子湯の注意事項（禁忌）
使ってはいけない方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方（禁忌）
- ご高齢の方
- 低カリウム血症、高血圧、心臓病、腎臓病の診断を受けている方
併用に注意が必要な薬
- 他の漢方薬（特に「甘草」を含むもの）を服用中の方
- ループ利尿薬→低K血症リスク
- プレドニゾロン→ミネラルコルチコイド作用↑
- グリチルリチン含有製剤→カンゾウが重複
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質（「証」といいます）に合わせて選ばれます。
六君子湯は、比較的体力がない「虚証」タイプの方に適しています。
1日3回きちんと続け、2週間経っても変化がなければ医師へ相談しましょう。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避け、室温で保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら？
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、六君子湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。
六君子湯に市販薬はある？値段は？
市販薬
「ツムラ漢方六君子湯エキス顆粒」や「クラシエ薬品「クラシエ」漢方六君子湯エキス顆粒」などの名前で、多くのメーカーから市販されています。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、クラシエやコタローなど、複数のメーカーが同じ「六君子湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ六君子湯エキス顆粒（医療用）：約27.7円/包（3割負担の場合：約8円）
- クラシエ六君子湯エキス細粒（医療用）：約14.6円/包（3割負担の場合：約4円）
※2025年6月4日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問（FAQ）
Q. 妊婦や授乳中でも使えますか？
比較的安全に使えるとされていますが、漢方薬も薬です。自己判断で使用せず、必ず医師に相談してください。特に、妊娠中は体質が変化しやすいため、慎重な判断が必要です。
Q. 子供でも使えますか？
はい、小児の食欲不振や胃腸虚弱にも広く使われます。 ただし、お子様の場合は、体重や年齢に応じて服用量を細かく調整する必要がありますので、必ず医師の指示に従ってください。
Q. いつから効きますか？
漢方薬は、体質をじっくりと改善していくお薬です。即効性は期待できません。個人差はありますが、まずは2週間〜1ヶ月程度、毎日きちんと飲み続けることで、少しずつ効果が現れてくることが多いです。
Q. 西洋薬の胃薬（ガスモチンなど）との違いは何ですか？
アプローチが全く違います。 ガスモチンのような西洋薬は、「胃の動きが悪い」という特定の機能に直接働きかけます。一方、六君子湯は、胃腸だけでなく、体全体のエネルギー（気）を補い、バランスを整えることで、結果として胃の不調を改善します。疲れやすさなど、全身の症状も一緒に改善が期待できるのが漢方薬の特徴です。
Q. 飲み方のコツはありますか？
漢方薬は、食前や食間の空腹時に飲むのが基本です。胃に食べ物がない方が、生薬の成分が吸収されやすいと考えられているためです。また、本来は煎じ薬なので、白湯に溶かして、香りを感じながら温かくして飲むと、より吸収が良くなるとも言われています。
まとめ
六君子湯は、胃腸の働きを根本から元気にすることで、食欲不振や胃もたれ、それに伴う倦怠感を改善する、日本で広く使われている漢方薬です。
効果を実感するには、毎日コツコツと飲み続けることが大切です。西洋薬の胃薬でしっくりこない方や、体質から改善したいと考えている方は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
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