【漢方】竜胆瀉肝湯の効果・飲み方・副作用を医師が解説!

竜胆瀉肝湯

「排尿時にツーンとした痛みや熱感がある」 「おりものの量や状態がいつもと違う」 「デリケートゾーンのかゆみが治まらない」

そんな、泌尿器やデリケートゾーンのつらい炎症症状に、漢方薬の「竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)」が処方されることがあります。

今回は、この竜胆瀉肝湯がどのようなお薬なのか、その効果の仕組みや副作用、そしてどのような人に合うのかについて、医師がやさしく解説していきます。

 

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竜胆瀉肝湯とは?効果は?

竜胆瀉肝湯は、下腹部(泌尿器・生殖器周辺)の熱や炎症を冷まし、鎮めるために用いられる漢方薬です。

その名前は、主役である「竜胆」という生薬が、「肝」の経絡(エネルギーの通り道)の熱を瀉(しゃ:取り除く)ことに由来します。比較的体力がある方の、膀胱炎やおりもの異常、陰部のかゆみなどに使われます。

医療用では、主に「ツムラ竜胆瀉肝湯エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。

 

竜胆瀉肝湯の成分

竜胆瀉肝湯は、以下の9種類の生薬(しょうやく)で構成されています。

  • 竜胆(リュウタン)、黄芩(オウゴン)、山梔子(サンシシ)、木通(モクツウ)、車前子(シャゼンシ)、沢瀉(タクシャ)
     →熱と余分な水分を取り除くグループ
  • 当帰(トウキ)、地黄(ジオウ)
     →血(栄養)を補い、巡りを良くするグループ
  • 甘草(カンゾウ)
     →全体の働きを調和させるグループ

漢方では、ストレスや不摂生などで体内に「湿熱(しつねつ)」という、ジメジメした熱がこもると考えます。この湿熱が下腹部に溜まることで、排尿痛や、色の濃いおりもの、強いかゆみといった炎症症状が引き起こされます。

竜胆瀉肝湯は、これらの生薬により、下腹部の不快な症状を鎮め、正常な状態へと導きます。

 

竜胆瀉肝湯の効果

  • 抗炎症作用: 泌尿器や生殖器の炎症を鎮め、痛みやかゆみを和らげます。
  • 利尿作用: 尿の出を良くし、原因菌や炎症物質を洗い流すのを助けます。

 

どんなときに使う?(適応疾患・部位)

  • 比較的体力があり、下腹部に熱感や痛みがあるものの次の諸症:
    • 排尿痛、残尿感、尿のにごり、こしけ(おりもの)
    • (応用として)膀胱炎、尿道炎、腟炎、外陰炎など

 

竜胆瀉肝湯はオンライン診療で出せる?

「デリケートゾーンのかゆみが気になる」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」

そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。

竜胆瀉肝湯のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。

ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。

ウチカラクリニックでも、
竜胆瀉肝湯に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。

特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。

竜胆瀉肝湯の使い方(用法・用量)

1日2〜3回、1回1包を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。

水または白湯(さゆ)で服用してください。

メーカーにより1包の量などが異なります。詳細は医師や薬剤師の指示に従ってください。

竜胆瀉肝湯の副作用

漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。

主な副作用

主な副作用として、食欲不振、胃の不快感、下痢、発疹、かゆみなどが報告されています。

まれですが、注意すべき重大な副作用として、間質性肺炎と、配合されている甘草(カンゾウ)による「偽アルドステロン症」ミオパチー肝機能障害・黄疸があります。

 

副作用への対処法

体を冷やす作用があるため、もともと胃腸が弱い方は、胃もたれなどを感じることがあります。

息切れ」「息苦しさ」「空咳」「発熱」などは、間質性肺炎の初期症状、「手足のだるさ」「しびれ」「つっぱり感」「むくみ」「血圧の上昇」などは、偽アルドステロン症の初期症状かもしれません。

このような症状が現れた場合は、すぐに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

 

竜胆瀉肝湯の注意事項(禁忌)

注意が必要な方

  • 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方
  • 著しく体力が衰えている方、体の冷えが強い「虚証」「寒証」タイプの方(体を冷やしすぎるため、向きません)
  • 胃腸が非常に弱い方
  • 高血圧、心臓病、腎臓病のある方

併用に注意が必要な薬

  • 甘草(カンゾウ)を含む他の漢方薬や医薬品

使用上の注意

漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
竜胆瀉肝湯は、比較的体力があり(実証)、炎症による熱症状(熱証)がはっきり出ている方に適しています。

 

保管方法

  • 直射日光や湿気を避け、涼しい場所に保管してください。
  • 子どもの手の届かない場所へ。

飲み忘れたら?

気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。

ウチカラクリニックのオンライン診療でも、竜胆瀉肝湯をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

竜胆瀉肝湯に市販薬はある?値段は?

市販薬

クラシエなどから、具体的な製品名で販売されています。

製品によって顆粒や錠剤といった剤形や、用法・用量が異なりますので、購入の際はパッケージをよく確認し、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。

ジェネリック

漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。

しかし、ツムラ以外にも、コタローなど、複数のメーカーが同じ「竜胆瀉肝湯」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。

薬価

時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。

  • ツムラ竜胆瀉肝湯エキス顆粒2.5 g(医療用):約41.0円/包(3割負担の場合:約12円)
  • コタロー 竜胆瀉肝湯エキス細粒3.0 g(N76):約33.0円/包(3割負担の場合:約10円)

※2025年10月2日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。

添付文書

ツムラ竜胆瀉肝湯エキス顆粒(医療用)

よくある質問(FAQ)

Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?

自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。体を冷やす作用や、子宮に影響を与える可能性のある生薬が含まれているため、妊娠中は特に慎重な判断が必要です。

Q.子どもでも飲めますか?

基本的には成人に使われることが多く、お子さんに使われることはまれです。臨床試験も未実施です。

Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?

眠くなる成分は含まれていないため、運転や機械の操作に影響はありません。

Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?

治療中の飲酒は絶対に避けてください。アルコールは漢方でいう「湿熱」そのものであり、炎症を悪化させる最大の原因の一つです。お薬で火事を消そうとしているのに、ガソリンを注ぐようなものだと考えてください。

Q.いつから効き始めますか?

膀胱炎の排尿痛など、急性の炎症症状に対しては、比較的速やかに効果が期待できます。体質に合っていれば、数日の服用で、痛みやかゆみが和らいでくることが多いです。

Q.「猪苓湯」との違いは何ですか?

どちらも膀胱炎などによく使われますが、得意な症状が違います。

  • 猪苓湯: 比較的症状が穏やかで、排尿痛や残尿感など「排尿トラブル」が中心の場合に。
  • 竜胆瀉肝湯: 炎症が強く、排尿痛に加えて陰部のかゆみや色の濃いおりものなど、より「熱」の症状がはっきりしている場合に。

 

まとめ

竜胆瀉肝湯は、膀胱炎やデリケートゾーンのかゆみなど、人に相談しにくい下腹部のつらい炎症症状を、体の内側から鎮めてくれる頼れる漢方薬です。大切なのは、ご自身の体質が「体力があり、熱を持っているタイプ」であるかを見極めることです。

「このつらい症状、漢方でなんとかならないかな?」
「デリケートな悩みなので、病院に行きにくい…」

そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。

ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。

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通院の手間なく、ご自身の体質や症状に合った漢方薬についてじっくりと相談できます。長引く不調にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。

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ウチカラクリニック代表医師

経歴

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。