
「のどが痛くて病院に行ったら処方された」「血が止まりにくい時に使ったことがあるかも…」そんな「トラネキサム酸」。
実は、さまざまな場面で私たちの健康をサポートしてくれる頼もしいお薬なんです。
この記事では、トラネキサム酸について、その働きや効果、正しい使い方、気になる副作用や注意点などを、医師が分かりやすく、やさしく解説していきます。
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トラネキサム酸とは?効果は?
トラネキサム酸は、主に出血を止めやすくするお薬(止血剤)として使われるほか、炎症を抑える効果やアレルギー症状を和らげる効果も持っています。
そのため、のどの痛みや腫れ、皮膚の湿疹など、幅広い症状の治療に用いられます。
医療機関で処方されるほか、市販の風邪薬などにも配合されていることがあります。
トラネキサム酸の成分
トラネキサム酸の主な働きは、体内で「プラスミン」という物質の働きを抑えることです。
「プラスミン」と聞いてもピンとこないかもしれませんが、このプラスミンは、実は私たちの体の中でいろいろなことに関わっています。
- 出血時: 血液を固める働き(血栓)を溶かして、出血を止まりにくくする方向に作用します。
- 炎症やアレルギー時: 炎症を引き起こす物質を活性化させたり、アレルギー反応を強めたりします。
トラネキサム酸は、このプラスミンの働きをブロックすることで、以下のような効果を発揮します。
①止血作用
プラスミンが血栓を溶かすのを抑えるため、血が固まりやすくなり、出血を止めます。
②抗炎症作用・抗アレルギー作用
プラスミンによる炎症やアレルギー反応の増強を抑え、のどの痛みや腫れ、湿疹などを和らげます。
トラネキサム酸の効果
- 出血を止める、または出血量を減らす(手術中・後、鼻血、月経過多など)
- のどの痛みや腫れを和らげる(扁桃炎、咽喉頭炎など)
- 口内炎の痛みや腫れを和らげる
- 湿疹やじんましんなどの皮膚の炎症やアレルギー症状を抑える
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 全身のさまざまな部位からの出血(手術中・後の出血、鼻血、性器出血、腎出血など)
- 月経過多
- 扁桃炎、咽喉頭炎(のどの痛み、腫れ)
- 口内炎
- 湿疹、じんましん、薬疹
トラネキサム酸はオンライン診療で出せる?
「風邪でのどが痛い、オンラインで薬をもらえないかな?」「定期的なお薬なので、オンラインで処方してもらえたら…」といった場合、トラネキサム酸はオンライン診療でも処方してもらえるのでしょうか?
トラネキサム酸のような風邪のお薬も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
トラネキサム酸の処方や風邪の治療をオンライン診療にて承っております。
お薬のことはもちろん、食事や運動といった生活習慣に関するアドバイスも、経験豊富な医師が親身になってお話を伺います。
トラネキサム酸の種類
トラネキサム酸には、いくつかの剤形(お薬の形)があります。
- 錠剤・カプセル剤: 一般的に内服薬として処方されることが多いです。含有量によって「トラネキサム酸錠250mg」「トラネキサム酸カプセル500mg」などがあります。
- 散剤(粉薬)・シロップ: お子さんや錠剤が飲みにくい方向けです。
- 注射剤: 緊急時の止血や、より速やかな効果が必要な場合に使われます。
医療機関で処方されるのは、主に錠剤、カプセル剤が多いです。

トラネキサム酸の使い方(用法・用量)
トラネキサム酸の飲み方や量は、治療する目的(止血、炎症など)や年齢、症状によって大きく異なります。
一般的な成人は、のどの炎症などの抗炎症目的で1日750mg~2000mgを3~4回に分けて服用することが多いです。
- トラネキサム酸250mg:1回1~2錠を1日3~4回服用。
- トラネキサム酸500mg:1回0.5~1錠を1日3~4回服用。
必ず医師や薬剤師に指示された用法用量を守って服用してください。
自己判断で量を増やしたり減らしたりするのは絶対にやめましょう。
トラネキサム酸の副作用
トラネキサム酸は、比較的副作用が少ないお薬とされていますが、まれに副作用が起こることもあります。
主な副作用
- 消化器症状: 食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、胸やけなど
- 皮膚症状: かゆみ、発疹など
- その他: 眠気、頭痛など
特に注意が必要な副作用として「血栓症」がありますが、トラネキサム酸の服用によって血栓症のリスクが著しく高まるわけではありません。ただし、元々血栓ができやすい体質の方や、他のお薬との兼ね合いで注意が必要な場合があります。
副作用が出たときの対処法
軽い消化器症状の場合は、しばらく様子を見ても良い場合がありますが、症状が続く、またはひどくなるようであれば、医師や薬剤師に相談しましょう。かゆみや発疹が出たら、すぐに使用を中止し、医師や薬剤師に連絡してください。
極めてまれですが、息苦しさ、胸の痛み、手足のしびれや麻痺など、血栓症を疑う症状が出た場合直ちに医療機関を受診してください。
トラネキサム酸の注意事項・禁忌
使ってはいけない方
- トロンビンを投与中の方: 血栓ができやすくなる可能性があるため、一緒に使うことはできません。(禁忌)
- 血栓のある方(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎など)や、血栓症を起こすおそれのある方: 医師が慎重に判断します。必ず既往歴を伝えてください。
- 腎臓の機能が低下している方: お薬の排泄が遅れるため、投与量を調整する必要があります。
併用に注意が必要な薬
- ピル(経口避妊薬)を服用している方: ピルには血栓症のリスクをわずかに高める作用があるため、併用には注意が必要です。医師に必ず伝えてください。
- 止血剤(ヘモコアグラーゼなど)との併用: 医師の指示のもと慎重に行われます。
使用上の注意
目的によって用法用量が異なります。自己判断での中止や量の変更はしないでください。
長期間服用する場合も、医師の指示に従い、定期的な診察や検査を受けるようにしましょう。
保管方法
- 直射日光・高温多湿を避けて保管しましょう。
- 子どもの手の届かない場所に置いてください。
使い忘れたら?
気づいた時にできるだけ早く1回分を飲みましょう。
ただし、次の服用時間が近い場合は、忘れた分は飲まずに、次の時間に1回分だけ飲んでください。
絶対に2回分を一度に飲まないでください。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、トラネキサム酸の処方や喉の痛みなどの風邪の治療も行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

トラネキサム酸に市販薬はある?値段は?
市販薬
トラネキサム酸を配合した市販薬は、風邪薬などとして販売されています。価格は製品によって大きく異なります。医療用医薬品とは含有量や適応が異なる場合があるため、注意が必要です。
- ペラックT錠
- パブロンのど錠
- ペラックコールドTD錠
- ハレナース
- トラフル錠剤
さらにのど飴や喉スプレーも販売しています。
ジェネリック名
トラネキサム酸自体がジェネリック品です。トラネキサム酸錠250mg「〇〇」(〇〇には製薬会社名が入ります)などの名前で販売されています。
先発品は「トランサミン」という名前です。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品よりも安価なことが多いです。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- トランサミン錠250mg(先発品):1錠あたり約10.1円
- トランサミンカプセル250mg(先発品):1カプセルあたり約10.1円
- トラネキサム酸錠250mg(後発品):1錠あたり約5.6円~約8.0円
- トランサミンカプセル250mg(後発品):1カプセルあたり約5.6円~約7.5円
※2025年4月29日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q. 妊娠中や授乳中でも使えますか?
妊娠中や授乳中の方への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合に限られます。特に妊娠初期は慎重な判断が必要です。必ず事前に医師に相談し、指示に従ってください。自己判断での服用は避けましょう。
Q. 子供でも使えますか?
はい、お子さんの体重や年齢に応じて、医師が用法用量を調整して処方することがあります。主に止血やのどの炎症などに使われます。散剤(粉薬)の形もあります。
Q. トラネキサム酸を飲むと運転に影響はありますか?
まれに眠気が出ることが報告されていますが、運転能力に大きな影響を与えるというデータは多くありません。ただし、もし眠気を感じるようであれば、運転や危険な機械の操作は控えるようにしましょう。
Q. いつから効果が出ますか?
症状の程度などにより個人差はありますが、のどの痛み・炎症の場合は、数日間の服用で症状の改善が見られることが多いです。
Q.トラネキサム酸を飲んでいるとき、お酒を飲んでも大丈夫ですか?
トラネキサム酸自体とアルコールの直接的な相互作用は特に報告されていません。しかし、治療対象となっている疾患(例:のどの炎症、肝機能障害など)によっては、アルコールが悪影響を及ぼす可能性があります。
Q. 長期間飲んでも大丈夫ですか?
医師の指示のもと、適切な用法用量を守っていれば、比較的長期間の服用も可能な場合があります。ただし、定期的な医師の診察を受け、状態を確認してもらうことが大切です。自己判断での長期服用は避けましょう。
まとめ
トラネキサム酸は、止血、抗炎症、抗アレルギーと、多彩な効果を持つお薬です。
処方される目的もさまざまなので、医師や薬剤師の説明をよく聞き、指示された用法用量を守って正しく使用することが何よりも大切です。
市販薬にも含まれていますが、医療機関で処方されるものとは異なる場合もあります。
何か気になる症状がある場合は、まずは医療機関を受診し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。
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