
「皮膚がカサカサ乾燥するのに、赤みやかゆみもあってつらい」 「生理不順や更年期障害で、のぼせたりイライラしたりする」 「肌の色つやが悪く、皮膚トラブルがなかなか治らない」
そんな、体の「栄養不足(血虚)」と「熱っぽさ(熱証)」が混在した、複雑な不調に悩まされているときに、漢方薬の「温清飲(うんせいいん)」が処方されることがあります。
今回は、この温清飲がどのようなお薬なのか、その効果の仕組みや副作用、そしてどのような人に合うのかについて、医師がやさしく解説していきます。
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温清飲とは?効果は?
温清飲は、「血(けつ)」を補って体を潤しながら、同時に体の過剰な「熱」や炎症を冷ます働きを持つ漢方薬です。その名前は、体を温めるように栄養を与える働きと、熱を清める(冷ます)働きを併せ持つことに由来します。
“潤す力”と“冷ます力”を兼ね備えた、肌と女性のためのバランス調整漢方でカサカサと潤いがないのに、赤みやかゆみがある皮膚症状や、更年期障害などによく使われます。
医療用では、主に「ツムラ温清飲エキス顆粒(医療用)」のように、製薬会社名がついたエキス剤(粉薬)が処方されます。
温清飲の成分
温清飲は、栄養と潤いを補う「四物湯(しもつとう)」と、熱や炎症を冷ます「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」という、2つの有名な漢方薬を組み合わせた処方です。
- 当帰(トウキ)、芍薬(シャクヤク)、川芎(センキュウ)、地黄(ジオウ)
→血行を促進し、皮膚に栄養と潤いを届け、カサつきを改善する「四物湯」グループ - 黄連(オウレン)、黄芩(オウゴン)、黄柏(オウバク)、山梔子(サンシシ)
→皮膚の赤みやかゆみ、のぼせ、イライラといった「熱」の症状を鎮める「黄連解毒湯」グループ
漢方では、体の栄養や潤い(血)が不足すると、皮膚が乾燥し、同時に相対的に「熱」がこもりやすくなると考えます。これが、「乾燥しているのに、かゆくて赤い」という複雑な皮膚症状や、更年期障害の「冷えのぼせ」などの原因となります。
温清飲は、「潤すチーム」と「冷ますチーム」が協力することで、この複雑な状態をバランス良く整え、つらい症状を改善していきます。
温清飲の効果
- 皮膚の乾燥と炎症を同時に改善する効果
- 血行を促進し、肌の色つやを良くする効果
- ホルモンバランスの乱れに伴うのぼせやイライラを鎮める効果
どんなときに使う?(適応疾患・部位)
- 皮膚の色つやが悪く、のぼせ気味のものの次の諸症:
- (医療用)月経不順・月経困難・血の道症・更年期障害・神経症
- (市販薬)湿疹・皮膚炎 など
温清飲はオンライン診療で出せる?
「長引く皮膚炎を体質から改善したい」「急に症状が出たけど、病院に行く時間がない…」
そんな方に知っていただきたいのが、オンライン診療という選択肢です。
温清飲のような漢方も、医師が適切と判断すれば、オンライン診療で相談したり、処方を受けたりすることが可能です。
ご自宅や職場など、好きな場所からスマートフォンやパソコンを使って医師の診察を受けられ、お薬も自宅に届けてもらえるので、通院の手間や待ち時間をぐっと減らすことができます。
ウチカラクリニックでも、
温清飲に関するご相談や継続的な処方をオンライン診療にて承っております。
特に、症状が安定している場合の継続処方や、お薬への切り替え相談などに、オンライン診療は便利です。経験豊富な医師が親身になってお話を伺いますので、お気軽にご相談ください。
温清飲の使い方(用法・用量)
1日2〜3回、1回1包を食前または食間(食事と食事の間)の空腹時に服用するのが基本です。
水または白湯(さゆ)で服用してください。
メーカーにより1包の量などが異なります。詳細は医師や薬剤師の指示に従ってください。

温清飲の副作用
漢方薬は作用が穏やかですが、副作用が全くないわけではありません。
主な副作用
主な副作用として、食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢などが報告されています。
まれですが、注意すべき重大な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害があります。
サンシシ(山梔子)を含むため、長期投与(多くは5年以上)で大腸の色調異常、浮腫、びらん、潰瘍、狭窄を伴う腸間膜静脈硬化症があらわれるおそれを引き起こすリスクも指摘されています。
副作用への対処法
体を冷やす生薬と、胃に重たい生薬が両方入っているため、もともと胃腸が弱い方は、胃もたれなどを感じることがあります。
「息切れ」「息苦しさ」「空咳」「発熱」などは、間質性肺炎の初期症状かもしれません。すぐに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
温清飲の注意事項(禁忌)
注意が必要な方
- 過去にこの薬の成分でアレルギー症状を起こしたことがある方
- 著しく体力が衰えている方
- 胃腸が非常に弱い方、食欲不振や吐き気のある方
併用に注意が必要な薬
悪い飲み合わせは特に報告されていませんが、他の漢方薬と併用する場合は、成分が重複しないか医師・薬剤師に確認しましょう。
使用上の注意
漢方薬は、症状だけでなく、その人の体質(「証」といいます)に合わせて選ばれます。
温清飲は、皮膚がカサカサして色つやが悪い(血虚)けれど、のぼせや炎症など熱症状(熱証)も併せ持つ、という混合タイプの体質の方に適しています。
保管方法
- 直射日光や湿気を避け、涼しい場所に保管してください。
- 子どもの手の届かない場所へ。
飲み忘れたら?
気づいた時点で、できるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次に飲む時間が近い場合は、忘れた分はとばして、次の時間に1回分だけ飲みましょう。絶対に2回分を一度に飲んではいけません。
ウチカラクリニックのオンライン診療でも、温清飲をはじめとした漢方の処方なども行っています。気になる症状がある方はいつでもお気軽にご相談ください。年中無休で診察しています。

温清飲に市販薬はある?値段は?
市販薬
クラシエやJPS製薬などから、具体的な製品名で販売されています。
- 「クラシエ」漢方温清飲エキス錠 (クラシエ)
- JPS漢方顆粒-7号(温清飲) (ジェーピーエス製薬)
製品によって顆粒や錠剤といった剤形や、用法・用量が異なりますので、購入の際はパッケージをよく確認し、薬剤師や登録販売者に相談することをおすすめします。
ジェネリック
漢方薬には、西洋薬のような「ジェネリック医薬品」という概念は厳密にはありません。
しかし、ツムラ以外にも、コタローなど、複数のメーカーが同じ「温清飲」という名称で医療用エキス製剤を製造しており、薬価もそれぞれ異なります。
薬価
時期や規格によって金額は変わってきますが、以下のような目安です。
- ツムラ温清飲エキス顆粒2.5 g(医療用):約38.0円/包(3割負担の場合:約11円)
- コタロー温清飲エキス細粒4.0g(医療用):約27.2円/包(3割負担の場合:約8円)
※2025年10月2日現在
※薬価は改定などで変わる可能性があります。
添付文書
よくある質問(FAQ)
Q.妊婦・授乳中でも飲めますか?
自己判断での服用は避け、必ず医師や薬剤師に相談してください。妊娠中は体の状態が大きく変化するため、専門家による慎重な判断が必要です。
Q.子どもでも飲めますか?
はい、アトピー性皮膚炎など、お子さんのカサカサして赤みのある皮膚症状に処方されることがありますが臨床試験は未実施です。その場合、年齢や体重に合わせて服用量が調整されます。
Q.飲むと眠くなりますか?運転はできますか?
眠くなる成分は含まれていません。むしろ、イライラやのぼせによる不眠を改善する効果が期待できます。運転への影響もありません。
Q.お酒(アルコール)との飲み合わせは?
治療中の飲酒は控えるのが望ましいです。アルコールは漢方でいう「熱」を生むため、体の熱を冷まそうとする温清飲の働きとは逆の作用になります。特に、皮膚の炎症やかゆみを悪化させる可能性があるため注意が必要です。
Q.いつから効き始めますか?
体質をじっくりと整えていく漢方薬なので、即効性はありません。効果を実感するまでには、早くても2週間~1ヶ月程度はかかります。焦らず、継続して服用することが大切です。
まとめ
温清飲は、「潤す」力と「冷ます」力を併せ持つことで、乾燥するのに炎症も起きる、といった複雑な皮膚トラブルや、更年期などの女性特有のゆらぎを、体の内側から整えてくれる漢方薬です。
「私の肌トラブル、温清飲が合っているのかな?」
「更年期の不調を、漢方で穏やかに改善したい」
そんなときは、我慢せずに専門家である医師に相談しましょう。
ウチカラクリニックのオンライン診療なら、お忙しい方でもご自宅から気軽に医師の診察を受けることができます。
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- 処方された薬は郵送、またはお近くの薬局で受け取り可能
通院の手間なく、ご自身の体質や症状に合った漢方薬についてじっくりと相談できます。長引く不調にお悩みの方は、ぜひお気軽にウチカラクリニックにご相談ください。
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