「毎月やってくる生理痛、市販の鎮痛剤でなんとかしのいでいる…」 「痛みで仕事や学校を休んでしまうこともあって、本当につらい…」
多くの女性が経験する生理痛ですが、「みんなも同じだから」「体質だから仕方ない」と我慢してしまっていませんか?
実は、日常生活に支障が出るほどのつらい生理痛は、「月経困難症」という、治療によって改善できる病気のサインかもしれません。そして、その痛みの裏には、将来の不妊にもつながる病気が隠れている可能性も…
この記事では、生理痛がなぜ起こるのかという基本から、病院で受けられる専門的な治療(ピルや漢方薬など)まで、あなたの悩みを解決するための知識を解説していきます。
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そもそも生理(月経)はどうして起こるの?
毎月やってくる生理ですが、その仕組みを詳しくご存知の方は意外と少ないかもしれません。生理とは、妊娠の準備のために、女性の体の中で約1ヶ月の周期で起こる体の変化です。
このサイクルは、脳からの指令を受けて、卵巣から分泌される2つの女性ホルモン「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」によってコントロールされています。
生理が起こるまでの4ステップ
①卵胞期(らんぽうき):妊娠の準備期間
生理が終わる頃から、脳は「卵子を育てなさい」という指令を出します。これを受けて、卵巣では卵子のもととなる「卵胞」が育ち始め、そこからエストロゲンが分泌されます。
エストロゲンは、受精卵が着床しやすいように、子宮の内側にある「子宮内膜」をフカフカのベッドのように厚くしていきます。
②排卵期(はいらんき):卵子が飛び出す
エストロゲンの分泌がピークに達すると、脳からの指令で、十分に育った卵胞から卵子がポンと飛び出します。これが「排卵」です。
③黄体期(おうたいき):着床を待つ期間
排卵後、卵巣には「黄体」という組織が作られ、そこからプロゲステロンが分泌されます。
プロゲステロンは、厚くなった子宮内膜をさらに維持し、体温を上げるなど、受精卵が着床しやすい状態を保つ働きをします。
④ 月経期(げっけいき):不要になった内膜の排出
排卵から約2週間経っても妊娠が成立しなかった場合、フカフカのベッド(子宮内膜)は不要になります。
すると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が急激に減少し、不要になった子宮内膜が血液とともに剥がれ落ちて、体の外に排出されます。これが「生理(月経)」です。

そして、生理が終わると、また次の妊娠の準備のために①の卵胞期が始まり、このサイクルが繰り返されていきます。
生理痛は、この④の段階で、子宮内膜を外に押し出すために子宮が収縮する際に起こる痛みということになります。
生理痛(月経困難症)とは?
医学的には、生理期間中に起こる下腹部痛や腰痛などの不快な症状を「月経困難症」と呼びます。
これには、大きく分けて2つのタイプがあります。
機能性月経困難症

特に子宮や卵巣に明らかな病気が隠れていないのに、痛みが起こるタイプです。
主な原因は、後述する「プロスタグランジン」という痛み物質の過剰な分泌によるもので、思春期から20代前半の若い女性に多く見られます。
器質性月経困難症

子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症といった、何らかの病気が原因で痛みが引き起こされているタイプです。
20代後半から徐々に増え、年齢とともに痛みが強くなる傾向がある場合は、こちらの可能性を考える必要があります。
生理痛の主な症状
生理痛というと、下腹部の痛みを思い浮かべる方が多いですが、実はそれ以外にも様々な不快な症状を伴うことがあります。ご自身の症状と照らし合わせてみましょう!
痛みの特徴
生理痛の最も中心的な症状は「痛み」です。
【場所】
主に下腹部が痛みますが、腰や骨盤のあたり、太ももにまで痛みが広がることもあります。
【痛みの種類】
「キューっと締め付けられるような痛み」「ズキズキと脈打つような痛み」「お腹全体が重く鈍い痛み」など、人によって様々です。

体に現れるその他の症状
痛み物質であるプロスタグランジンは、胃や腸など他の臓器にも影響を与え、以下のような症状を引き起こすことがあります。

- 吐き気、嘔吐
- 下痢
- 頭痛(特に生理周期と関連した片頭痛)
- めまい、立ちくらみ
- 全身の倦怠感、だるさ
- むくみ
心に現れる症状
ホルモンバランスの変動は、心の状態にも影響を与えます。
- イライラする
- 気分の落ち込み、憂鬱になる
- 集中力の低下
- 眠気

このように、生理痛は単なる腹痛ではなく、心身の様々な不調を引き起こし、生活の質(QOL)を大きく低下させます。これらの症状が重い場合は、我慢せずに医療機関に相談することが大切です。
生理痛の主な原因、なぜ痛むの?
生理痛の主な原因は、「プロスタグランジン」という痛み物質です。
生理が始まると、不要になった子宮内膜を体の外に排出するために、子宮が収縮します。この子宮の収縮を促すのがプロスタグランジンですが、この物質が過剰に分泌されると、収縮が強くなりすぎて陣痛のような痛み(生理痛)を引き起こすのです。
その他にも、ストレスによるホルモンバランスの乱れ、体の冷えによる血行不良、不規則な生活なども、痛みを強める要因となります。

婦人科を受診すべき生理痛のサイン
「このくらいの痛みで病院なんて…」と思う必要は全くありません。以下のような症状に当てはまる場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。
《月経困難症のセルフチェックリスト》
□ 市販の鎮痛剤が効かなくなってきた、または飲む量が増えている
□ 年々、生理痛がひどくなっている気がする
□ 痛みで寝込んだり、仕事や学校を休んだりしてしまう
□ 吐き気や頭痛、めまいなど、痛み以外の症状もつらい
□ 生理期間以外にも下腹部痛や腰痛がある
□ 排便の時や性交時に、お腹の奥の方が痛む(子宮内膜症のサインの可能性)

生理痛は何科?内科でもいい?
つらい生理痛の相談は、「婦人科」または「産婦人科」が専門です。「レディースクリニック」という名称でやっているクリニックも少なくないです。
超音波(エコー)検査などで、子宮や卵巣に病気が隠れていないかを専門的に診断し、原因に合わせた最適な治療を提案してくれます。
もちろん、かかりつけの内科で鎮痛剤を処方してもらうことも可能です。
しかし、根本的な原因の特定や、後述する低用量ピルなどを使った専門的な治療は婦人科の領域となるため、つらい症状が続く場合は、ぜひ一度、婦人科を受診してみてください。

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病院で処方される生理痛の薬
婦人科では、市販の鎮痛剤とは異なるアプローチで、生理痛そのものを根本から軽くする治療が行われます。
低用量ピル(LEP)
現在の生理痛治療の主流となっているのが、LEP(Low dose Estrogen-Progestin)と呼ばれる低用量ピルです。排卵を止め、子宮内膜が厚くなるのを抑えることで、痛み物質「プロスタグランジン」の産生を根本から減らし、痛みを大幅に和らげます。
フリウェル配合錠LD/HLD

月経困難症の治療薬として、日本で最も広く使われている保険適用のお薬の一つです。
詳しい解説はこちら
→フリウェル配合錠
ヤーズ配合錠 / ヤーズフレックス配合錠

「超低用量ピル」に分類され、むくみにくく、PMS(月経前症候群)の改善効果も期待できるのが特徴です。
「ヤーズフレックス」は、最長120日間連続で服用することで、生理の回数そのものを減らすことも可能です。
詳しい解説はこちら
→ヤーズ配合錠
→ヤーズフレックス配合錠
子宮内膜症の治療薬
超音波検査などで、強い生理痛の原因が子宮内膜症であると診断、または疑われた場合に選択されるお薬です。
ジエノゲスト錠0.5mg

女性ホルモンの一種である黄体ホルモンに似た作用を持つお薬です。
排卵を抑え、子宮内膜症の組織が大きくなるのを防ぐことで、痛みを強力に抑えます。
詳しい解説はこちら
→ジエノゲスト
漢方薬
ホルモン剤に抵抗がある方や、冷え・イライラといった他の不調も併せ持つ方には、体質改善を目指す漢方薬も有効な選択肢です。
加味逍遙散(かみしょうようさん)

比較的体力がなく、精神的なストレスやイライラ、気分の浮き沈みなどを伴う生理痛によく使われます。
詳しい解説はこちら
→加味逍遙散(かみしょうようさん)
桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

比較的体力があり、のぼせや足先の冷え、下腹部の張りなどを伴う生理痛に使われます。血の巡りを改善する代表的な漢方薬です。
詳しい解説はこちら
→桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
生理痛を和らげるために自分でできること
薬に頼るだけでなく、日々のセルフケアを取り入れることで、つらい生理痛を和らげることができます。
楽な体勢を見つける
痛みがつらい時は、楽だと感じる体勢で休みましょう。
横向きに寝て膝を抱える「胎児のポーズ」は、お腹の筋肉の緊張を和らげます。

また、四つん這いになって背中をゆっくり丸めたり反らせたりする動きも、骨盤周りの血行を促し、痛みを楽にしてくれます。

体を温める
血行不良は痛みの大きな原因です。カイロや腹巻きでお腹や腰を温めたり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったりして、全身の血行を良くしましょう。体を冷やす冷たい飲み物は避け、ハーブティーや生姜湯などを選ぶのがおすすめです。
軽いストレッチや運動をする
痛みが少し落ち着いている時は、ウォーキングやストレッチで体を軽く動かすと、骨盤内の血流が改善され、痛みが和らぐことがあります。
痛みを和らげるツボを押す
生理痛に効くとされるツボを、気持ちいいと感じる強さでゆっくり押してみましょう。

三陰交(さんいんこう)
足の内側、くるぶしから指4本分上にあるツボ。

関元(かんげん)
おへそから指4本分ほど真下にあるツボ。
食事と飲み物を見直す
体を温める根菜類や、血行を促進するビタミンE(ナッツ類など)、子宮の収縮を和らげるマグネシウム(豆腐、海藻類など)を意識して摂りましょう。カフェインや甘いものは、痛みを強めることがあるため控えめに。
よくある質問(FAQ)
Q. 病院で生理痛の診断書はもらえますか?
A. はい、医師が診察の結果、「月経困難症」と診断し、学業や業務に支障があると判断した場合は、学校や職場に提出するための診断書を発行してもらえます。ウチカラクリニックのオンライン診療でも対応が可能です。
Q. ピルなどの薬の費用はどのくらいですか?
A. 月経困難症の治療として処方される場合、お薬は保険適用(3割負担)となります。診察費とお薬代を合わせて、月々2,000円〜3,000円程度が目安です。
Q. 副作用はありますか?
A. ピルの場合、飲み始めに軽い吐き気や頭痛、不正出血などが起こることがありますが、多くは数ヶ月で体が慣れていきます。ただし、ごくまれに「血栓症」という重大な副作用のリスクもあるため、医師からよく説明を受け、定期的な検診を受けることが大切です。
まとめ
毎月やってくる、つらい生理痛。それは「女性だから仕方ない」と我慢するものではなく、治療によって改善できる「月経困難症」という病気の可能性があります。
治療の選択肢は、痛みを一時的に抑える鎮痛剤だけでなく、痛みの根本から改善を目指す低用量ピルや漢方薬など、幅広く存在します。
一人で悩まず、まずは婦人科や、ハードルが高く感じるならオンライン診療で、専門家に相談することから始めてみませんか。痛みのない快適な毎日を取り戻すための一歩を、ぜひ踏み出してください。
婦人科のお悩みなら
ウチカラクリニックのオンライン診療で

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この記事の監修者

ウチカラクリニック代表医師
森 勇磨
経歴
東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「 予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。