胃がんの初期症状をチェック!原因や胃がん検診についても医師が徹底解説!

がん消化器内科
胃がんの初期症状をチェック!原因や胃がん検診についても医師が徹底解説!
監修者
森 勇磨

こんにちは。ウチカラクリニック健康メディア「予防医学大辞典」です。

今回は「胃がん」について、胃がんの初期症状のチェック方法や原因、有効な検診の方法などについて医師の視点から簡単に、わかりやすく解説していきます。

胃癌は日本人の中で数は2番目に多く、死亡率は3番目に高い怖いがんで、日本人にとっては天敵なんです。

胃がんは児玉清さんや王貞治さんなどの著名人の方々もご経験されたがんです。

そして胃がんはあなたに体の中からSOSのサインを出す場合があります。

そうしたサインに気づかずにあまり放置しておくと突然吐血してしまったり、転移が起こったりする可能性もある為、当然できるだけ早期発見をしたい所ですよね。

また胃がんの一番の原因をご存じでしょうか?実はそれはある「感染症」だったんです。

そんな胃癌にそもそも予防法や有効な検診は存在するのでしょうか?また症状は一体どのようなものがあるのでしょうか?

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胃がんとは?

まず胃がんのお話をするにあたって、胃についてざっくりとした解説をしておきます。

胃の場所はご存じの方も多いかと思いますが、このようにのどから食道を通過した先に繋がっています。胃の先には十二指腸、小腸、大腸、肛門と繋がる1本の食べ物の通り道の中間地点になっているんですね。

胃の役割としては大きく分けて2つあります。

まず一つ目は食べ物の消化です。

胃に食べ物が入ると、入り口側から出口側の方に上手に伸び縮みをして、食べ物をおかゆ状にしていきます。この運動を医学用語で蠕動運動と呼びます。

そしてこの運動の際に重要なのが胃の入り口と出口の2つの門なんです。

入口側の門である噴門は胃が伸び縮みをしている間、食道の方に食べ物が逆流しないようにガードしてくれていますし、

出口側の門である幽門は、しっかり食べ物がおかゆ状に消化された状態になるまで閉鎖していて、消化が上手くできたらパかっと開く、こういう素晴らしい仕組みになっているんですね。

また2つめの役割が食べ物の殺菌です。

体調が悪い時に吐いてしまう際、口の中に酸っぱいものがこみ上げてきますよね。

あれは胃の中の消化液である胃酸の成分が原因なんですが、なぜ酸っぱいかというと、胃の食べ物を殺菌する為なんですよね。

そして胃は特殊な粘液のバリアに守られているので、胃自身は溶ける事なく、食べ物の殺菌を続けられるんです。本当に人間の体は不思議ですよね。

こんな胃という臓器のどこかにがんができてしまうのが「胃がん」です。

胃がんの治療は?検査や検診はどのように行う?

では胃について理解が深まった所で、胃がんの検査や治療方法にはどのようなものがあるのでしょうか?

胃がん検診の方法は?

まず、胃がん検診についてみていきましょう。

こちらは胃のレントゲンを撮影する検査があります。

こちらはバリウム検診といった方が伝わりやすいかもしれません。

やった事のある方はご存じだと思いますが、バリウムというお世辞にもおいしいとは言えない白い液体を飲んで、台の上に乗って体勢を変えたり、台を回転させたりしながら胃にまんべんなくバリウムを付着させ、レントゲンを撮影する検査ですね。

イメージとしてはタイムショックで時間切れになった時の台の回転をめちゃくちゃマイルドにした感じですね。

胃癌があると、本来つるっとした胃の内側の壁に凸凹ができるので、この検査では胃に付着したバリウムをみてそういった異常がないか確認する事ができます。

また、最も一般的なものが胃カメラですね。(上部消化管内視鏡検査)

こちらは直接胃の中をカメラでぐるっと見渡す事ができますし、怪しい部分はそのまま組織をとってきて良性か、悪性か確認する事ができます。

胃がんの治療の方法は?

そして治療としては、胃がんがどこまで広がっているのかによって変わってきます。

胃の内側の粘膜にとどまっている段階で発見する事ができれば、非常に幸運です。

この場合は全身麻酔の手術ではなく、胃カメラ、要するに内視鏡を使ってがんの部分をくるりと切除する方法をとる事ができる場合があるんです。

ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)、と呼びます。

ただ粘膜の下の層や、胃の筋肉の部分までがんが進行している場合は、全身麻酔の外科的な手術を行い、胃を部分的に切除したり、中には全て切除する必要がある場合もありますね。

また、遠隔転移があれば他のがんと同様に抗がん剤を用いた治療を行う事になります。

ただやはりそうなる前に、できるだけ早期発見をしたい所です。

という訳で続いて、早期発見の為に知っておいて欲しい、胃がんの症状や予防法について解説していきます。

胃がんの初期症状とは?チェック方法は?

では胃がんの症状について解説していきます。

胃がんの初期症状チェック①胸のあたりの痛み

まず、痛みの症状としてあらわれる事があります。

どこにあらわれるかと言いますと、胃が存在する場所は、体の外側から見るとこのあたり、いわゆるみぞおちですね。医学用語で心窩部といいます。

自分の胸の真ん中の骨、これを胸骨って言うんですけど、この骨を体の下につたっていって、骨がなくなってぽこっとしたくぼみになる所、ここが心窩部です。

この心窩部のあたりが胃がんの影響で痛くなる事があります。

ただみぞおちの痛みと言われてもよくお腹が痛くなりやすい人にとっては結構頻繁にあるものですし、痛みだけではなんとも言えないのが正直な所。

胃の炎症などでも痛くなる事はありますね。

もう少し胃がんに特徴的な症状を見ていきましょう。

胃がんの初期症状チェック②食べた後にすぐにお腹いっぱいになる

他の症状で言うと、食べた後すぐにお腹いっぱいになってしまうというものがあります。早期満腹感、ともいったりしますね。

今まではかなり大食いだった人が、ごはん1杯食べただけで「あれ、もうお腹いっぱいになっちゃった…」なんて状態があまりに長く続く場合は少し気にしてください。

しかし、なぜこのような事が起きるのでしょうか?

これは、最初に説明した胃の蠕動運動が関係しています。

復習になりますが、胃は伸び縮みをして食べ物を消化しています。そして胃がんができるとこの伸び縮みの運動がスムーズにできなくなり、消化効率が落ちてしまいます。

その為、落ちた効率に合わせて、あまり食事を食べ過ぎて胃がパンクしないように、脳が満腹サインを早めに出すようになっているんですね。

この症状はあくまで参考にしかなりませんが、覚えておいて下さい。

胃がんの初期症状チェック③左の鎖骨の後ろにしこりができる

また転移をした場合になりますが、左の鎖骨の後ろの肩のくぼみにしこりができる場合があります。右ではなく左なんですね。

これは胃の周りのリンパ節の構造から、この左の鎖骨のリンパ節にたどり着きやすくなっているんです。医学用語で「ウィルヒョウ転移」という言葉がつけられているくらい医者の間では有名なものなんです。

胃がんの初期症状チェック③黒っぽいうんちが出る

そして何より、この症状が合ったら絶対に病院に行って欲しい、そんな症状がただ一つあります。

それが「黒色便」、要するに黒っぽい便ですね。

便の色が黒がかっている場合は、胃からの出血や、胃がん自体からの出血の可能性があります。

「え、でも出血だったら赤い便になるんじゃないの?」こう思われた方も多いと思います。

確かに、腸などで出血が起こった場合は、新鮮な状態で血が便について体の外に出るので、赤みを帯びた便になる事が多いのですが、胃からの出血の場合は胃酸と反応したり、胃から十二指腸、小腸、大腸という長い旅路の中で変色してしまう為、最終的に黒い便ととなって排出されるんです。

黒い便は要注意、これは覚えておいて下さい。

ちなみに、イカ墨パスタを食べた時や、鉄剤などの薬の影響で便が黒くなる事もあるので、そういった場合は例外として考えて下さいね。

今回紹介した症状が複数あった場合は、胃の専門科である、消化器内科をまずは受診しましょう。

胃がん検診とは?胃がんの予防法とは?

ではこんな恐ろしい胃がんですが、予防法はあるのでしょうか?

まず、2次予防、要するに早期発見する為の予防として胃がん検診、これは非常に有効です。

先ほど紹介したバリウム検診や、胃カメラの検診がそれにあたります。

胃カメラの検診も2014年から対策型検診、まあ要するに国がお金を出してくれる検診になりましたので非常に受けやすくなりました。

50歳以上の人は胃がん検診を定期的に受けるようにしましょう。

※胃カメラ2-3年に1回 バリウム検査:1-3年に1回

また、そもそも胃がんにならない、これが一番の理想ですよね。

胃がんの1次予防の為にできる事はなんでしょうか?

まず、胃がんのリスクとなる生活習慣を避ける事です。

リスクとなるのはたばこを吸う事、そして塩分の多い食生活を送る事です。

約4万人の日本人を対象にした研究でも、食塩の取りすぎで男性の胃がんのリスクは上昇し、特にうに、いくら、筋子などの魚卵系の食べ物はさらにリスクを上げるというデータがあるので、食べ過ぎには注意しましょう。

そして胃がんの一番の原因をご存じですか?

それはピロリ菌というものです。

これはミドリムシのような形をした細菌なんですね。

実は胃がんは感染症だった、こういう見方もできてしまうくらい、ピロリ菌による胃がんは多いんです。

「え、でもさっき胃酸に殺菌作用があるって言ってたよね?ピロリ菌も胃酸で殺せないの?」

と思われる方も多いと思います。

しかしピロリ菌はなんと胃酸を中和する作用があるので、のうのうと胃の中で生き続ける事ができ、そして胃がんの原因となるCagAというタンパク質を胃に注入する悪い奴なんです。

ピロリ菌は昔の井戸水のように衛生環境の悪い水などから感染すると言われており、昭和の時代などまだ衛生環境が整っていなかった時に、幼少期に感染し胃を荒らされているケースも想定されます。

ピロリ菌の検診は未だ対策型検診には含まれてはいないものの、胃がんのリスクとなるだろう、という事は決着がついています。

また東京大学の研究チームの2017年の発表では、欧米のピロリ菌より日本に生息する「東アジア型」のピロリ菌の方が胃がんのリスクを上げたというデータもありますし、私の意見にはなりますが胃の中にピロリ菌の存在が確認できたら除菌しておく方が無難ではないか、こう思っています。

胃がんの原因・検診・予防まとめ

今回紹介した胃がん予防に関する内容をまとめると、

  1. 50歳以上の方はバリウム検診や胃カメラ検診といった胃がん検診を定期的に受ける。
  2. 胃がんのリスクとなる生活習慣を避ける。(塩分の取りすぎや喫煙)
  3. ピロリ菌の検査を行い、陽性の場合は除菌する、という選択肢がある事を知る。

今回はこの3ポイントを絶対に覚えて帰って下さい。

もしかしたら未来のあなたを助ける予防医学として役立ってくれるかもしれません。

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監修者情報
森 勇磨

森 勇磨

ウチカラクリニック代表医師

東海高校、神戸大学医学部医学科卒業。名古屋記念病院基本臨床研修プログラム修了。藤田医科大学救急総合内科、株式会社リコー専属産業医を経てMEDU株式会社(旧Preventive Room)創業。|ウチカラクリニック代表医師|一般社団法人 健康経営専門医機構理事|日本医師会認定産業医|労働衛生コンサルタント(保健衛生)
YouTubeチャンネル「予防医学ch/医師監修」監修 著書に「40歳からの予防医学(ダイヤモンド社)」など多数。

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